過酷な『ノルマ』を課すのは客離れの原因になるのか?
こんにちは。演劇・エンタメ分野をビジネスの視点で語るAsakawaです。
前回から『けっこう前に書いた記事が未だにPV数を伸ばしてます』みたいな内容の記事を書いて、またそれを軸に新しい視点で書いているのですが、今回はその第二弾です。
今回はこちら↓
はい、演劇や音楽を始めとしてステージに立つことを求めている人なら一度は聞いたことある、実際に背負わされた人もいる「チケットノルマ」についてです。
この記事も一年前に書いた記事ですが、検索エンジンで上位に表示されるなどで今も直近のアクセス状況で上位に顔を出しています。
この記事では、
舞台を上演するにあたって協力している立場なのにノルマを達成できなかったらその分は自腹っておかしくない?
というテーマで書きました。その是非についてはリンク記事を読んでいただくとして、
このように出演が決まったは良いものの、その舞台やらライブが最低何枚は売ってくださいとノルマが課せられる催しものだった場合、何が起きるか?
ここで「ノルマ」と聞いて連想させられるのは今、世間を大変騒がせているビッグモーターの一連の不祥事ではないでしょうか?
ここでのノルマは、
と、車の修理にノルマを課すのか?と耳を疑う文言が飛び出しました。
このノルマによって何が起きたかはご存知の通りです。これが発覚したことによりこの会社どころか業界全体に不信感が広がり信用は失墜しました。
同じように、
とノルマが課せられたらもちろん出演者は必死に売ることになるでしょうが、
それによって一枚でも多くチケットを売ることだけに躍起になってしまったがために、殆どの人は本番が近づくにつれていわば過剰な営業を仕掛けることになることもままあるでしょう。
これによって営業を仕掛けられた側は、
「うざい」「しつこい」
とネガティブな感情を少なからず出てしまうのは必至です。
特に、
「普段は連絡をよこさない、もう長らく交流はないのにこういう時だけ連絡をしてくる」
「YesかNoか明確な意思表示してくることを要求する」
主にこんな要素が入っているとさらにその負の感情は増幅します💦
現に知り合いの俳優からきた告知メールに、
「普段は連絡のやり取りなんてしないのにこういう時だけは連絡してチケット買ってくださいって都合が良すぎませんか?とお叱りを受けることがありますが、お知らせをするということは今どうしているのか気にかけている証でございまして、そのきっかけとして・・・」
なんて文章が入っていることがありました💧
まだ専門学校や養成所を出たばかりの人だと人脈も少ないので30枚でも売るのはきついと思います。そうなると高校、中学校時代の友達まで遡って営業をしないといけないと思いますが、その中から今でも仲が良い、定期的に会っている人ってそんな多くないですよね。
突然、連絡してきたかと思えば通販サイトのDMみたいな内容。そりゃあ、あまりいい気もしません・・・😓
そして、そんな受け取った側からすれば通販サイトのDMに等しいメールに「必ず返事をしてください」なんて迫られたらどうですか?まさに「うざい」って思いますよね。
が、出演者側からすれば「なんで返事くらいしてくれないの?」と思っている人もいるのでかなり意識の乖離があります。
そんな自分のメールには無反応なのに、その送った相手から「今度、舞台に出演します!」なんて定文メールが来ることもあったり 笑
売るのに必死なのは理解できますが正直、
「自分だけのことしか考えていない、相手の気持ちを考えていない」
とは言えると思います。こんな状態で上手くいくわけがないのは目にみえて明かです。
とはいえこのような状態に陥ってしまうのも、出演者側がチケットノルマがあると聞かされたのは出演が決まってからとわりと急に降ってきたものである場合もあるからです。
「えっそんなの聞いていないよ〜💦」
と焦った気持ちからやってしまうので余裕なんかありませんよね。
逆にノルマを課す側も「達成可能な数字なのか?」とは頭に入れてほしいと思います。
30枚くらいその気になれば売れなくもない、という見方もできると思いますがそもそもチケットノルマが課せられるような舞台に出演するということは現時点で「知名度・人気のない人」であるはずです。
そして真面目に語れば演劇分野、舞台や映画、ドラマといったコンテンツは台本が面白くないとどんなに出演者は優秀でもコケる可能性は高いです。
いくら出演者が必死に宣伝しても「なんか面白くなさそう」というような印象なら売れるわけないですよね。
出演者にも頑張ってチケットを売ってもらうと要請するのは当然ですが、根本的にそのコンテンツは魅力あるものになっているのか?そこが微妙だったら、チケットが売れないのは出演者のせいではなくこの企画自体が成功するに値しないとなります。
商品として魅力ないものを売ろうとしている、
そんなことが横行していたらどうなりますか?
間違いなくその業界に対してお客さんは良いイメージを持たなくなりますよね。
そんなものに過剰なノルマを課して売ろうとした結果どうなったか?
他にも心当たりがある会社もあろうかと思います。
売れる物は一度の宣伝で勝手に客が押し寄せて来て奪い合いになるほど売れていきます。
エンタメ業界も本来、目指すべき所は過剰な宣伝、営業をしなくても売れていく状態ではないでしょうか?
それには先ず売りたい商品をダイヤになるまで磨き上げることですよね。
それをせずに売れ、買えとなってもあまり良い印象にはなりません。
一度くらいは買ってくれてもその後は、リピーターになることはなく二度買ってくれることはないでしょう。
つまり、
一度は集めてもお客さんは離れていくのではないでしょうか?
総じて過剰なノルマを課すのはその時点で、
魅力ある商品とは言い難い、そこまでしないと利益を上げられないと言っているようなものかもしれませんね。
さらにはノルマを背負わされた人は思わず不正に走り他人を不快にさせて、やがて大きな不祥事に発展する。誰も幸せになりませんね。
このような手法では目先の利益は確保出来ても、長続きはしないのはもう過去の事例が教えてくれています。
では今回は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。
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