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発覚のきっかけ②ー長い長い検査入院


人間ドック後、の続きです。大病院であらためて詳細検査をすることに。

大病院でもまずは採血検査。後日、その結果を聞きに行くと、「クッシング症候群かどうか確定するため詳しい検査をする必要がある。そのために1週間、入院してほしい」との説明が。

えっ、1週間も?!だって仕事とかどうするの?そもそも1週間も入院して検査って、そんな大層なことなの?!またまた、ぷちパニックです。 

クッシング症候群など内分泌系の病気は似たような病気がいくつがあり、それぞれ対処法が異なるため、細かくいくつもの検査を重ねて「この病気だ!」と確定する必要があるそうです。医師の説明によると、私はクッシング症候群の可能性が高いものの、他にも類似の病気の可能性も排除できないらしく、正確な原因を突き止めて適切な治療を施すためにもいくつもの細かい検査を重ねて確定する必要があるとのことでした。

仕方がありません、自分の身体、健康だし。職場に事情を話し、なんとか都合をつけて1週間、検査のため休みをいただくことになりました。「健康は大事だから」と快く仕事を代わってくれた同僚や、事情を理解してくれた上司には感謝しています。 

この時点では、病気らしい不調の自覚は全くありません。元気な状態での入院生活は、とてもつらかったです。

入院前は「1週間もいるのに毎日パジャマでは気も滅入るだろう」と思い、「私服は何を持っていこう?これとあれなら着まわせるかな」とか、「読みたかったあの本とこの本を持っていこう!」など、まるで旅行と勘違いしているかのような言動を多々していました。それらも今思い返すと、やっぱり不安が大きくて、それを紛らわせたくてこんなことを考えていたんだな、とも我ながら思います。

入院中にした検査は主にこんな感じです。
●24時間の畜尿
●2時間、立ったままで30分置きに採血
●横になったままで採血
●朝、昼の食事を抜いた状態の空腹時に採血
●その他、様々な服薬後に採尿、採血
●骨密度、CT、MRIなど
●睡眠時無呼吸症候群の検査


生々しい写真ですみません。こんな感じで点滴で薬を落としながら数時間、横になった後に採血する検査などを行いました。

1週間も入院するのは、1つ1つの検査に時間がかかったり、薬剤を投与して採血するために1日に1種類の検査しかできなかったりするからなんですね。医師もできるだけ苦痛が少なく、最短で合理的に検査をこなせるよう日程や計画を組んでくれたようです。

前日や朝にその日に実施する検査の説明が医師からあり、午前中だけでその日の予定は終了、という日もありました。そんなときはすぐさま気分を切り替えたくて、ぱぱっと私服にチェンジ。病院敷地内にあるカフェに飛び込み、オープンエアの席で紅茶とスイーツを食べて、少しでも落ち込んだ気分を盛り上げようとしていました。そのカフェには結局、ほぼ毎日通い、店員さんと顔見知りに。「昨日これ食べたから今日はこれがいいんじゃない」なんてスイーツのおすすめを教えてもらったりしていました笑 

あとは院内の談話室にある雑誌をかたっぱしから読み漁ったり、病気に関する知識を得ようと図書室で本を探したり(この図書室の話は、のちのブログでも書いています)。ともすると将来への不安がつのるため、少しでも目をそらしたくて一生懸命、自分自身の気持ちを盛り上げる要素を探していた気がします。 

元気だったので病院食だけではお腹が空いてしまい、食事後には院内のコンビニに突進し、追加でごはんも購入していました。特に食事制限はなかったので自由に好きなものを選んでいましたが、食べたものは表に記入して申告する必要がありました。本当に好きなものを食べていたので、毎回「フォー」だの「ロールケーキ」だの申告するのは恥ずかしかったです笑 でも食欲には勝てず!ちなみに、隣のベッドの患者さんも「ドリア」など食べてました笑 おなかすくってことは元気ってことですよね。 

ある日の食事の一例。春巻きやコロッケといった揚げ物もメニューにありました。

私には5-6人ほどの医師によるチームがついていたのですが、一番若い研修医の方がしょっちゅうベッドに訪ねてきてくれて、話し相手になってくれたのが入院中の心の支えでもありました。とっても勉強熱心で、患者の立場にも親身になってくれるし、病気以外の話題でも盛り上がれたのも気分転換になりました。私も不安なことや、疑問に思うことはなんでも聞いていました。でも採血が苦手で、うまくいくまで4回失敗したことも。。毎回、採血の際には「思い切ってやれば大丈夫だから!」と、専門家でもない私が励ましながらやってたのも良い思い出です笑 

でも1週間はほんとに長かったなあ。退院の日には、友人から「”出所”おめでとう!」というLINEが来ました。出所かあ、まさに言い得て妙だなあ、なんて思いながら、私もとりあえず「娑婆の空気はうまいね!」と返しました一応、“お約束”ですよね?!

あーこれでようやく終わりかな?なんて思っていたのに、再度病院から連絡が。「別の病気の疑いもあるので、再度検査入院をしてほしい」とのこと。つい、「え、またですか?」との声が漏れてしまいました。あれだけ検査したのに、まだやるの?別の病気っていったい、何?!

どうやら、もう1つの副腎にも別の病気の疑いがあるらしい。今度の入院は3日でよい、とのことでしたが、麻酔をかけるなどこれまでよりはやや負担が大きい検査をするとのこと。一体、私の身体に何が起きているんだろう…
また、周囲に調整をお願いし、再度入院しました。

病院の窓からは、都会の高層ビル群が見えました。夜、その夜景を眺めながら「私、病気なんだな。ああ、私の人生はこれから一体どうなるんだろう」と不安にさいなまれていました。

その他、病気を確定するまでには、
病院の外で(日常生活を送りながら)
●丸一日、血圧計を腕につけて30分置きに自動で測る
●丸一日、心電図をつけっぱなしにする(なのでこの日はシャワーは使えない)
という検査もしました。もちろん、仕事や家庭生活など日常生活を送りながら、です。まだ長袖の季節だったので二の腕に着けた血圧計を隠せましたが、30分置きに自動で「ジーッ」と音を立てて起動し測り始めるので、電車内などで隣の人に不審に思われるかなあなんて、ドキドキしてました。

これが血圧計。腕に巻き付ける部分は長袖の下に隠してました。

検査も多いし、この検査が何のためなのか(病気を確定するためですが)、その先に何が待ってるのか、全くわからず不安でたまりませんでした。腕の血圧計を隠しながら同僚や家族とおしゃべりしていても、「以前のような屈託のない日常はもう戻ってこないのかな」なんて思いにふとかられ、とてもとても心細かったです。

そして人間ドック受診から約半年以上が経過。最終的に、右の副腎には腫瘍が原因の「クッシング症候群」、左の副腎は「原発性アルドステロン症」を患っている、ということがようやく確定したのでした!


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