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【子どもの貧困】優しいあなたへ、少しだけ想像する時間をください

子どもが児童相談所に連れていかれた。

子どもといっても、実の子ではない。
私が支援で関わっている“その子”だ。

◎悲しい、なんで。
◎親御さんはどうして“その子”のことを第一に考えてあげられないの。
◎“その子”はどうなるの。学校も行けなくなって居場所がなくなって、わけわからなくならないかな。。。

先輩から報告を受けたとき
私は、そんな不安でいっぱいになった。

子どもが、大事で大事でたまらないから。

そして私は“その子”のために、何ができるだろうかと考えた。

いまの私には、このnoteを書くことしか、できることがないと思った。

どこの施設にいるかも、面会できるのかもわからない。
施設の場所がわからないから手紙を送ることもできない。

だからできるだけ、多くの人に読んでほしい。
このnoteが届いたら、この子のように、きっと「日本の貧困」で苦しむ子どもが、ほんの少しは減るんじゃないかと願っている。

日本の貧困率は意外と高い

驚くだろうか?
私たちが裕福だと思っている日本は
7人に1人が貧困層だ。

すべての居場所を奪われた“その子”の気持ちが想像できるか

「子どもの貧困」を解決しようとしている団体は
第三の居場所」をつくる取り組みをしている。

でも“その子”は、「第三の居場所」であったであろう私たちのいる場所を、強制的に施設に入ることにより、奪われた。

“その子”がいま、施設で楽しくやっているならそれでいい。それだけで満足だ。

でも、人間だもの。多感な時期だもの。
そんな簡単にいくわけない。
子どもなんだもの。

自分の気持ちを、わけがわからないくらいかき乱されているに違いない。

たしかに、児童相談所に入所することにより、虐待から救えたなど
ポジティブな例も山ほどある。
けれども現場で見て、生で見て、「リスキーだ」と思った。

◎果たして、全ての指導員さんが“その子”の人生をかき乱すかもしれないという危機感をもってくれているだろうか
◎日本のこの制度を作った人、動かす人、管理する人は、たった1人の“その子”の大事な人生を、全ての居場所を突然奪われた“その子”のいまの気持ちを考えくれているだろうか

私は、ほとんどの日本人が、この問いに、首を縦にふれないと思った。

相対的貧困、だから辛い

「日本の貧困は、よくわからない」そう思うのも無理はない。

アフリカなど発展途上国の貧困と、わけが違うからだ。

スラムで暮らす、着るものがない、などみんながイメージする貧困は、日本ではあまりない。
日本では、周りと比べて「相対的に」貧困なのだ。

すると何が起こるか。

これは私が現場で見ていて思ったことなのだが、

トレンドについていけない

ということが、数多ある辛いだろうことのなかで、私だったら辛いと思った。

例えば、最近公開されたアナ雪。
裕福な家庭なら、観に行くことができるだろう。

でも、そんなお金が家になかったらどうだろう。

観にいかせてもらえない。万が一観たいなんて言ったら怒られるだろう。
私には価値がない。私はなにもほしがっちゃいけない。
なんでみんなは観れるんだろう。
明日はどうやって友達と話を合わせよう

中には貧困でも明るい心を持って暮らせる山田太郎ものがたりのような子どももいるだろうが、
そんなのごく一部だろう。

ふつうは、自己肯定感が爆下がりする。

そして子どものころのトラウマは、残り続ける。
ずっと消えない、付き合っていくしかない。

少しでいい、想像してみてほしい

想像してみてほしい、“その子”の気持ちを。
たらい回しにされ、「あなたのため」と言いながら、誰も“その子”の本音に従わせてくれない環境にいる“その子”を。
自分の欲を外に出せず、黙りこくってしまった“その子”を。

私は想像できなかった。“その子”の年のとき。
私はたしか「昨日のドラマ」の話や、「流行っているグッズ」の話、「家族旅行」に行った話をしていた。

私が“その子”と同じ年齢で、“その子”の友達だったら
私は知らぬ間に“その子”を傷つけていただろう。

知らなかった。想像できなかった。そんな子がいるとも思わなかった。

でも、いまの私はわかるから。

“その子”が施設に入る前、どんな顔で喜び、どんな顔で走り回り
どんなことで他人と距離をとるのかを、私は知っている。

だからきっと、“その子”が辛い思いをしていることは、簡単に想像がつく。

お手紙

だから、お願い。少しだけ。
想像してみてほしいんです。

“その子”は子どもです。
自分でどうにもできません。
助けを求めることも、苦しみを叫ぶことも、難しいかもしれません。

もし、みんなが少しでも想像してくれたら、
日本はもっと明るくなれると思うんです。

日本には、世界には、
◎ITが得意な人
◎人とコミュニケーションをとることが得意な人
◎地道に分析することが得意な人

いろんな得意を持つ人や、いろんな夢を持つ人がいます。

それを少しだけ、“その子”たちのための力に変えられたら、救えたら最高だなって思うんです。

私にはないアイデアや私にはない実行力に富んだ十人十色の読者の方々が、動いてくれたらすごいことが起こると思うんです。

このnoteを読んでくれて、本当にありがとうございます。
少しでも、“その子”や貧困で苦しむ子どもたちに愛が届いたらいいなと思っています。

そして今日、“その子”に「今日も楽しかったな」って思って眠ってほしい。

心が折れそうになったとき、思い出してね。

私はあなたが、大好きだよ。



最後まで読んでいただきありがとうございます。みなさんからの感想やコメントをいただけると幸せな気持ちになります。 サポートしていただいたお金は、子どもたちへの支援に使わせていただく予定です。