女性作家ジュリエット・エリサ・バタイユの現代アート的な刺繍(アウトサイダーアート)
女性作家ジュリエット・エリサ・バタイユ(Juliette Élisa Bataille)の現代アート的な刺繍(アウトサイダーアート/アールブリュット)
ジュリエット・エリサ・バタイユ(Juliette Élisa Bataille/Juliette Elisa Bataille,1896- ?/フランス)
ジュリエット・エリサ・バタイユは、パステル画と刺繍作品をメインに制作しているアウトサイダーアーティトだ。
その作品は、分類するとアウトサイダーアート(アールブリュット)のエリアに入るだろう。
Juliette Elisa Bataille
略歴-Juliette Elisa Bataille
1896年にフランスのパドカレーで生まれる。(家族の中で、10人の子供の3番目だった)
1917年、結婚して、夫が戦争で動員されている間にパリに移った。
彼女は、花屋、セールス、路面電車の運転手として働いていた。
そして、戦争から戻った夫は暴力的になり、彼女に虐待的な行動をとるようになる。
40代はじめには、精神障害に襲われ、パリの*ヴィル・エヴラード精神病院での収容をされた。
彼女は、インスピレーションを受けて、表現力豊かなパステル画と、心を揺さぶるような刺繡を作り始めた。
(註)*ヴィル・エヴラード精神病院には、カミーユ・クローデル(Camille Claudel,1864-1943/彫刻家劇作家)や、アントナン・アルトー(Antonin Artaud,1896-1948/俳優・劇作家・詩人・芸術評論)も療養している。
ヴィル・エヴラード精神病院で彼女は、紙や段ボールにパステル画を描いたり、羊毛、綿、絹の粗い糸で作られた刺繡を制作している。彼女の感情をチャージされた、そのステッチラインは、断固なまでの自信を持って配置されているのが感じられる。
よくご覧になると、スレッド(thread/縫い糸)を通じて、パターンの輪郭とその色の両方を定義している。
それは、支えられるような短い線で構成されてあり、その明るい色彩は、作品の表現力によりインパクトを与えている。
確かに、不思議で、心を揺すぶられる表象だ。
驚くことは、彼女はこれらの作品を3年間(概ね1948-1951)の間にしか制作しなかった。
未だ、未発表の作品は、これから注目されることだろう・・
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