We're not alone.①集結編
令和6年3月23日。土曜日。
X(以降Twitter)で仲良くなった人たちと、熱海に行ってきた。
ひとり目は、いつき氏。
複雑なコードワークと生々しいグルーヴを自在に操る、作曲家にしてパーカッショニスト。
彼との珍道中@長野については以下の記事をご参照。
もうひとりは、ずーきん氏。
以前、俺の曲のMV(ミュージックビデオ)を作ってくれたこともある、控え目にいって鬼才。
ふたりとも、TwitterのDTM界隈――つまり作曲をする者同志としてつながったわけだが、話してみるとそれ以外の部分における興味の共通項も多く、今回の熱海(秘宝館)行きもすんなり決まった。
俺はふたりにそれぞれ会ったことがあるが、いつき氏とずーきん氏は今回が初対面。
そのふたりが「はじめまして」から30分も経たぬうちに、秘宝館へと向かうロープウェイに同乗してるってのは、けっこう笑える。
しかしまあ、昨秋に俺がいつき氏と初めて会ったときも、挨拶もそこそこにとある神社の「御神体」を共に撫で回したということもあるし、我々はそういう星のもとにあるのかもしれないなんてことを思ったり、思わなかったり。
さて、すでにちらほら現れている「秘宝館」というワードだが、「秘宝館とは何か?」についての説明を本稿では基本的に割愛するわけだが、2024年現在、日本で唯一秘宝館の残っているのが今回の旅の舞台、熱海である。
つまり我々は秘宝館があるから熱海に結集したのであり、けっして熱海観光のついでに秘宝館をひやかしてきたわけではない、ということはムダに強調しておきたい。
ちなみに秘宝館へは、俺は二度目、他のふたりは初来館となる。
*
当日は朝より雨天。午前10時ころ、現地にて顔を合わせる。
駅や街中は既に観光客でごった返しているが、我々の行方は街の外れにあるロープウェイ乗り場の方へ。
目的の熱海秘宝館は山上にあるので、地上からロープウェイで向かうのが一般的。
ただし、山の上にも駐車場が数台分設けられている。おそらく停められないだろうとロープウェイを使ったが、この日はどうやら空いていた模様。
”日本一短いロープウェイ”というのが「アタミロープウェイ」の特徴であるらしい。山頂までの所要は3分。
ゴンドラ内に流れるアナウンスでは、秘宝館のことを”ユーモアの中にも愛の神秘を感じられる…”云々と紹介していた。
このての観光アナウンスのうしろで流れがちな音楽について少し語り合うという名の、いちおうDTMerの集まりっぽい一面も。
ロープウェイを降りると、すぐ隣に秘宝館の出口がある。
ここからは秘宝館へ入館できない。なぜならそれが出口だから。
この謎の構造に、その後イヤというほど目撃する秘宝の纏う不条理さの一端が、既に窺えるといっても過言ではない。
おとなしく矢印に導かれ、階段を昇り、秘宝館の入口へ。
秘宝館の入口に到着し、さっそく受付をしようとすると、窓口のおばちゃんが「熱海城には行ってきましたか?まだなら先に行ってきた方がいいですよ」と言う。
要は、熱海城はこの秘宝館よりも上に位置し、秘宝館を見終わると先程のロープウェイ乗り場に出る謎&不条理な構造になっているので、熱海城へあとで行こうとすると、もう一度例の階段を昇って様子のおかしい息子のポスターを目にしたりしなければなりませんよ、ということらしい。
さて「熱海城とは何か?」についての説明を本稿では基本的に割愛するわけだが、おばちゃんの忠言に従い、おとなしく熱海城を目指す。
結論からいうと、熱海城は入場するために行列が出来るほどにぎわっていたため、中に入ることは早々に断念した。
もともとそんな興味もないし、俺は一度中へ入ったことがあるが、まあ(以下略)
山を登ってきた副産物として、見晴らしのいい場所に出た。
海と山に挟まれるようにして、建造物の濫立する熱海の街を見下ろしながら、ひとしきりリアス式海岸の話などをする。
話題がどこから飛んでくるか、本当にわからん面子である。
熱海城をあとにし、さていよいよ秘宝館!という段だが、次回へつづく。