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解剖シーン「The Gross Clinic」の訳とトマス・エイキンズ(UX/UI-Design)

トマス・エイキンズ(Thomas Eakins, 1844-1916/アメリカ合衆国の画家・写真家・彫刻家)

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(cc)グロス・クリニック(The Gross Clinic)-Thomas Eakins/1875

1844年、フィラデルフィア生まれ。ペンシルベニア美術アカデミー(Pennsylvania Academy of Fine Arts)で学び、1864-1865年までジェファーソン・メディカル・カレッジ (現:シドニー・キンメル医科大学) で、科学分野の興味(学際的視点)のもと医師を目指した、そのカレッジで解剖学を学んでいる。(リアリズムの探求に後に役立つ)
1866-1870年、パリに渡り、ジャン=レオン・ジェローム(Jean-Léon Gérôme, 1824-1904/仏の画家・彫刻家-歴史シーン・オリエントの描写)に師事する。
1878年より、母校のペンシルベニア美術アカデミーで教鞭をとる。
ただ、その視点が、あまりに急進的とされ、ある意味、周囲から、顰蹙(ひんしゅく)をかう。
それは、美術の授業にヌードモデル(人体の骨格や人の部位の理解)を使うと主張、それは、1886年には、女性学生のいるクラスで男性ヌードモデルを描かせた問題が発生した。そして、解雇された。その時の助手(現在の助教と言うより、准教授的な位置づけだった)には、トマス・アンシュッツ(Thomas Pollock Anshutz、1851 - 1912/アメリカの画家)がいた。この流れに、アシュカン派の創設メンバーも多い。アシュカン派のリアリズムは、この時の人体デッサンから、発生しているのだろう。
この解剖学シーンは、トマス・アンシュッツの流れを経て、アシュカン派の原点かも知れない。

(註)トマス・エイキンズの弟子には、トマス・アンシュッツいたが、この男性ヌードモデル事件で、反対の立場をとるのだが、その後は・・

いずれにしても、リアリズムの探求から人体デッサンは必須だ、そして、解剖学もそうだろう。それは、現在のUX/UIデザインに直結するロジックだからだ。

1875年には代表作といわれる、この「グロス・クリニック」を描き、解剖のシーンを扱い、物議をかもした。
その後、この「グロス・クリニック」(The Gross Clinic)は、母校ジェファーソン・メディカル・カレッジが所有していた。(2007年、ペンシルベニア美術アカデミーとフィラデルフィア美術館の共同所有)

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(cc)Thomas Eakins

(追記)ある学会で、死体解剖から、UX/UIデザインのロジックへの展開を伺ったことがある。
noteのどこかに、その時の身体工学のコラムがございますので、リンクを貼っておきます。


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