銃•病原菌•鉄(下巻)/ジャレド•ダイヤモンド
遂に読み終わりました…上下巻合わせて400頁…長かったです…
達成感と共にただ終わったら終わったでなんだか喪失感に駆られています…とりあえず今日もだらだらと感想を書いていこうと思います!
【感想】
の前に軽く前巻の最後の結論部分だけ軽く復習しておきましょう!前巻の最後スペインが、アメリカ大陸にあったインカ帝国を占領出来た理由について述べられてましたよね。それは、彼等が早くから農作物や動物を家畜化出来た事によるものでした。もっと具体的にいうと、家畜化された動物からの病原菌に対する免疫力を持ち、
食糧生産によって余剰食料が生まれ、職業軍隊(専門職)が生まれた事や人口増加により、狩猟採集民族に比べて、軍隊の力が強かった為。というような感じでした!
下巻では、言語や技術の発明についてと政治体制の発達に関して、人類史の発展におけるその意味と、環境的な影響要因を論じ、最後のチャプターとして、オセアニア、中国、南太平洋・ニューギニア、南北アメリカとアフリカなど、地球上の各地域ごとの発展・未発展を、今までの論点をもとにもう一度検証していくという構成でした。
内容をざっくり話すと、1から文字を作ったところがあり、それをパクった人々が英語を生み出したって言うような事が最初に述べられてます。
これによって人々は情報の伝達を円滑に行う事や情報を正確に記録する事もできるようになったと。
発明については、余剰食料が大量にある地域に住む人々は、前述の通り専門職が生み出せます。その為、そういった人々が革新的な発明を行い、その後世の人々は前に発明されたやつを修正させる…というようにどんどんより良いものを生み出すループが出来ると述べられていました!
例えば蒸気機関で有名な人はジェームズワットですよね。
ただ彼より前にもそれに近しいものはいっぱいあって、彼はただ前に発明されているものに修正を施しただけって事です。まとめると、1から10にする発明の方が圧倒的に数が多いそうですよ!
その後のオーストラリアやニューギニア、アフリカ大陸がヨーロッパ人に占領されるまでの流れは、前巻であった流れのまんまって感じでした!
少しだけ補足すると、大陸ごとでも対立があったそうで、そこでの勝者というのもやはり今までのパターンで勝てたって感じでした!
最後に個人的に1番ビビッと来たエピローグについてです!
上下巻を通じ、1万3000年の人類史の流れを対象にした分析が主体になっていましたが、エピローグでは、ここ500年から1000年の大きな人類史の変化、それまで世界の政治、技術、生産の中心だった「肥沃三日月地帯」(メソポタミヤ)と中国が、なぜ世界の表舞台から退場・後退し、それまで辺境地帯だった欧州が新大陸を植民地化し、第一線に登場するようになったのか?というテーマを、今までの論証の延長線上からその究極的な要因を検証していくものでした。
僕はこの章でまたもや文章の迫力と説得力に思わず引き込まれました。
軽くまとめると
「肥沃三日月地帯」では、自然破壊と環境特性の脆弱さが、取り返しのつかない滅亡をもたらしたこと。
中国においては、地理的特性の優位と政治的に強固な統一の永続(支配政権は変わるとしても)が、却って両刃の剣として大きなマイナスの影響をもたらしたこと。(明の時の中国艦隊の技術は、同時代のヨーロッパを遥かに凌いでおり、世界の覇権を握れるチャンスがありました!しかし、明王朝の鎖国命令一つで艦隊の航海技術などの衰退により、清王朝の時には眠れる豚と呼ばれてしまってますよね…)
欧州の地政学的な優位性(命令系統がバラバラで全く統一されてない事と中国と違って海岸線がめっちゃ入り組んでる事)
というのが著者の主要な論点でした。
これをみて、成功とは偶然起きるものなのだなと感じ、あまりにも大きな問題事は人間の力で解決できないと感じました。
だって結局、「欧州が歴史の勝者になったのは欧州人が優秀だからではなく、地理的・環境的な要因によるものです。」
って事じゃないですか。
……いやそれただの運ゲーじゃん!ってめっちゃ途中で感じましたよ!笑
生まれる大陸を選ぶ事も出来ないし、所詮人間の力なんてたかが知れてるなと僕は思いました。
ただ一つ強く言っておきたいのは、明王朝のように誤った選択をすると、今後自分の首を締める事になるし、自分たちの可能性の扉を閉ざしてしまう事です。
なので、その時間違った選択をできるだけ防ぐ為にその時自分達に出来る最善を尽くすべきだと強く感じました。
この本は色々と賛否両論あると思いますが、是非読んでみて貴方自身が感じた事を見つけて下さい。
それではおやすみなさい🌙
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