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書評:人は話し方が9割(すばる舎)

人は話し方が9割 単行本 – 2019/9/1
永松 茂久  (著) - 65万部突破

序論

キャッチコピーは、1分で人を動かし、100%、好かれる話し方のコツ。
そして、内容には、楽しく会話できる「とっておきの秘訣」が満載とある。
現在、65万部のヒット書籍(1位)であり、帯には、「人間関係は、この1冊で全部うまくいく」とある。


内容に少し触れると、
「はじめに」と、4つの項目からなる。

はじめに:

会話が下手な人が、人と話すことが、楽しくなるコツ。
そこで、まず「結論」があり。
「苦手な人との会話を避け、大好きな人と話す時間を増やす」これだけです。
(評)とあるが?ここで、インテリジェンスのある読者なら、思考が止まるだろう。
当然だが、社会では、そうは、いかないからだ。

1)人性は話し方で決まる

1-01)話の上手い人の人生は、なぜうまくいくのか?:(評)そうだろうか?
1-02)話す力は「スキル」より「メンタル」:自己肯定感が上がると話すのがラクになる-(評)どちらも、そのバランスも大切だろう。
・・・以下、概略を記述すると、
「否定系は取らない」:(評)当たり前だ。
「自己の認知にしてほしい、それが人の本音」「話し方は、聞き方が9割」:(評)そのために発問(相手を知る)があるわけだ。

2)「また会いたい」と思われる人の話し方

概要:
「苦手な人に、自分から話しかけるのはやなさい」:(評)そう言う訳には行かないだろう。
「正しい話より、好かれる話をしよう」:(評)それは違う、大切なことは内容だ。
「自己紹介」とネタ帳(自分史・プロフィール・キーワード)の作り方。:(評)その場の状況(聞き手)に合わせて、その都度、その場で臨機に考えたい。それは、誠意が大切だからだ。

3)人に嫌われない話し方

概要:「嫌われない話し方の重要性は、人性を左右しているのはコミュニケーションである。」:(評)基本だ
肩書き・立場によって話し方を変えない。:(評)一概にそう言えるだろうか?

4)人を動かす人の話し方

概要:
「がんばれ」のタイミング
「叱り方」
「悪口は言わない、聞かない」
「苦手な人をかわす3つの方法」
「運のいい人たちが使っている口ぐせ」
「話し方が、100%うまくなる究極のスキル、教えます」
・相手の場に立つ/スキル:幸せでありますように。

(評)ベストセラー1位の書籍という事で購入してみた。

人は、言語という記号で、チャネル(媒体)を通じて、情報を処理している。(例えば:音声 - 耳という、空気の振動による手段)
初期項目の部分に、話し方の本であり、プレゼンテーション書籍ではないと記述してあるが、後半に行くに従い矛盾してしまう。
全体像が見えない、いわゆる体系化されていないと言うことだ。
この書籍で救われる人もいるだろう。ただ、そのケース バイ ケースでの状況を自己で思考しないと、本題と逆効果になることもあるかもしれない。
著者は、たこ焼き行商から、ご苦労なさって、現在の成功を導き、作家・講演として、ご活躍なさっていると言う。そのご尽力も感じる。良きアドバイス部分も少なからずあるので、自分の置かれた状況下で、それらを考えたいところだ。

(追記)私は、デール・カーネギーの「人を動かす」三原則のような世界を期待していたが・・・異なるようだ。
付け加えるが、例えば、吃音のある人の方が、自己の思考を相手に動機づけを行いやすい、それは、話し方ではなく、聴衆が耳を傾けてくれて、その内容が大切だからだ。そして、聴衆の反応から、次回への重要な課題が引き出せるのだ。
書評が、持論を展開してしまった・・


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