クーパー・ユニオン（アートスクール）とアメリカのアート界と学際

クーパー・ユニオン  (The Cooper Union for the Advancement of Science and Art)とは
ニューヨーク市マンハッタン区イースト・ヴィレッジ地区にある私立大学だ。科学と芸術の進歩のためのクーパーユニオンとして、1859年に設立されている。
当時のアメリカの高等教育の革新的な新しいモデルだ。

それは、創立者のピーター・クーパー（Peter Cooper、1791- 1883/アメリカの実業家・発明家）による「教育、最高の技術学校は、人種、宗教、性別、貧富または社会的地位とは関係なく、資格のあるものたちが受けることができ、すべてに*無料で開かれているべきである」という信念に基づいて設立された。
ピーター・クーパーは、合衆国で、最初の蒸気機関車を設計・製造している。そして、芸術にも精通した人物だ。学際（知の共有）の本質が、この時代には、ここにすでにあった訳だ。
現在、この大学は学部、そして、修士において、人文科学と社会科学のコースだけでなく、芸術、建築、工学の教育プログラムを提供している。

Welcome | The Cooper Union

（註）*クーパー・ユニオンは、以前、入学が許可された生徒すべてに授業料全額免除の奨学金を付与した。しかし、2014年の秋よりこのポリシーは変更された。（財政上の事情）ただ、現在も、生徒は、授業料の半額分の奨学金を受けることができるシステムは残る。

その位置する、*イースト・ヴィレッジ（East Village）は、いわゆるダウンタウンに位置する、そこでは数々の文化が発生しているのだ。

そして、このクーパー・ユニオンは小規模ながら、多くのアーティストや、エンジニアが育っている。また、全米でも最も倍率の高い大学の一つと言われる。

（註）*イースト・ヴィレッジ（East Village）：1950年代から、ビートニク（Beatnik/Beat Generation/戦後の合衆国の文学界で異彩を放った活動）の拠点であり、1960年代は、芸術家、音楽家、そしてヒッピーたちが住み着くようになったと言われる。
ただ、1990年代初頭までは治安もよいとは言えないが、ここでは、ニューヨークのカウンターカルチャー運動（ポテンシャルを持つサブカルチャー/対抗文化）の中心地として、様々なアート運動が起こった。この地では、パンク・ロック(Punk Rock)やニューヨリカン（Nuyorican /ニューヨークとプエルトリコのメンバーの文化）文学などの盛り上がりを見せた地区だ。

（註）このコラムは、アートをこれから、目指す方々には必見の組織であり、そのカリキュラムの内容のチェックやリサーチは必読だろう・・・