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自転車旅:中東

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#ヨルダン

ヨルダン、王の道

ヨルダン、王の道

フェリーでヨルダンへ。

イスラムという共通の価値観でつながっているアラブ世界では、国という概念が希薄だ。
国なんてものは、世界大戦の戦勝国の都合で勝手に線引きされたでっちあげにすぎない。
それよりも自分たちは中世イスラム帝国で隆盛したアラブ人だという意識を強く持っている。
それでも国境を越えると、人の気質や空気に若干の変化を感じる。

ヨルダンは立憲君主制、王様がいる。
隣国のエジプトでは長期に

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アンマンで「フリーパレスチナ」

アンマンで「フリーパレスチナ」

ヨルダンより、アラビア半島を突っ切ってみる。

首都アンマン。

金曜日の礼拝。

全員男。

お祈りが終わるや、デモ行進が始まる。

世界有数の難民受け入れ国、ヨルダン。
第二次大戦後100万人に満たなかった人口が現在1020万人、実に10倍以上増加している。
パレスチナ難民数は世界最大、他にもシリア難民、イラク難民など、ヨルダンの住民の7割が難民またはその子孫だという。

国という枠組みでしか

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砂漠と死海の国ヨルダン、土地を奪い合う宿命の文明交錯地

砂漠と死海の国ヨルダン、土地を奪い合う宿命の文明交錯地

聖書にも登場する古代人、アモン人が首都アンマンの語源となっている。

ここは、メソポタミアとエジプトという文明の発祥地にはさまれたド真ん中。
アッシリア、バビロニア、ペルシア、ギリシャ、ローマ、イスラム、と名だたる巨大国家によってめくるめく支配権が争われ、錯綜した歴史を歩んできた。

アモン人は、古代イスラエル王国を築いたヘブライ人と敵対していたが後に吸収された。今も昔も変わらぬ土地争いの宿命を感

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