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焼酎を飲むのは九州の人ばかり?オープンデータでお酒の消費の地域差を分析!🍶

こんにちは。福岡生まれの石井です。
4月で入社3年目になります。

最近、焼酎が飲めるようになりました。
焼酎はお酒の中でも大人なイメージで、クセも強いかなあと思っていたのですが、友人の勧めで試しにソーダ割で飲んでみたところ、すっかりハマってしまいました。
幼少期に、ふざけて祖父の飲む焼酎の匂いを嗅がせてもらっていたから独特な香りへの抵抗がなかったのでしょうか(もちろん当時は飲んでいません)。

そういえば、焼酎というと生産地がかなり九州に寄っている印象ですよね。
もしかしたら焼酎を飲む人も九州の人ばかりなのかも。

そこで今回は、お酒の消費にどれくらい地域差があるのか、オープンデータとして公開されている「家計調査」を使って分析してみました!

(過去に書いたクマに関する記事もご興味あればぜひご覧ください!)


家計調査とは

まずは使ったデータについて。
家計調査とは、総務省が行う全国約9千世帯の家計の収入・支出等に関する調査です。

ここでは例えば、品目、地域ごとの1世帯当たりの年間消費額などを見ることができます。
つまり、「2023年の鹿児島市の焼酎の消費額」などを知ることができるということです。
データは政府の統計ポータルサイトe-Statで公開されており、誰でも閲覧、ダウンロードすることができます。

今回は、このデータを使って分析をしてみようと思います。

お酒の品目別消費額ランキング🍺

まずはシンプルに、酒類の品目別に消費額ランキングを見てみましょう!
焼酎🍠は九州清酒🍶は東北の都市が上位に入ってきそうでしょうか。
あとはぶどうの産地山梨はワイン🍷が有名なので消費額も高そうな印象です。

家計調査におけるお酒の品目一覧はこちら。

🍶 清酒
🍠 焼酎
🍺 ビール
🥃 ウイスキー
🍷 ワイン
🍻 発泡酒・ビール風アルコール飲料
🍸 チューハイ・カクテル

イメージしやすいように、それぞれに絵文字も当ててみました。
※ 焼酎は代表的な原料のさつまいも(🍠)。ただ、焼酎の原料になるさつまいもは、表面がじゃがいも(🥔)のように白っぽい品種がメジャーだそうです。同期に聞いた豆知識より。

それでは早速ランキングを見てみましょう!
調査の結果はすでに1世帯あたりの金額となっているので、そのまま高い順に並べています。

まずは気になる、焼酎の消費額ランキング!

焼酎消費額ランキング🍠

鹿児島市 ¥14,307
大分市 ¥10,650
宮崎市 ¥9,931
山口市 ¥9,756
北九州市 ¥9,267

やはりトップは九州が独占!と思いきや、4位は山口市でした。
でも地理的にはかなり九州に近い市のランクインですね!

次は清酒のランキングを見てみましょう!

清酒消費額ランキング🍶

秋田市 ¥11,276
新潟市 ¥8,591
盛岡市 ¥7,710
長野市 ¥7,549
甲府市 ¥7,508

こちらもやはり東北の都市が上位に!
ただ、独占とまではいかず、ワインのイメージが強い長野市、甲府市がランクインしていました。

それではここで、ワインのランキングを見てみましょう!

ワイン消費額ランキング🍷

横浜市 ¥7,464
東京都区部 ¥6,603
熊本市 ¥6,421
さいたま市 ¥5,691
静岡市 ¥5,555

これは少し意外な結果でしょうか!
東京、横浜、さいたまと、首都圏におけるワインの消費額が高かったです。
焼酎と清酒は生産量が多い地域でよく飲まれているのかなあと予想していましたが、今回扱うデータは消費額。
当然、生産地でなくても消費額が高い地域はあるということですね。
ワインは輸入量も比較的多いはずなので、その影響もあるのでしょうか。

日本全国よく飲まれるお酒マップ🗾

ここまで、品目ごとにいくつか消費額ランキングを見てみましたが、目立つトップ以外はどうなっているのか、まだまだ分析の余地はありそうです。
そこで、「その都市で比較的よく飲まれるお酒」を、マップに落としてみようと思います!
今回は(市ごとの平均消費額)/(全国の平均消費額)を計算することで、その都市で比較的よく飲まれるお酒を分析します。

例えば、鹿児島市では、焼酎🍠は全国平均の2.35倍(!)かなり良く飲まれています。
一方で、ウイスキー🥃は0.32倍と、平均と比較するとあまり飲まれていないことがわかります。
※ 焼酎:14,307/6,096=2.35
※ ウイスキー:860/2,711=0.32

ここでは、各都市でこれらを計算した結果、一番高かった品目を「その都市で比較的よく飲まれるお酒」とします。

それらを日本地図上で色分けしたマップがこちら!

日本地図をよく飲まれるお酒で色分けしたマップ
日本全国よく飲まれるお酒マップ🍶🍺🍷

想像通り、九州は焼酎をよく飲む都市が多いですね!
焼酎🍠がトップだった都市は、鹿児島市、大分市、宮崎市、山口市、北九州市、那覇市、佐賀市、岡山市、長崎市。圧倒的九州率!
山口市、岡山市も地理的に比較的九州寄りなので、影響があるのでしょうか。
ちなみに、この統計では泡盛も焼酎の品目に分類されるので、那覇市も入ってきていますね。

あとは前述のワイン🍷に関しても首都圏でよく飲まれる傾向が表れているように見えます。

余談:マップ上に先ほど決めたお酒の絵文字🍶🍺🍷を並べて楽しいマップにしようと思っていたのですが、今回は断念。代わりに文章中にちりばめました。
※ ここでは、各県庁所在地のデータを各都道府県の代表のデータとして扱っています。元データには47の県庁所在地に加えて、5つの政令指定都市のデータも含まれますが、便宜上マップ上には表示しておりません。
※ また、消費額が高いことを「よく飲まれる」と表記しましたが、消費量ではないことに注意してください。

おわりに

想像通り、焼酎は主要産地の九州でよく飲まれていることがわかりました🍠
首都圏でワインの消費額が高いのも、言われてみれば想像通りでおもしろかったです🍷
家計調査にはお酒以外にもさまざまな品目の消費額が載っているので、果物などで同じ分析をしてみてもおもしろいかもしれません!

実は、もう祖父と一緒に焼酎を飲む夢は叶わなくなってしまったのですが、祖母に教えてもらった、祖父が好きだった焼酎を今度買って飲んでみることにします(突然ちょっといい話)。
でもお酒は飲みすぎないように。健康にも気をつけていきましょう。

読んでいただきありがとうございました。

(メディア研究開発センター・石井奏人)