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【マンガ】認知症になった父の表現が文学的ですごい! 「宇宙のなかで完全なもの」と言われた娘
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イラストレーターのあさとひわさんが、レビー小体型認知症と診断された父(当時78)を母と一緒に支える日々を描いたコミックエッセイ『ねぼけノート 認知症はじめました』(朝日新聞出版)が話題です。なかでも印象的なのが、お父さんが放つ名言。そのなかの一つをご紹介します。
■宇宙のなかで完全なもの
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ある日、あさとさんが台所で洗い物をしていると、ダイニングに座っていたお父さんがこう言います。
「ひわは この宇宙のなかで 完全なもの、って感じがするんだ」
あさとさんは思わず洗い物の手を止めます。そしてこの日の帰り道、「ずいぶんとスケールの大きい話でした」とお父さんの言葉に思いをはせるのです。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65848437/picture_pc_082b38cf4405ec6dfacbd34d59ef68db.jpg?width=1200)
著者のあさとさんに、お話を聞いてみました。
――認知症になる前のお父さんも、こんな素敵な言葉を言ってくれたんですか?
いえ、ありませんでした。気分の上下がある病気なので、気分がいいときには調子のいいこと言うんですね(笑)。でも、認知症だから言ったというより、父と私がそういう時間を持てたということかもしれません。父からの贈り物ですね。
――病気を通じて、お父さんの知らない面を知ったり、これまでとは違う時間を持ったりすることができたんですね。
それはあると思います。
たとえば、マンガにも描いたのですが、父と母と3人で、父の補聴器を買いに行ったんです。電車に乗って出かけるのもひと苦労でしたし、けっこうな時間をかけて聴力テストをして、説明を受けました。でも、補聴器は数十万もするのに試着もできない。結局、何も買わずに帰りました。
私はものすごい徒労感があったのですが、なぜか父も母も満足げで。その帰り道、駅近くのカフェに行って、3人でお茶を飲んだときに、「鬼が出てくる昔ばなし」「ひろすけ童話(浜田広介さんの童話作品)」の話題で、すごく盛り上がったんです。
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自宅で食事をしながら話すことはあっても、親子そろって出かけることが数年なかったんです。だからそのカフェでお茶を飲んだことが、ここ数年で一番の団欒になりました。
介護をする必要がなければそのほうがいいし、認知症にはならないほうがいい。でも、父が認知症にならなかったら、こんなふうに交流したり、家族や夫婦について考えたりすることもなかったかもしれない、と思います。
※発売中の『ねぼけノート 認知症はじめました』には、お父さんの名言や、家族のほっこりエピソードが満載です。
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