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あさひ / Asahi
2023年8月15日 02:01
男と女があるく湿原を、どうにも知っていた。 私は、ふたりのうしろを歩いている。数メートルうしろを、しずかに、気が付かれないように、ゆっくりと歩いている。心地好い、夢のなか。 こんな記憶があった。 「ノルウェイの森」冒頭、僕の記憶。私はいつのまに、僕と直子を見つめる視点を手に入れていて、その景色を覚えていた。 幼い頃に読んだことがあったのだと思う。あまり理解できないまま冒頭だけ読ん