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続・夢十夜(三)

一 自治会役員


実家の近くに来ている。いま住んでいるところから電車とバスで1時間半かかる。ところが自治会の役員がこちらにもいることになっている。「Oさんですか。すみませんね。こんな離れているのに役を持っていただかないと行けません。今度やる行事の資料です。これで良いかどうか確認していただけますか?」「へえ、面白そうなことするんですねえ。」「ええ、お芝居をしたり、ダンスをする人もいますね。」「へえ、すごいなあ。わたしはこれでいいですよ。」「ありがとうございます。」僕はついでに実家の様子を見に行く。もう既に売り払った家だ。誰か新しく人は住んでいるのだろうか。実家の前を通りすぎると自動車の中で寝たきりらしい男性を女性がマッサージしているようだ。外見はあまり変わらないが、内装はずいぶん変わっているのかもしれない。裏庭にはオシャレなライトがつけられている。あぁ、ここでバーベキューとかすると楽しそうだなあ、などと思いながら去っていく。
 

二 廃墟の中の洞窟


ダンキンドーナツで蕎麦ぼうろをお土産に買う(こんなものまで売っているのか)。外に出ると僕は小型の宇宙船に乗っている。敵から逃れるように必死に操縦する。やっと抜けきったと思って前を見るとふっと敵船が現れる。僕はレーザー光線で相手を振り払いながら廃墟のような建物に近付く。中に入ると天然の洞窟のようになっている。僕は歩いて奥に進む。すると、狭い部屋に行き着く。中では3人がこたつに入って寝ている。息子と娘と義母だ。「あっ、お帰りなさい」「ただいま、やっと帰れました。」
 

三 羊の顔をした犬


小さな犬のようで、しかし羊の顔をした生き物がリビングのドアの前に立っている。なんだこれはと思いながら写真を撮ろうとスマホを探している。娘が部屋に入ってきたのでこれ見てと言おうとしたら、突如その生き物が大きくなり、娘と戦い始める。僕は動画を撮ろうと見つけたスマホをにぎる。妻に後で見てもらうために早く動画を撮りたいのだが操作が思うように行かない。なんだか表情もいろいろ変わってかわいい。記録しておきたい。でもスマホをいじっていると見られない。実物を見ていると操作ができない。あぁ、早く撮らないと。
 

四 ホームに向かうジェットコースター


改札からホームの電車に向かう。7人ほどが1つの細長い箱のようなものに乗っている。僕は乗り遅れたため一番後ろの柵につかまっている。すごいスピードで滑り台を下りていく。まるでジェットコースターのようだ。僕は柵をにぎる手の力を強める。そのとき、前の男性の手に触れてしまいゾクッとする。ホームに着いたら電車に乗り換えて隣の高槻駅へ向かうはずなのだが、そのジェットコースターに乗ったままでどんどん公道の上を進んでいく。高槻までこのまま行くのだろうか。
 

五 昼休み中の授業


階段を降りて行くと下の教室では昼休み中にも関わらず授業をしていた。国語のM先生だ。どうやら最難関クラスのようだ。僕が以前教えていた生徒も1人いる。しかしどうも集中して聞いていない。教室の外にいるI君が、外の台の上にあるパンフレット類を扉の隙間から中に入れてる。それを受け取った生徒はまた横の生徒に手渡している。バケツリレーのようにどんどん横に進み教室を横断しているようだ。M先生は気付いていないのだろうか、注意をする様子がない。僕はいたたまれなくなって解説が少し途切れたところで割って入った。授業をしている先生に一言断った上で、一歩教室に入り、該当の生徒たちに向かって僕は言う。「昼休み中にも関わらずM先生が一生懸命解説してくださっているのに君たちは一体何をしているのか」と。みんなハッとしてうつ向いてしまった。僕は教室から出ると外にいたI君に向き合う。頭を軽くたたいて「どうしてこんなことをしていたのか」と叱責してしまった。心の中では「しまった、今のは体罰だろうか」と自問している。
 

六  掃除機を掃除する


隣の部屋の住民の掃除機にほこりがこびりついている。僕はそのほこりを掃除機で吸い取ろうとしている。しかし、いくら吸ってもきれいにならない。持ち主が帰ってくる前にきれいにしておこうと思うが、なかなか吸い取ってくれない。
 

七 中高一貫校の土曜日


中高一貫校の土曜日である。僕は中等部の教員。中等部専用のフロアで中3生が3名英語のテストを受けている。僕はリスニングの準備をして教室に入る。中には教材の入った段ボール箱が大量に置かれていて横で作業をしている女性職員がいる。僕が入って行くと、その職員が「これはどうしますか?」「これはなくなったようです」などと話しかけてくる。これでは生徒がテストに集中できない。僕は「君らは隣の教室に移ろう」と声をかける。4人で外に出て隣の部屋に入ると、中では高等部の授業が行われている。「あっ、すみません」隣をのぞくとすべての机が中央に集められている。ここでも何かが行われようとしているのか。次の部屋にも高校生たちがいる。空いている教室がない。「なんや、結局最初の部屋しか空いてないやん」と生徒たちが言う。「ごめんな」と謝りながら、僕は憤りを感じている。僕は中等部の責任者である。その僕になんの断りもなく高等部の先生たちは中等部の教室を使っている。毎週土曜日はこういう状態なのだろうか。僕がいつもは土曜出勤をしていないから知らなかっただけなのか。
 

八 プロ野球を見ている日本人


僕は友人Sと大学の講義を聞いている。プロ野球を題材に話が進んでいる。課題が回ってきてそれについてSと話し合っている。実際にプロ野球を見て感想を書かないといけない。あるいは過去に家族と見たプロ野球の試合についての感想を書かないといけない。「これプロ野球である必然性はあるのかな? 俺プロ野球なんて見たことないんだけど。球場ではもちろん、テレビですら。」いやこれは大袈裟だ。子どもの頃に近所の友だちのお父さんに甲子園に連れて行ってもらったことがある。阪神対中日だった。僕は心の中でそう思いながら、でもここはちょっと大袈裟に全否定しておこうと思っている。「これって何か他のことではダメなのかな?」「いやどうでしょう」Sもきっとプロ野球なんて見ることはないと思う。だけど人がいいからその辺は周りに合わせようとしているのだ。後ろにこの講座の手伝いをしている先生がいる。「プロ野球と書かれているのにはそれなりの意味があるのでしょう。」「いや何かスポーツを題材にということなら、僕はサッカーを選びます。」なぜ、日本人ならみんなプロ野球を見ているだろうなんて古い価値観で講義をされているんだろうか。僕は心の中でそう叫んでいる。
 

九 液体のような猫、猫のような僕


「猫は液体のようだ」という言葉を見たことがある。僕は右の太股を引き寄せ膝が顔につくようにして一本の棒のようになる。そして全身を水で濡らして直径10cmくらいのホースの中に入っていく。肩まで入ればあとはするすると中に入ってしまう。僕は液体のようにそのままどんどん前に進み、ホースを通り抜けてしまった。
 

十 30万の現金書留


現金書留が送られてきた。30万円ほど入っている。どこかの学校の入学金などを二重に払っていたようだ。もう、数年経っており、既に卒業もしている。どうして今になって、それが発覚したのか。まあ、戻って来たのだから文句は言うまい。しかし、気付かれなければ、そのままだったのかと思うと憤りを感じる。
 

最近、比較的現実的な夢が多い。心当たりのある夢が多い。井戸の奥深くに入っていけない。
 

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