◆日々のうたかた 〜今さらながらにおばちゃんがポケモンGO〜
ポケモンGOって、そういえば昔流行ったよなあ。
それぐらいの、印象しかなかった。
全然ポケモン世代じゃないし。
でもオタクだから、一応ピカチュウとイーブイとポッチャマとニャースくらいは知ってる。あとサトシ。
認識としてはそんなもんだから、転職して古巣に戻った時、そこにいる人たちがこぞってプレイしてたことにはちょっと慄いた。
いい年した兄ちゃん姉ちゃんはいざ知らず、おいちゃんおばちゃんまでが休憩ともなると近所の公園に「レイドがあるぞー!!」などと叫び散らかしながら、大挙して出かけてゆくのである。
正直に言うと、最初は「ヘッ 何でぇ、いい大人がてやんでえバローちくしょー」みたいな、いにしえの江戸っ子的悪態の気持ちもないではなかった。
しかし嬉々として出かけてゆく彼らの表情や連帯感を見ているうちに、それは徐々に「へ、へぇ…そんなに面白いんかそれ…」になってゆき、「え…ふぅん…面白いんだったら、べ、べつにやってみてあげてもいいかな」になるのに、そう時間はかからなかった。
オタク気質の悲しみである。
で、先日7年も使い込んでいたスマホを泣く泣く機種変更した際に、勢い余って入れてしまったのだ。ポケモンGOを。
最初の2日はね。
やり方も解んないし。
そもそもやるかも解んないし。
入れただけで満足して、何なら入れたことも忘れて他のゲームに夢中になってたんだよね。
三連休だったし。
だけど、出社してみんなの顔を見てインストールしたことを思い出し「そういえばポケモンGO入れたよー」と告げた辺りで状況は一変した。
「なにー!!友達になろうよー!!!」の大嵐が来たのである。
ともだち、だってさ。
昨今何かと世間を騒がせているTEAMトモダチじゃあるめーし。
この年になって、まさか娘や息子ほども歳の離れた坊っちゃん嬢ちゃんから「友達になろうよー」なんて言われる状況が現実世界にあろうとは、おばちゃん思ってもみなかったわ。
そしてそれは、案外にも気持ちよかったのである。
瞬く間に、フレンド欄は20名にも達した。
それまではさして自分に興味もなかったであろう若い子たちまでもが「トモダチ」になった。
え。ポケモンGO。
世代間の垣根を壊す破壊力、すごすぎん?
やってみると、こりゃまた大変なゲームなんだということも少しずつ解ってきた。
まず、とにかく歩かんと話にならない。
家に黙っていても、ポケモンが湧いて出てくることはそうそうない。
どういう仕組みか解らんが、このくそ田舎街のいたるところにポケモンの「ジム」と呼ばれるベースキャンプみたいなものがオンライン上で設置されている。
それと「ポケストップ」と呼ばれるポイントみたいなところを巡ると、その場所を象徴するポストカードが付与されて、それをトモダチ(ポケGO上ではフレンドと呼ばれる)同士で交換し合ってアイテムやポイントを稼ぐのだ。
つまりとにかくジムやポケストップを巡ってポストカードを毎日手に入れないと、フレンドに貢献できない。
ポケモンはジムの周辺ほど湧きやすくなっていて、特定のジムで出やすいポケモンなどもいるようだ。
つまり、とにかく動かんことには諸々のゲーム進行に差し支えが出てくる。
なるほどこれがヒキコモリを一時大量に外に出したというポケモンGOの威力なのか…!と、わたしは深く感心してしまった。
しかし同僚女子に聞いてみたところ「そんなに歩かないよー」という返答が返ってきたところを見ると、歩かなくてもそこそこ楽しめる要素はあるのであろう。
課金すればジムまで行かなくていいアイテムもあるみたいだし。
まぁ、そりゃそーだよね。誰もがみんなそんなにたくさん歩ける環境にあるわけじゃない。
でもさ。
おばちゃん、実は密かにその昔、空手のとある大会で北海道チャンピオンだったんだ…。
その上、今は休日ともなれば意味もなく夫と二人でフラフラと色んなところへ出かけては、知らない街ウォーキングと題して1時間も2時間もあてもなく歩く。
体育会系おでかけBBA。
我ながら、これほどポケモンGOにうってつけのおばちゃんもなかなかおらんのではあるまいか。
そんなわけで、翌休みのわたしの歩数は、軽く15000歩を超えた。
連休だったので、2日で30000歩。
アスリートでもないのに、片道5分のコンビニでも車で行ってしまう道民としては、ちょっとしたアホを見るような目で同僚たちに見られてしまった。
翌出勤日には膝が痛くて仕方がなかったが、まさかこの歳でポケGOやってて歩きすぎました、とは言えるはずもない。
ちょっと変わったポストカード欲しさに、夜中の10時に車で出かけようとするわたしを、夫は白い目で見ていた。ほんとごめん夫よ。
だって、隣町に行かないと、あのモニュメントのポストカードは手に入らないんだ!
そんなわけで、ただでさえ何だかんだとやることが多い日常に、更にやることが加わった。
この時間は今まで主にnoteや副業に使われていたものなので、もしこれまで続けてきた毎日更新が滞った場合は、ポケモンGOの誘惑に負けたものだと思って頂きたい。
周囲のオタ友に話したところ、多くは初期の頃にちょっとだけやって、飽きたのと大変なのとでとっくにやめちゃった、という回答が多かった。
もっと早くにやってればなー、とは思うが今更仕方ない。
とにかく一日も早く、レイドバトルで一撃で滅せられるような雑魚キャラを卒業したいものである。
そんなわけで、もし、周囲でまだポケモンGOをやっている若者やお子様がいらして、なかなか意思疎通がはかれずにお悩みのおじちゃんおばちゃんがいらしたら、試しにポケモンGOをインストールしてみることを猛烈にオススメする所存なのでございます。
とは言え、どうやらプレイヤーも年々減っていて、収益悪化に伴う撤退企業も多数、巷ではまことしやかにポケGO終了も間近か…?なんて噂も出ている模様。
おばちゃんに歩くことの更なる楽しみを教えてくれ、新たなトモダチを与えてくれたコンテンツ、少しでも長く続いてくれたらなあ…と願ってやみません。
たまたま、うちの職場ではコミニュケーションツールのひとつとして上手く機能しているだけなんだなあ。
コロナ禍も落ち着いた今こそ、みんなまたポケモンGOやってみん?たのしいよ?
それでは、このたびはこの辺で!
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