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「学校に入り込むニセ科学」を読んで感じたこと

 教育関係に携わっているの学校に入り込んでいる科学情報には興味がある。しかし、本当にその科学知識が正しいのか考えていかなくてはならないとも同時に感じている。マイナスイオンなど日常的に科学用語のようなものが会話の中に用いられていることが多い。そんな科学的な用語が本当に正しい意味で使用されているのか、よく意味も分からず適当に使用されているのか興味がありこの本を読んだ。

 正直、理科が好きで様々なことを学んではいたがドキッとする内容もいくつかあった。

 自分がニセ科学とどう向き合っていくとよいのかをアウトプットするためにまとめようと思う。

 この本のまとめは初めに書き、どんな内容かすぐ見れるようにしておこうと思う。


0.この本を読んだ感想のまとめ

 抗酸化作用、マイナスイオン、アンチエイジング、抗酸化作用、デトックス、コラーゲン、食品添加物、水素水、波動・・・様々な科学的な用語が日常の生活の中に隠れていることは多くの人が感じているはずである。たとえば、この商品毎日1粒食べることで、体の中からアンチエイジング効果があり、同時に毒素を体内から体外へ出す効果もあるのでデトックス効果があります。などの宣伝に心を引き付けられる人はいるだろう。なんとなく体によさそう。今の不健康な状態を少しでも改善したい。そんな人をターゲットにした商品は数多くある。しかし、アンチエイジングとは何なのか、デトックスとは何なのか、本当に正しい意味での科学として用語が利用されているのか考える人は少ないのではないのだろうか。それとない解説や効果があったというモニターのみを集めた調査結果で変化したなどといっているのではないかなど、批判的に物事を見ることができているのだろうか。日常にはびこっている様々なニセ情報に対して自分なりに対処していくことができる知識とセンスを身につけていくことが大切であるのではないか。一度信じた情報を疑ってみることで物事の本質を見ることができるのではないかと感じた。今度自分の生活では信じられることでも一度客観的に見る視点ということを意識して生活していきたいと感じた。


1.ニセ科学とは

 そもそもニセ科学とは何かというと、「科学的に根拠がないことを科学の用語などをそれっぽく使いながら論理だてて説明している科学」のことである。科学的な言葉は使いなれている人であれば真の意味で理解できているが、多くの人の場合、科学的な用語に日常的に触れることは少ないのではないかと感じる。科学的な用語に触れる機会といえば、TVやSNSなどではないだろうか。本や論文から科学的な知識や見解を学ぶ人はそう多くないはずだ。自分もSNSなどで最新の研究結果では◇◇には××の分野で活用ができるという報告が出たり、○○には△△という効果が期待される、などの情報が多く飛び交っている。

 過去に有名になったものとして、”水からの伝言” や "EM(有用微生物群)" などが例として挙げられていた。”水からの伝言” は水に感謝の言葉をかけて氷の結晶を作成するときれいな結晶ができ、罵声や暴言などをかけて氷の結晶を作成するときれいな結晶ができないというものでる。この内容を用いて学校教育では道徳の授業などで、心と科学の面で教育していくことができる内容として授業案なども公開され、実践された教員の方々もいるという。 "EM(有用微生物群)" は現在もネット通販などで販売されているものである。EM菌は1200℃に加熱しても死滅しない微生物で、抗酸化作用・非イオン化作用・3次元の波動の作用を持つとされている。そのため、生活の様々なものにEM菌などを用いることで健康になったりするというものである。

 上記の例は科学的に正しいとは言い切れない。個人的な意見としては、人の善悪を水に決められてたまるか!と思う。EM菌のような万能微生物が存在するならなぜ、世界中にもっと広がらないのか、様々な思いが湧き上がってくる。

 科学的に正しいとされている事象は、科学の基本である再現性・客観性・実証性があってはじめて万人に認められていると思う。これらを欠如しているにもかかわらず、雰囲気で判断し、正しい科学の情報として認識されてしまっているのがニセ科学である。


