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アニッシュ・カプーアの彫刻と両極的な概念

アニッシュ・カプーア(Anish Kapoor)の彫刻と両極的な概念

アニッシュ・カプーア(CBE, RA,Anish Kapoor,1954- /ロンドン在住のインド生まれの現代アーティスト、彫刻家)

現在アートに於ける彫刻家の中で重要な1人だ。
その作品はシンプルな形状の立体だ。それは、ヨーロッパのモダニズムと東洋的世界観(仏教やインド哲学など)を融合させた作品である。
シンプルなかたちと独自の素材の選択によって、視覚認識や空間概念に問題を提起し、虚と実、物質と非物質のような両極的な概念が共存する作品だろう。
その表面に光を反射する金属や光を吸収する染料などを用いて、観る者の視覚に強烈に突き刺さる表象だ。

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by Anish Kapoor

略歴とアートワーク-Anish Kapoor

1954年、ユダヤ人の母とパンジャーブ人(Punjabis/パキスタン)父の元で生まれる。ボンベイ(ムンバイ)出身の現代彫刻家だ。
その後、デヘラードゥーン(Dehradun/インド-ウッタラーカンド州)で教育を受けた後、1971-1973年にかけてイスラエルに渡りキブツ(イスラエルの集産主義的協同組合)で働きながら電気工学を学んでいる。
その後、イギリスに移り、ロンドンで、Hornsey College of Art 卒業後、Chelsea College of Arts大学院で学ぶ。
1980年代には、ニュー・ブリティッシュ・スカルプチャー(イギリスの彫刻の一群を指す)と呼ばれる新しい彫刻の傾向の代表的作家のひとりとなる。
1990年、ヴェネツィア・ビエンナーレには、イギリス代表として出展した。(Premio Duemila-受賞)
1991年、ターナー賞を受賞。

展覧会は、テート・モダンやヘイワード・ギャラリー、スイスのバーゼルにあるクンストハレ、フランスのボルドー、ブラジル、ニューヨーク近代美術館(MoMA)等々、相当数だ。
また、パブリックアートは、シカゴの市街地には「Cloud Gate」というステンレス製の大作が設置されている。

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Cloud Gate

2015年8月、中国新疆ウイグル自治区カラマイ市の巨大なステンレス製オブジェがクラウド・ゲートの盗作であるとして訴える意向を示している、新疆のそれは、シカゴの「Cloud Gate」とそっくりだが、その反射率が違うようだ。(模倣されるぐらい、グレートな作家だ)

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中国新疆ウイグル自治区カラマイ市の巨大なステンレス製オブジェ

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CBE, RA,Anish Kapoor

末筆だが、
2003年、大英帝国勲章CBEを受章している。

#現代アート #学術 #彫刻

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