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続・夢十夜(五)


一 2頭の獣


 大きな獣が2頭いる。ごわごわの体毛。ほとんど動かない。僕はその2頭を結びつけるように命じられる。なんとか体毛どうしを結べないかとやってみるが無理だ。そこで2頭をおおっていた布団どうしを結びつけた。やっと繋がってトラックに乗せた。ところが肝心の獣たちがいない。忽然と消えてしまった。素早く動くような生き物ではない。あんな大きなものがいなくなるとは。僕たちは必死に探し始める。箱の中、棚の中、ケースの中、目につくものの中にいないかと次々に開けていく。しかしどこにも見つからない。人に危害を加えるようなことはないと思うが、なんとしても見つけ出さねばならない。
 

二 ひなびた温泉


 妻と旅行している。○○という銭湯に行ってみたいという。旅館の女将が調べてくれたら、もうそこは営業していないとのこと。△△とかもありますよ、と言われるが、震災前からやっている古くてひなびた温泉がいいらしい。もう皆帰る時間のようだ。お迎えに来ている人もいる。僕にも両親が待っていた。母がたこ焼きを食べている。僕も1つもらう。冷めていて美味しくない。父にもすすめるが、もう2個食べたと言う。お店の外は日本海が広がっている。
 

三 脳の中を生きる


 僕の手元に知らない本がある。「脳の中を生きる」著者名不明。ただ脳科学叢書のシリーズになっており、監修は塚原仲晃先生のようだ。先生はあの飛行機事故でなくなっているから、ずいぶん前に出された本なのだろう。透明のブックカバーでコーティングされているので図書館の本のようだ。装幀は「カオス的脳観」に似ている。しかし発行年からするとそれはちょっとおかしい。版元は確認できていない。
 

四 妻の目


 妻が夜中にどこかへ出掛けようとしている。僕はどこへ行くのかとたずねる。「ちょっと」と言って答えない。僕は、「前に好きだった人のところに行くのか」ときく。妻は何も答えない。僕は妻をギュッと抱きしめる。すると妻の左の眼球が濁り出し、膨張し始める。「あっ、目が・・・」
 

五 忘れ物


 旅行からの帰り、ボストンバッグの中の荷物を確認する。タオルケットがない。部屋に忘れたようだ。取りに戻る。途中、買い物をしようと家電量販店に入る。PC関連の小物がほしい。エスカレーターで最上階に行くとそこは白物家電のようだ。非常階段を使って1つ下の階に移動する。しかし、そこは高齢者でごった返している。どうやら詐欺紛いの怪しげな連中が商売しているようだ。僕は出口を探そうとするが身動きがとれない。
 

六 阪急電車


 阪急電車に乗って西院駅で降りて実家に帰るつもりでいた。ところが通り越して大宮駅まで来ている。突然、女性運転士が一人分の幅の乗り物で地下から出て行く。僕もそれについて出て行く。僕は自転車のようなものに乗っている。後ろから誰もついてこない。気付くと横には学生時代の友人Sがいて、一緒にタクシーで家に帰ろうということになる。事務所のようなところに入りお願いする。横にはやはり学生時代の友人であるKやNもいる。
 

七 S学園


 すでに閉校になっているはずの小学校にたくさんの人がいる。その校庭に同じ会社のTが運転する自動車で入ろうとしている。女性にここに停めてくれと言われて、そこで降りる。僕は人混みの中に入って行く。卒業式か何かですかと聞く。いや、塾のS学園の集まりだとのこと。子どもたちがお菓子をおもちゃにして並べて遊んでいる。終了したようでみんな一斉に帰り出す。靴がそこら中にあり、どれが誰のものか全くわからない。僕は自分の靴を探すが見つけられない。
 

八 ワインセラー


 ワイン党の妻が日本酒を飲んでいる。しかも一升瓶で。僕も一杯いただく。さっぱりしていて飲みやすい。ふと見ると横には大きなワインセラーがある。瓶をセットして、グラスを押し付けると自動で飲み物が出てくる。「これ買ったの? いくらで?」「300万」「300万! それ相談もなく買ったの?」妻と横にいる娘がニヤニヤ笑っている。僕が怒るのを見越していたのだろう。「300万って、1年働いてやっと手に入るようなもんやで」娘に向かって「○○と△△にある程度は残してあげたいから貯金もしてるんやで。お父さんもおじいちゃんから◇◇◇万残してもらったし。家売ったお金とかあわせて。」(怒られるのわかっててするというのが腹立つと心の中で思っている)・・・目覚めてからふと気になってワインセラーを調べると3万くらいで売っている。安い! と思ってしまう自分がいる。これは「買え」ということか? いや、買わん、買わん。置く場所ないし。
 

九 ベッドでウンコ


 僕はベッドで寝ている。寝ているのにウンコをする。小さな塊が1つ胸の近くに転がっている。からだにつかないよう注意しながら寝る。ふと気がつくとその塊がない。どこかからだについているはずだ。くまなく探すが見つけられない。臭いもしない。
 

十 埴輪の醤油差し


 仕事を終えて帰ろうとすると、向かいの事務所の前にたくさんの埴輪が並んでいる。珍しいので1つ手にとって見せてもらう。すると、それは醤油差しだったのか、蓋がぐらぐらと動き、醤油がぽたぽたとしたたり落ちた。


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