2.どんな人が騙されるのか

 それは、科学的な知識は大切だけれどk額に関してよくわかっていない人と書かれている。たとえば、健康や食事に気を付けている人であれば、自分の口にするものには気をつけようと思い、少しでも体にいいものを取り入れたいと思うだろう。また、体調や美容に気を付けている人であれば、化粧品やサプリなど体にいいものを使おうと思うだろう。そういった人に対して、これ一つで美肌になれる!これを飲み続けることで血圧が下がった。など手軽にその人たちの求めるものが手に入るような商品が発売されれば試したくなる。情報は具体的な数値などを用いることで信憑性が増すと言われているので「この栄養ドリンクを飲むだけで1か月で体重が−5kg!」といわれれば「自分もそうなりたい」「自分も同じように体重が減るの試してみたい」と思うのではないか。

 こうやって一度その商品のことに興味を持ち、効果を期待し、使い続けることで、信じてしまったその商品から抜け出せなくなる。

 こういった状況に陥りやすい人がニセ科学に騙されてしまう人であるという。


3.騙されてしまうのはなぜか

 ダイエットなどで体重を減らしたいと考える人は、具体的にどのように体重を減らそうか考えたときに、食事制限や運動などを真っ先に考えるだろう。しかし、どれも今までの生活のあり方を見直す必要があり、自分の意識を変えなくてはならないことが多くあり、なかなか続けることができない。また、中途半端に終わってしまうことでリバウンドしたりして、挫折を味わったりすることもあるのではないかと感じる。

 そういった人に、「このサプリは脂肪燃焼効果の高い成分を通常のダイエットサプリの10倍含み、脂肪をつけにくくるる○○という成分を500mg含んでいます。毎日1粒のみ継続することで1か月後には体重が‐5kgになります!実際に体験していただいた方の意見では、・・・・」という広告を見せたら、たいして努力もしなくていいし、楽に痩せられるなら・・と購入するのではないでしょうか。

 とにかく、騙されてしまう原因は、手っ取り早く結論を得て早く自分の望む結果を得たいと思っているからである。

 もちろん結果を急ぐことや目標を実現させようとすることはいいことであるが、手っ取り早く結論を得た情報が正しい情報なのかの吟味をしたのかが問題になってくる。このプロセスを無しに結論だけ急いで得ようとすることで騙されてしまう結果を招くという。


4.どうニセ科学と向き合っていくか

 一番は科学的な知識を持つことと科学的なセンスを磨くことであるという。しかし、なかなか知識を高めようとしても網羅することは不可能に近い。だから様々な事象に関して批判的な思考を常にもち、科学的な事物として正しいのかを吟味する必要がある。

 人は一度自分が信じたことに関しては、信じた内容を裏付けしていくような情報ばかり集めてしまい、信じた情報を正当化しようとしていく。そして、信じた情報以外には目を向けなくなり、信じ込みが加速していくという。確かに、自分の信じた内容を真っ向から批判されるような情報を目にしてしまったとき、なかなか信じることができないのは経験がある。しかし、そういった情報にも少しでも目を向け、自分の知見を広げていくことでニセ科学のような絢合った情報にも流されないようになるのではないかと感じた。

 自分も健康や運動などに興味があり、サプリなどを摂取しているが、本当に効果があるのかなどもう一度考え直さないといけないと感じ、さっそくやってみようと思う。


5.おわりに

 自分にとってあたりまえになっていることに疑ってかかることは正直嫌だなと感じるが、信じたことが正しかったことの証明にもなると考え、批判的な思考をこれからの生活で心がけていきたいと思う。

 少しでもドキッとした方も自分の信じたものや自分の認識などを批判的に見たりできる思考を身に付けると物事の本質を見ることができるようになるのかもしれないのではないかと思う。


 最後に批判があるかもしれませんが、ニセ科学を扱う人は言葉の選択やプレゼンの仕方がすごくうまいなとも思いました。著名人なども巻き込んでしまい、ブームにさえなりえるなど。そういった面では見習うところがあるのかなとも思いました。



                学校に入り込む科学 左巻健男 平凡社

 

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