福島行き②復路編(終)
前回はこちら。
ちょっと無謀かなと思われた目的地にも辿り着き、お目当てのモツ煮定食を食い、ドライブインの外観をひととおり写真に収めるなどして…さてどうしよう。
時刻は正午前――まっすぐ帰るにはちと早いし、かといってこれより北上するほど時間に余裕もない。
つまり南北がダメなら東西を検討すればいいのでよく、そのつもりで地図アプリを眺めると、次の行き先は案外、すぐに見つかる。
メシをたらふく食ったばかりだってのに次のメシのことを考えるのもアレだけど、福島沿岸部・浪江町のご当地グルメ「なみえ焼きそば」がまた食いたくなったので行ってみるか、と思う。
浪江町は、二本松から東へ約1時間半。
2時間空けば次の食事をしていいという根拠なき自分ルールがあるので、まあ寄り道しつつ向かえば2~3時間くらい――ちょうどいい感じの時間に到着できるだろう。
余談。
二本松のドライブインがまさにそうなのだが、テレビやらネットやらでなんとなく気になった場所は、すぐに地図アプリで確認し、★=ブックマークをしておく癖がある。
自分の旅は当てずっぽうなことが多いので、行き先がなくなると、今いる場所の近くに★がないか探したりするわけ。
今回の場合も、二本松~浪江町の道すがらに、★のついている場所があった。
しかしその★の場所の詳細を確認しても、なぜこの場所を自分がブックマークしたのかがまるで思い出せない。
記憶をふりしぼったり、場所の名称をネットで検索したりするも、皆目わからず。
行ってみりゃ思い出すかもということでそのポイントへ向かってみたが、結論としては何も思い出すことはなかった。
俺の地図アプリには、こういった出自のよくわからん場所がいっぱいブックマークされている。
ブックマークと併せて、どういうきっかけで登録したのか、その理由を残しておく仕組みが必要かもしれないが、多分やらない。
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そんな具合に寄り道をしながら山間部を東に走っていくと、見覚えのある看板に出くわす。
大熊町に入ったことを示す、熊のキャラクターの看板だ。
福島第一原発のある大熊町は、帰宅困難地域がいまだ多く残されている。
車では通行できるが、徒歩・自転車での通行ができない旨を記した看板がそこここに立っている。
沿岸に近づくにつれて人家が目に付くようになるが、それらはあの震災以降、家主の戻ることなく、ただただ朽ち果てている。
やがて、双葉町に入る。
M3で発表した作品に収録した『日常 (2404)』は、今年(2024)の元日に起きた能登の地震を受けて作った歌で、そのMVをM3前日に公開している。
そのMVの素材として使用したのが、昨年の8月、双葉町を訪れたときに撮影した車載動画である。
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沿岸部の主要道路である国道6号線に出て、目的地の道の駅・なみえに到着。
この道の駅は、以前訪れた時もかなり混雑していて、駐車場には誘導の警備員が何人も配置されている。
時刻は15時前――ドライブインの朝食(?)からもいい感じに時間が経っており、お目当てのなみえ焼きそばを食べようと食堂へ。
しかし、券売機の前で「なみえ焼そばラーメン」という謎のメニューに出くわし、若干の逡巡ののち、今回はその新種に挑戦してみることにした。
感想は上の投稿のとおり笑
15時半、帰路につく。
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あとはひたすら南下するだけなのだが、ちょっと残念なことがあり。
X(Twitter)の相互さんがよく投稿されているラーメンの写真がやたら美味そうで以前から気になっていたんだけど、その店が今回帰りがてら寄れそうだったので向かっていたのだが、ラストオーダーの時間に数分及ばず、涙をのむ結果となった。
主な原因は高速の渋滞。まあ連休だし、仕方ないよね。
件の店のそばにあるコインパーキングに停車したのがラストオーダーの時間ぴったり。店の前にいた店員さんにダメ元で声を掛けるも、やはりダメ…。
昼食が微妙だったので笑、夕飯のこの店への期待が大きくなりすぎていたこともあって無念の極みでしたが、あれから一週間以上が経ち、未来に楽しみが繰り越されたのだと、ようやく前向きに捉えることができるようになりました笑
そんなわけで夕食は、最近関東から静岡に帰る時にほぼ食っている東名高速・中井PA(下り)の肉そばセット。
上の投稿では「ゆっくり帰ります」なんて言ってるけれど、結局この投稿をしたあとに車内で寝落ちし、静岡へは朝帰りとなってしまいました笑
上の投稿のとおり、今回の移動中はずっと戦利品(イベントで入手した音楽作品)を聴いていたし、M3と地続きの、イベントの余韻を存分に味わえる、とても贅沢な一日となりました。ほんと恒例化したい。
一方で、車で行ってるからM3の打ち上げでお酒が飲めないという悩みが以前からあったりする。
どっかに宿をとって、ぱーっと飲んで、ガーッと寝るってのにも、大いに惹かれる。そんなのもいいよねぇ。
とはいえ、では次回のイベント後はどうする?と自分に問うた場合、まあ今の心持ちでは、また旅に出てしまいそうな気もするけどね。
結びに、ぼくの作る音楽をいつも大切にしてくれる人たちへ、どうもありがとうございます。
それではさようなり。