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俳優・声優とは『一体、何を成し遂げたら』 売れることができるのだろう?

こんにちは。演劇エンタメ分野をビジネス視点で語るAsakawaです。

私が学生くらいの年齢の時に目指した俳優・声優。この期間は売れるために日々、演技力を磨くことに苦心したのですが・・・、

いま思うとこの世界は、
『一体、何を成し遂げたら』売れることができるのだろう?

と考えた時に、とてもじゃないけどハードルが高すぎる現実に頭を抱えたくなりました。

これほど個人の努力が報われない世界も珍しい

まさに一言で表すならこう評することができるかもしれません。
(こんな言葉を偉大なレジェンド声優さんも言っておられましたね)

例えば『音楽』だったら、

自分が作った曲が、歌っている曲が大ヒットしたら売れるだろう、

と明確な基準があります。これ以外は考えなくても良いでしょう。

じゃあ同じく『演劇』分野の俳優・声優だって、

自分が出演した作品が大ヒットすれば売れるだろう、

と言えるわけですがこの場合、注釈を付ける必要があります。

※ただし主役、少なくともメインキャストとして出演できた場合に限る。

と。ちょっと音楽に比べるとさらに細かい条件設定があります。

それでもまぁ、出番が少なかった演者が売れるのはおかしいし仕方がないとも思えてしまえるわけですが、報酬面では厳しい現実があります。

音楽であれば自分が作った曲が大ヒットすればその売り上げや楽曲が使用された回数に応じて印税が入ってきて大きな収入を得られるわけですが、

映画やアニメなどの出演者の場合は、

その出演作品の売り上げに応じて報酬が支払われる契約を交わすのはないと思われます。

そんな権利があるのはその作品を製作するにあたって資金を出した出資者になります。

たとえ映像作品として販売されても『二次使用料』という形でまた別途入ってくることがありますが、これまたその売り上げに比べれば寂しい報酬しか貰えないのは変わりがありません。

なので日本は主にアニメで定期的に大ヒット作品を生み出していますが、それに出演している声優さんの報酬は驚くほど低い額だと思われます。(ランク制で最低15000円で最高が45000円)

主役で作品に出演して、さらにそれが大ヒットすれば知名度は跳ね上がって、仕事のオファーが殺到するかもしれないがその出演時に貰える報酬だけで生活できるだけの額であることはないだろう、

というのはやはり苦労して出演を掴み取った演者の立場からしたら絶望する現実だと思われます。

一つの作品出演を勝ちとるだけでも相当、時間がかかるのに、その上、主役ですなんてなったらそれはもう一つの成功を収めたと言ってもいいのに、その長い道のりの先に得られる報酬ではとても安定した生活を得られるだけの額でないなら、もう演者個人として出来ることはやった、これ以上なにをしていいのか分からないという心境に陥ると思います。

とはいえそこまで成し遂げれば、あなたはこの世界で必要とされている存在であるのは間違えがないと思うので、

どんなに頑張っても日雇いのアルバイトのような報酬しか貰えないなら、週に5日以上仕事でスケジュールが埋まるくらい忙しく働く、そのペースを年間通して維持すれば演劇・エンタメ関連の仕事だけでなんとか生活できるはずです。

が、ご存じこの世界は流行の移り変わりが激しい世界です。たとえ数年間は必要とされてもあっという間に需要がなくなり転落してしまう危険性があるのもまたこの世界の特徴です。

いまは生活できているけど、不安定な商売だから売れるまで働いていたバイト先は辞めずに籍だけ置かせてもらっているとインタビューで発言する方もいましたが、そこを理解しているのは大事ですね。

昔、事務所に所属して数年後にようやく初めての仕事が入って飛び跳ねるように喜んでいた同期がいたのですが、もちろんおめでとう!と言いました。

が、誰もがこの世界で『売れたいから』養成所などに高いお金を払って飛び込んだはずです。

数年経ってようやく一つの仕事を掴み取れたところで、この世界で食っていきたいなら主役に選ばれて、その作品が大ヒットして、そこから週に5日以上働くペースを途切らせないようにしないと無理という現実があると思うと、悲しくなっていきますね。

他のエンタメ分野と比べたら俳優・声優は売れるための、その仕事だけで生活できるだけの条件があまりにも厳しいというお話でした。

なぜこんな現状なのか一つ挙げるなら作品製作に対する貢献度でしょう。

先ほどの音楽であれば作詞・作曲をしたのがステージに立つミュージシャン自身であればその人が産みの親であるのは疑いようがないので、その楽曲が売れたらそれに応じて報酬が支払われるのは当然です。

が、俳優・声優の場合は作品の産みの親は誰であるのか?と聞かれたら、

それは第一に、
原作者かもしれません。原作があるならこの人が全ての始まりです。
台本を書いた作家もしれません。この台本がないと演者は仕事に取りかかれません。
監督・演出家だって全体の品質を決定付けるのには重大な責任があります。

アニメだったらアニメーターさんの技術力は評価を左右する大きなポイントです。

と、このように演劇分野は出演者が決まる前に既に重要な仕事をしている人達がいて、他にも衣装や小道具をセットを用意してくれないとステージに、カメラの前に立てないと考えれば出演者は色んな人の支えや仕事によって成り立っているんですよね。

かつ一番目立つことができるのがこのポジションです。もちろん出演者の演技の質は重要でしょうが、その演技ができるまでに様々なスタッフが動いてくれているのは忘れてはなりません。

さらに私の肌感覚として、
出演者が未熟でも台本が面白くて、演出家・監督がしっかりした人ならかなり面白い作品に仕上がることは多々あります、

逆に出演者はいくら豪華でも台本がつまらないと、演出家・監督が駄目だと「豪華出演者の無駄使い」と散々な評価が下ることもこれまた多々あります。

演劇コンテンツは出演者の努力だけではどうにもならない、手が付けられない領域があるので、作品製作の貢献度という意味では実はそれほど高くない、他の部門のスタッフと同等程度と言うことができるかもしれませんね。

むしろ一番目立って美味しい思いしているんだから、それでいいでしょみたいな論調もあるかもしれません。

その知名度が上がった恩恵を最大限生かしているのが売れている俳優・声優たちであるとも以前の記事で書きましたね↓

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では今回は以上になります。ここまでお読みいただきありがとうございました。


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