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Rachel Whiteread(YBAs)-社会問題を追う

レイチェル・ホワイトリード(Dame Rachel Whiteread 1963- UK)

Dame Rachel Whiteread は、*キャスティング(鋳造)での立体(彫刻)を主に制作する英国のアーティスト。
1993年、ターナー賞を受賞した、それは女性として最初だ。
そして、大英帝国勲章(DBE)を与えられている。
消費材、椅子やテーブル等の家具から、部屋や家屋までを*キャスティングしている。そこでは不在な物が視覚化された。
そのコンテンツは、視覚化された負の空間だ。そして、それを観る者は、そのキャスティングされた空間の原型を、まず、考えるだろう。
そのプロセスから、鑑みても、ホワイトリードの視点は、インパクトある社会性(社会問題がテーマ)がある。

略歴-Dame Rachel Whiteread 
1963年、イルフォードの生まれ(ロンドン東部)
1987年、ロンドンの美術大学(Slade School of Fine Art)等で学ぶ。
YBAs(Young British Artists)のグループだ。
1988年、最初の個展ではキャスティングされた彫刻だ、それは評判を呼んだ。クローゼット(Closet)、化粧用テーブル(Mantle)、浅い呼吸(Shallow Breath)・・・
1993年、*ハウス(House)を制作し、大きな評価を得た。それは、エドワード朝時代の小規模なテラスハウスのキャストである。
ターナー賞。(MoMA収蔵)

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                    Fig.House
そして、
1995年、無題(100の空間)(Untitled -One Hundred Spaces)

無題(100の空間)

                    Fig.Untitled -One Hundred Spaces
1998年、給水塔(ニューヨーク)-(MoMA収蔵)
2000年、*ホロコースト記念碑(無名図書館)ウィーン

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                   Fig.ホロコースト記念碑
2001年、無題-記念碑(Fourth plinth, Trafalgar Square)-石の台座を逆さまにした透明な樹脂キャスティングの作品

無題 記念碑(台座

                    Fig.Fourth plinth, Trafalgar Square
2004年、スノーショー:作品は雪で作られている。
2005–2006年、堤防(TATE Moden)
・・・・
2010年、艇庫(Boathouse):ノルウェー、ロイケンヴィクの湖畔
2016年、小屋(Cabin):ニューヨーク港ガバナーズアイランドのディスカバリーヒルに設置。
2017年、鶏小屋(Chicken Shed)

鶏小屋(Chicken Shed) 

                   Fig.Chicken Shed
1994年と、そして、2017年、「無題-白色の死体仮置台」(White Slab):霊安室の死体仮置台からキャスティングした彼女の初期の作品を再現した作品において、それは、少し不安定に傾いている・・・不安を募らせるメメント・モリ(死を忘れない)となるのだろう・・・

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       Fig.White Slab


Who is Rachel Whiteread? TATE

(註.1)*キャスティング(casting):彫刻や、工芸の世界に於いて、液状にした素材(金属、ガラス、石膏、樹脂など)を型に流し込んで成形をする技法。(いわゆる型どり)金属の場合では、鋳金、鋳造となる。
(註.2)*ハウス(House):この時期は、社会政策としての住宅供給を巡る論争と民間資本が住宅市場に進出という問題が英国メディアに扱われていた時期だ。
(当時のサッチャー政権が、公営住宅に住む賃借人にその不動産の買取りの権利を決定づけた事が発端となり、問題が激化した)
ホワイトリードの場合、小さな物から、家具、構築物や家屋までを実行した。その独自性のプロセスも異端だろう。
(註.3)*ホロコーストでは、65,000人のオーストリア系ユダヤ人が処刑され、記憶の中で、ファシズムの犠牲者の記念碑とされている。

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