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学校のやるべき仕事が明確に示された!

 令和2年7月17日付で文部科学省から「教諭等の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例等の送付について(通知)」というものが、各都道府県・指定都市教育委員会に向けて通知されました。

 簡単にいうと、

教員の仕事ってこんなことですよ!教育委員会のみなさん、

資料を参考にして教員の働き方を考えてくださいね!

 という内容です。


 例えば今まで、学校の教育活動の一環として扱わなくてはならないものなのか不鮮明であったものがたくさんありました。

 その代表例が ”部活動” です。昨今働き方改革で部活動のあり方などがガイドライン等が出されるなど取り上げられている一方、教育現場は「そんなこと言っても、子どものために…」「自主練をしているということにして活動時間を長く取ろう」などと、ガイドラインの抜け道を探っては、部活動をガイドラインが出される前後で大きく変化していないこともありました。


 しかし、今回の通知では、教員の基本的な職務について「こんなことが標準的な仕事ですよ」と文部科学省のお偉いさんが示してくれました!

 通知ではあるものの、各教育委員会の人たちは、完全に無視する事は不可能だと思います。「通知を出したのに何も変わらなかった」となると、「一体その教育委員会は何をしていたんだ」と言われかねないからです。


通知を出したきっかけは?

 これも、教員採用試験の倍率も減少傾向にあり、教員の仕事の魅力だけでは、教員の質を担保することはできなくなったことにより、何かしらの改革を推し進めていくしか教員のなり手を確保することは難しくなってきていることが通知を出した要因の1つになっているのではないでしょうか。

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 この図だけではなんとも言い難いですが、教員という職業は現実どんなものなのかをTwitterなどのSNSで知ることができるようになり、ブラック労働のレッテルを張られてしまった今、いわゆる優秀な人材が、より待遇の良い一般企業に就職していっているということは当たり前なことです。


 教員の何がブラックなのかはしたの記事にまとめました。


通知内容(一部)について

 さて、教員のひと、これから教員になりたいと考えている人、この資料はよく読んでおくことをお勧めします。(本当は、一部の保護者に一番読んでいただきたい…笑)

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 学校の仕事として行わなくてもよいものとして、①〜④をあげています。

 ①について、教員には様々なところからアンケートがたくさんきます。これも結構時間がかかる場合があります。めんどくさいなぁと思うことも正直あるので、適当に丸をつけて提出する教員も少なからずいます。例えば、就業時間や、ICTの活用度合いなど、明らかにこういう回答が欲しいと思われるようなものに対しては、当たり障りのない事を答えることで、とりあえずそのタスクを終わらせることを優先する人が多いのではないかと思います。実際、自分の職場もそういった人が知っているだけでも数人いました。  

 ②について、休み時間に対応しなくていいの!?と衝撃です(笑)。喧嘩やトラブルって休み時間などの児童生徒が自由な時に起こりやすいから現実的ではないなと思いながらも、そういう考えなんだ…というのが感想です。

 ③について、校内清掃ではなく、”係る対応”となると掃除の時間の指導なども教員の仕事ではないということですか。では、掃除は業者に委託するのですか…児童生徒にやらせるのであれば教員の指導は必須になってしまうと思うのですが…

 ④について、部活動は教員の仕事ではないとはっきりと書いてくれました。これは非常に大きな進歩だと思います。何故かと言うと今まで部活動は教育課程の一つとして位置付けられており、暗黙の了解で教員がになってきたからです。この部活動はあくまで、生徒の自主性が基本となっているのに強制加入や顧問による服従的な指導など様々な問題がありました。しかし、部活は教員の仕事ではないと明確に書かれたことにより、部活動を教員が行わなくても、保護者が主体となってやってもいいし、外部機関に生徒たち(実際には保護者?)が頼んで行うことができるようになります。


通知にある文部科学省のずるさ

 このような通知の中には、「結局最後は校長に一任しますよ。」というような文が書かれていました。つまり、校務分掌決定の際に校長がきちんと止めると言わない限り特段変化はしないということです。

 「いや〜うちの学校は部活動で生徒指導をしているもんで…」「部活動で学校に活気を!」なんて言っているリーダーの元では全く変化ありませんよね…

 校長も各都道府県、市町村の校長が集まり話し合う場で、教育委員会の管轄内で統一していこうと話し合われると思うので、そこでどのような結果になるかがキモになってきます。

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最後に

 教員の仕事って本来なんなのか?

 この問いに明確に答えられるように、本当にやるべき業務に集中していくことがこれからの働き方には求められるのではないでしょうか?何でも屋でなっている教員からの脱退は、教員の中から変えていく必要があると思います。せっかくこのような通知が出たことを無駄にしないで、本当にやらなくてはいけない仕事はなんなのか教員が1人1人考え、やるべきことに対してスキルアップをしていく必要があると思います。

 また教員には〇〇や▽▽という資質も必要だろうという、なんでも子どものためになるから教員頑張れよ!という啓発が、より教員の業務に着目したものになっているのか審議されるようになるといいなと思います。


 なにせ、少しずつ変化しづらい教員という環境に変革が起き始めていることは、今後期待してもいいのではないかと思います。



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