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日々と私

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エッセイというにはどこか及ばない散文たち
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揺らぐ旅人

揺らぐ旅人

 朝日がカーテンを透かして部屋がほんのり明るくなるとき、今日がようやく終わったと思う。眠れないわけではない。きっと目を瞑ればすぐに眠れるのだけれど、自らで今日を終わらすことがなんだか惜しい気がする。
 日々が私を追いかける。なにもしていなくとも時間は過ぎて、お腹が減る。今日を正当化するために、私は眠らないで本を読む選択をする。布団の中、朝日が昇るまで。

 これがだいたい十四のころ。普通の家族と、

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