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ちょっと学校にお願いしてみた時の話

小学1年生の終わり頃から、週に一度フリースクール、その他の日は行きたい授業だけ参加するというスタイルで通っていました。
(こうなるまでの経緯は過去記事にまとめています。)

うちは、自らホームスクールを選ぶような、教育に対する意識の高い家ではありません。小学校から教育を選べるほど経済的に豊かな家でもありません。たとえ経済的に豊かだったとしても、選べるような教育機関がある地域でもありません。
だからもし子どもがなんの疑問も持たず当たり前のように学校に通ってくれたら、それが一番楽だと思っていました。

正直に言うと、1年生の初めの頃などは、学校から帰って疲れ切って眠ってしまう様子や、朝覚悟を決めたような顔で後ろを振り返りもせず無言で通学班に混ざる様子を見ていたにもかかわらず、このまま学校という場所に馴染んでくれたら(私が)楽なのにな…という残酷な気持ちもありました。

公立小以外にも選択肢があれば、そのように追い詰められた感情になることもないのですが、実質公立小しか選択肢がない中で、その他の道を個人で開拓することはとてもパワーが要ります。
できれば無難でありたい。
(-_-;)保身の気持ちがありました。

そんな時心の奥でせめぎ合うのは、2つの視点です。それは、子どもが学校に合わないのは、

A.学校の体制が悪いのか?
B.子どもの性質が悪いのか?
ということ。

もちろん、人間の性質に良い悪いはありませんが、既存の体制に合わせられない場合こちらに何かしらの非があるのではないか?という不安がどうしても生まれてしまいます。

実際、うちの子を見ていると確かに少数派の性質を持っているようでした。
例えば、

①大声や大きな音が苦手
②他人の感情にとても敏感
③やりたいことが多く自由が好き
④無駄が嫌いでせっかち

現行の体制の学校に通うことを考えた時、これらの性質を持ちながら授業に参加するには多大な我慢が強いられます。

学校、子ども、どちらが悪いというわけでもないけれど、子どもの性質と学校の体制の相性が悪い事は確実です。

そのことをふまえての、次の段階での2つの選択肢は、

A.この性質を直して、既存の環境に適応させるのか?
B.この性質を守るために、環境の側に改善を求めるのか?

どちらを選択するのかは、この性質をどう捉えるかという、保護者や周りの大人達の考え方次第です。

私は、数年前にエレインアーロン博士の【Highly sensitive person】について書かれた著書を読んでいたので、これらの敏感な性質についてネガティブに捉えてはいませんでした。

新年度になり、校長教頭先生二人とも新しい方に変わられ、これまでの話がちゃんと引き継ぎされているのか心配でしたが、これを機に新しい校長先生にHSP(Highly sensitive person)という概念を知ってもらいたいと思い、エレイン博士の本を持ってお話に行きました。

HSPについて説明するとともに、ひとつだけお願いをしました。
「敏感な性質の子が疲れた時にいつでも休める部屋を作って欲しい。」
というものです。

その頃の学校は、授業中に一人ぼっちで中庭の池の鯉を見ている子や、保健室登校をしている子もちらほら見かけました。
そういう子も含め、みんなが好きな時間に休憩しながら教室へも通えたら良いなと思ってのことでした。
保健室登校では、様々な人が出入りし気分が休まりません。保健室で休むのではなく〝敏感な子が休憩する専用の部屋〟であることにこだわりました。

管理者がいないと危険ということを言われたので、もし部屋を作ってくれるならその部屋にボランティアで入りますとも伝えました。

それから数ヶ月経ち、返事がありました。
「残念ですが、不可能です。」
ということでした。
上からの許可が下りず…という理由でした。
お貸ししていたエレイン博士の本は、一年後に帰ってきました。

2年生に上がってすぐ校長先生に話しに行ったのですが、提案を却下されただけで、その後学校から何か代わりの配慮をしてもらえることはありませんでした。

仕方のないことかもしれません。医者の診断書など、別の機関から配慮の必要がある子どもだと認定されない限り、一人の子どものために特別に配慮する仕組みが無いようです。

その間、若い担任の先生だけが一生懸命接してくれていました。(それが学校側からできる最大の配慮だったのか、その先生個人のがんばりだったのかは分かりません。)
その先生は1年生の時隣のクラスだった優しい女性の先生。そのことを子どもは喜んでいました。

とはいえ、やはり学校は学校。
大きな音もするし、やりたいことのアイデアも家に帰るまでは我慢。休み時間だって完全な自由ではなく、全校で持久走や大縄なんかになったりします。
それでも本人は、新しいことを習うのは大切だと思っていたようで、単元が変わる最初の授業だけ選んで行っていました。本人なりに、なるべく学校に行かずに学べる効率的な通い方を模索していたようです。

「周りは自然がいっぱいで、木造の温かい雰囲気の校舎で、クラスの人数が5人くらいで、iPadで授業してたら毎日通いたい。」

子どもはよくこんなことを言っていました。

いかにもHSPなアイデアです。
そんな学校あったらいいだろうなぁと私も思います。10年20年後には期待できるかもしれないけど、その頃にはもう大人だね。(^_^;)

今現在公立小でそんな学校があるとすれば、離島とか山奥かな?そこでiPad使って授業してるのかな?
まぁ、あったとしても小学校のために家族が離れ離れになるのも嫌だし…子どももそれは望んでいないし。

(´Д` )…あーぁ

とまぁそんなこんなで、学校が合わないからといって教育のために引越しなどしないうちのような家庭は、世間的には〝不登校〟という名の、ホームスクーラーを選ぶしかないのでした。
(補助金も何にも無いけどね…。)
( ̄▽ ̄)

ということは…

様々な私立学校が選べる経済状況+引っ越しも全然オッケーな家にとっては〝不登校〟という概念は無いということ。

…こ、こ、これが格差かぁ〜(°▽°)

次回は、給食費のお話にしようかな。

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※完全にホームスクールを始めたと言えるのは、4年生からです。それまでの成り行きをnoteスタートから連続して書いています。(たまに脱線アリ)
早いうちに現在に追いつきたいですが、しばらくお付き合いください。(^_−)−☆

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