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幼稚園のような国会にうんざり。ノルウェー法務大臣がFacebook投稿が原因で辞任へ

20日、シルヴィ・リストハウグ法務・危機管理・移民大臣が辞任をすると突然発表した。

【内容】

●テロに敏感に反応するノルウェー

●まるで幼稚園のよう。大人の私はうんざり

●私の言論の自由は脅かされた

●首相は法務大臣の言説全てには同意せず

●他人から言われてではなく、自分から辞任することの意味

●関係者に殺害予告

●将来的には別の大臣ポストにカムバック

●リストハウグ氏がさらなる権力を増すことに?

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9日、法務大臣は、左派最大政党野党「労働党」は、「国家の安全よりもテロリストの権利が大事」な政党だと名指しして批判。

批判の背景には、テロの脅威がある外国人兵士からノルウェー国籍を法廷を通さずに没収できるという案が、国会で否決されたため。厳格なテロ対策の実行を、左派野党が邪魔するとして、法務大臣が悔しくて投稿したものだった。

しかし、Facebook投稿日は、77人の命を奪ったノルウェーのテロ事件が題材にされた映画『U – July 22』の公開初日でもあった。

テロが起きた「7月22日」が、いまだに非常にセンシティブなテーマであるノルウェー。テロの標的となった労働党を、根拠もなく、「テロリストのための党」と名指しする行為は、何を意味するのか。

映画公開で緊迫していた中で、未だにテロの悲しみが残るノルウェー世論に、爆弾を落とすようなものだった。

ノルウェーでは、テロは労働党や政界だけが狙われたのではなく、「国全体、国の民主主義」が標的にされたという認識だ。

※ノルウェーの国会には、テロリストを味方するような政党はいない。

詳細記事

ノルウェー法務大臣のFB投稿が発端でテロ生存者に殺害予告

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Photo&Text: Asaki Abumi

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