【エッセイ】ねこかわいがり
ニャギがとねっこ用の馬服の上に寝て毛まみれにしたので、その上にふかふかの布を拡げてやったのだ、と姉が満足気に言った。ニャギはその寝床に大人しく沈み込み、姉が呼んでも聞こえないふりで眠りに集中している。
窓のとこに寝てたときはすぐ出てきたのに、今は奥に寝てるから出てくるの遅いわ。
夕方、母が髪を切りに行くのに外に出たところ、ニャギが外の水栓のところにいた。にゃあ、とえさをねだる。母は時間がないのでそのまま車に乗り込んだが、車内から姉に電話した。ねこが来てます。
それでわざわざ外に呼び出されたんだよ。寒くて暗いのにさー。えさ?やったよ。あいつはそのつもりだもん。
だって、あのままいて車でひっかけても嫌だしさ、お腹すいてたらかわいそうだから。
そんな調子でねこの話ばかりしている。
時どき、あいつ野良猫だからね、と言っておく。
「ねこかわいがり」ってのは、こういうことを言うんだろう。
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