優しさの画家-アーサー・ボーウェン・デービスの人生

優しさの画家-アーサー・ボーウェン・デービス（Arthur Bowen Davies）
アーサー・ボーウェン・デービス（アーサー・B・デイビス/Arthur Bowen Davies,1862-1928/アメリカの象徴主義の画家-The Eightのメンバー ）

前衛的なアーティストで、アメリカの現代美術に貢献した。そして、象徴主義（人間の内面を描く） のアメリカの画家の一人だ。そのコンテンツは、神話や寓話など、幻想的な題材を描いている。
そして、「The Eight」のメンバーだ。
その「The Eight」は、ロバート・ヘンライ(Robert Henri,1865-1929/アシュカン派-アメリカ・リアリズム)らが作ったグループだ。

(cc) Arthur Bowen Davies

略歴-Arthur Bowen Davies
1863年、ユーティカ（Utica/ニューヨーク州）で生まれる
1879-1882年、School of the Art Institute of Chicago（シカゴ美術館附属美術大学）で学び、ニューヨークに移り、アート・スチューデント・リーグ（Art Students League of New York）でも学んでいる。
その後、ニューヨークでは雑誌の挿絵画家（イラスト）となる。
1892年、バージニア・メリウェザー（Lucy Virginia Meriwether Davis Davies,1862-1949/ニューヨーク州で最初の女性医師）と結婚する。

（註）貧しい芸術家との結婚に際して、花婿側の婚前契約には、離婚した場合の妻の金銭に対する請求を放棄することを署名している：言えることは、いつの時代も売れない芸術家は浮かばれないものだ。
しかし、最期まで、人生はわからない。アーサー・ボーウェン・デービスは、その絵画の販売を通じて裕福になる訳だから・・・
そして、いつも、妻は、デービスの慈悲深い愛に満ちていた。
妻のバージニア・メリウェザーは、前の夫（虐待と麻薬とギャンブ）を自己防衛のため銃殺した後、New York-Presbyterian Lower Manhattan Hospital（貧しい女性と子供のための病院）で医学を学び、1886年に、最初のニューヨークの女性医師の1人になった人物だ、そして、デービスの間には、2人の子息がいた。ただ、幸せは金銭だけではないのだ・・
デービスが1928年に亡くなった時、内縁の妻（エドナ）とその家族が判明した。優しいデービスの内心の苦難（妻の気性）もあったのだろう。いずれにしても、最期まで、人生はわからないものだ。
アート記事から、ズレました。話を元へ戻します。ただ、そんなやさしいデービスの性格は、作品に確かに現れているのだ。

1908年、ロバート・ヘンライやジョージ・ラクス（George Benjamin Luks,1867- 1933/US）たちと知り合い、美術家グループ、「The Eight」のメンバーニューヨークの画廊で開かれたグループ展に出展した。
1912-1914年、アメリカ画家・彫刻家協会 (Association of American Painters and Sculptors) の会長。
1913年、アーモリーショー（Armory Show-国際現代美術展）の開催に貢献した。そこには、賛否両論があるが、アメリカのアートに刺激を与えた事は確かだろう。

1928年、イタリアでのバケーション時に、突然に死に至る、66歳だった。
「famously diffident and retiring」-Arthur B. Davies 
最期は、寡黙になり、そのスタジオに、誰も招待することはなくなる。その著名な礼儀正しい都会的な男性を続けることが疲れたのかも知れない。いずれにしても、アメリカの美術界に残したものは大きい・・

(cc) Arthur Bowen Davies

（註）The Eight-5人のメンバーは、アシュカンの写実主義者のロバート・ヘンライ（1865–1929）、ジョン・スローン（1871–1951）、ウィリアム・グラケンズ（1870–1938）、ジョージ・ラクス（1867–1933）、エヴァレット・シン（1876–1953）。
また、このアーサー・ボーウェン・デービス（1862-1928）、アーネスト・ローソン（1873–1939）、モーリス・プレンダーガスト（1859–1924）は、別枠かも知れない、それは、現実性から離れた画風で描いている・・・