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【マンガ】親が認知症になったら必須の「実家の片付け」をプロに頼るべき最大の理由

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 イラストレーターのあさとひわさんが、レビー小体型認知症と診断された父(当時78)を母と一緒に支える日々を描いたコミックエッセイ『ねぼけノート 認知症はじめました』(朝日新聞出版)が話題です。

 両親と離れて暮らすあさとさんは、お父さんが認知症になってから頻繁に実家に帰りますが、そのなかで取り組んだものの一つが「実家の片づけ」。お父さんの認知症が、なぜ片づけにつながるのでしょうか? 著者のあさとさんに聞いてみました。

――マンガのなかで、「風が吹いたら桶屋がもうかる」的なものとして、「おやがぼけたら実家の片づけ」と紹介していましたね。

 もともと実家は物が多くて、廊下や階段は半分くらい物で埋まっている状態でした。父は認知症になってから歩くのが下手になり、荷物の多い実家で転んでケガでもしたら……と思ったのが片づけを始めたきっかけです。私も正直、片づけは苦手ですが、それでもやらなくてはと。

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――何年も前の通販カタログを「捨てないで」と言われたり、8年前に賞味期限が切れたビールを「肥料になるから」と取っておかれたりと、片づけの道のりは険しかったようで……。

 いろんな箱がつみかさなって押し入れの前をふさいだり、ドアを開けにくくしているんですが、箱の中身を見ると、お取り寄せした食品、年季の入った紙袋、謎の毛糸のモップだったりで……。どれも「大事なものだ」と言われてしまうのですが、大事なものだったらそんなところに放置しないですよね。父も母も「別にやらなくてもいい」といった具合で、孤独でした(笑)。「2人がいいならいいのかな」と思ったりしながら、ひとりで細々と片づけを続けました。

――最終的には、プロのサービスをお願いしたんですね。

 そうなんです。父が認知症と診断されてから3カ月ほど経った頃、父の具合が急変し、2カ月近く入院しました。退院後はリハビリのための介護施設に入所できたのですが、退所までに実家の受け入れ態勢を整えることになったんです。足が悪い父のために寝室を1階に作ってそこに介護ベッドを置いて、必要なところには手すりもつけたい。でもその前に、まずは荷物を減らさなくてはならない。母は「荷物はそのままでいいんじゃない?」と言っていましたが、家庭訪問にいらした施設の方が私の意見に賛同してくれて、それで納得してくれました。

 プロの片づけサービスを頼むことも、母は反対でした。でも、「お金は私がだすから!」と、けっこう強引に進めてしまいました。ひとりでやるよりだんぜん早いですし、何より母とふたりきりならもめそうなことも、プロの方が入ることで冷静に対処することができました。プロの言葉は偉大です。

 といっても、2階は手つかずのままですし、片づけ前をレベル10とすると、7か6程度に改善した、という感じですね。

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――実際に片づけてみて、お母さんの反応はいかがでしたか?

「お母さん、片づけ苦手だからまたやってほしいわ~」と言ったりもしますが、ふとしたときに「あれは捨てなくてもよかったんじゃない?」と言われたりもします。実家の片づけは難しいです(笑)。

※発売中の『ねぼけノート 認知症はじめました』では、介護経験者なら共感せずにいられないエピソードはもちろん、親子や実家の「あるある」話が満載です。

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