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映画ストレイト・ストーリー/その人間味は実話だ

The Straight Story- 1999年 US /デヴィッド・リンチ監督(David Lynch )

アイオワ州に住む、自動車運転免許も持たない73才の高齢男性(アルヴィン・ストレイト)が、芝刈り機(8km/h)に乗って、350マイル(約560km)離れたウィスコンシン州に住む心臓発作で倒れたという兄に会いに行く、それは不仲の兄であったが、今でしか会えないからだ・・・。「ニューヨーク・タイムズ-1994年」に掲載された記事から映画化されている。
杖なしで歩けない老人ストレイトの無謀とも言える、この困難な旅で、多くの人たちに出会う、芝刈り機の故障から救われたり、欺かれたり、また、ベトナム戦争という時代の共感、そして、ストレイト老人の言葉に救われるシーンもある。
ストレイトは、ベトナム戦争を経験した、その逆境の時間に、その言葉を彼の内部で育んだかのようにも感じる。
旅に出る前の、ガンコなアルヴィン・ストレイトと娘のローズ(シシー・スペイセク)との口論のプロセスも印象深い。ローズは、今で言うADHDだったのかも知れない、ただ、観ていて痛いほどの人柄と愛情を感じる。
そして、ラストシーンは、いつまでも印象に残るだろう。どの映画もそうだが、字幕は最後まで観ていたい、読みきれないそのイメージの間、その余韻は続くだろう、そう、その後までもだ。

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主演のリチャード・ファーンズワースは公開翌年である2000年にガンの苦しみから自殺した。
娘のローズのシシー・スペイセクは、今年(2019.12)70才になる。
そのストーリーのみならず、その周辺も深い映画だ。

The Straight Story (1999) HQ Trailer


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