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ボルネオのマレーシアで連日、(元)首狩り族にさらわれる

マレーシアのメインランドはマレー半島だが、面積としてはボルネオのマレーシアの方が広い。

ボルネオのマレーシアでは、華人が絶大な経済力を持ち、強力な存在感を放っている。
日本の高級住宅地なんか可哀想に思えてくるぐらいの大豪邸が立ち並ぶ。

道路はきれい。
ドライブマナーも優秀。
歩行者優先、弱者優先。
クラクションも鳴らない。
先進的。

マレー人の存在感は薄く、モスクよりも教会や寺の方が多い。

ブルネイはただ金持ちなだけだが、ここは経済活動がさかんで活気がある。

ここは本当に、未開の大自然ボルネオ島?

買い物をすると、日本語で「アリガト」と言われることが多い。

マレー半島のマレーシアとは違って、ここはほぼ中国なのでは、と思ってしまうこともある。
でもマレー料理はふつうにある。

ラクサ。

ミーゴレン。

とにかく量の少なさに辟易する。
一人前や二人前では、これっぽっちも腹の足しになりゃしない。

ビュッフェの店があれば駆け込む。

ABC。

ボルネオは、少数民族の割合も高い。
イバン族が住むロングハウスがあちこちで見られる。

少数民族とはいっても、ここサラワク州ではイバン族は人口の3分の1を占める。
系統としてはマレー系だが、イスラム教ではなくキリスト教または土着宗教。

テントを張っていたら、車が止まって食べ物を差し入れてくれた。

その後、イバン族がやって来て「キャンプなんかしないでウチに泊まりなよ」と招いてくれた。

イバン族をはじめとするボルネオ先住民は、かつては首狩り族であった。
戦闘がさかんにおこなわれ、敵の首を狩って持ち帰れば勇者とされた。
結婚する際は、首を狩って捧げて、一人前の男として認められて花嫁を迎えることができた。
首狩りがおこなわれたのは19世紀から1920年代までで、現在はその風習はない。

このSedaapというインスタント焼きそば、僕はけっこう好きで、マレーシア以外の国のスーパーでも時々見かける。

ロングハウスにおじゃま。

これは・・・
伝統的なロングハウスには今も頭蓋骨がぶら下がってたりする、なんて聞いたけど。
まさかこんなにモダンでゴージャスだなんて。

ロングハウスは、サイズにもよるだろうが、推定で100人以上が暮らしている。
どこまでが家族親族なのかわからないが、皆自由に部屋を出入りしている。

イバン族は酒好き。

この酒は何かと聞いたら、「ライスワイン」と答えた。
言わんとすることはわかるけど、「ライスワイン」っていう表現はおかしいでしょ。

子供たちは日本のアニメが大好きなようだ。

朝。

家の裏になっているランブータンをもぎ取り、

おもむろにココナッツを切り落とし、

ダイレクトに飲み干す。

ワイルドなジャングルの朝食。

野生のバナナ。

野生のランブータン。

野生のマリファナ。

魚を獲っている人。

この人たちもイバン族。

日本の石油会社で働いている。

この日もキャンプするつもりだったのだが、またしてもロングハウスに連れ込まれてしまった。

酒もタバコも大好きなイバン族。

呑め呑め食え食えの宴。

ドラゴンフルーツ。

皆ふざけて「ドラゴンボール! ドラゴンボール!」と言って僕に差し出す。

どの家庭もブタを飼っていて、自分たちでさばいて調理する。

豚肉は柔らかくておいしい。

さっき田んぼで捕まえた魚。

これはとてつもなく生臭かった。
生臭さを消すために生姜が入っているけど、全然消しきれていない。

刺青は、敵の首を狩った勇者の証。
首狩文化は終焉したが、刺青の風習は今も残っている。

カラオケも大好きなイバン族。

100人以上が暮らす集合住宅で、夜中にドア全開で大爆音で大熱唱。

死亡。

今なら首狩れる。

「1週間でも1ヶ月でも、好きなだけここにいろ」
と言ってくれた。
気持ちはありがたいけど、いや〜1泊でいいっす。

ボルネオやスマトラに居住するマレー系民族の他、台湾原住民にも首狩りと刺青の風習がかつてあった。
現在は台湾の人口の2%ほどだが、山間部でよく原住民を見た。
その台湾原住民は何者かというと、やはり同じマレー系民族。
というとマレー人が北上して台湾に住み着いたかのように思ってしまうが、実は逆で、台湾原住民の方が古く、台湾から南下して太平洋の島々へと分布し、マレー人となった。

さらに、マレー人は海洋を西進してはるかマダガスカルに流れ着いた。
マダガスカルは地理的にはアフリカだが、そこに住む主な民族はマレー系。
マダガスカル人は肌は黒いが直毛の人も多く、米食文化で、言語はマレー語やインドネシア語と共通性がある。
いろいろつながる。

人類の起源と足跡は単純ではないだろうが、あえて大ざっぱに言ってしまえば、東アフリカで生まれたニグロイドが、北上してヨーロッパでコーカソイドとなり、東進してアジアでモンゴロイドとなり、南下してオーストラロイドとなり、グルっと周って故郷である東アフリカのすぐそばのマダガスカルまで来てしまった、といったところか。

台湾、ボルネオ、マダガスカル。
民族にかかわらず、その土地に根付いた気質ってあると思う。
通りすがりの旅人をつかまえて、何の躊躇もなく家に招いてくれたり、ごちそうしてくれたりする、こういう土地に根付いた気質も、つながっているような気がする。

ちなみに、先に紹介したマレーシアのSedaapはマダガスカルでも売っていた。


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