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あの子は青いポスカで死んじゃった


自分の気持ちを上手く絵に吐けない。
ゲロが胃で蠢いてる。
焦れば焦るほど線が嫌な方向に荒くなり、気持ちよくなれない。

描いた絵が、線が、死んでいく。

たった今描いた女の子は、青いポスカで死んじゃった。

1つの魂を失ったような気分。
全部私のせい。

上手く描けない時ほど、絵を描いていないと落ち着かない。
それは、私が絵から離れていくことよりも、絵が私から離れていくことが怖いから。
絵に突き落とされるなら、私はこの世の最も苦しい死に方で死んだ方がマシ。

やっと見つけた自分の生きやすさ、教えてくれたのは絵だ。
表現し続けることだけが私を私で居させてくれる方法だなんて、言わない。
だって、私を愛してくれる人、もの、は他にもいる。
でも、それでも、苦しい時でも描き続ける程に絵は、私の生きてることの証明。

残したい。私の人生をこの世に知らしめたい。苦しみながら這って、泣きながら、血を流しながらも描き続ける女の人生を。

音楽を流した。

Spotifyのシャッフルで流れてきたのは「たま」の「かなしいずぼん」だった。

私はこの歌が大好きだ。

「遠い昔の僕らは子供たち」

その気持ちを心に染み込ませて、子供のように絵を描いて行きたい、取り戻したい気持ち。

泣かないで、明日にはきっと、静かな苦しみが訪れる。少しずつ、感情を注ぐ感覚で。

静かな大きな魚が泳ぐ私の部屋で、息を潜めて、ゆっくりと眠ろう。

死にたいくらいの乾いた朝を、笑顔で迎えよう。


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