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note Life【4】

〜時の行方〜

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 noteを始めてからの2年があっという間に過ぎ去り、3回目の夏を迎えています。雪国なので冬の寒さも厳しいですが、盆地ゆえ夏の暑さもなかなかなものです。それでも冬は雪が積もると寒さが和らぎ、夏は乾いた風が涼を運びます。湿度の影響です。住めば都と言われるように温度だけでは計れない過ごしやすさが隠れています。

 いつか漫画家になりたいなぁ。
 子供の頃にそんな夢がありました。それがいつしかイラストレーターとなり絵描きになったりもしました。そして50〜60代は何かしら描くことをしていたいと思うようになっていました。

 noteを始め漫画を描くようになった頃、三年は頑張ってみようと思いました。
 現代社会は何事もスピードを求められ、すぐに働ける「即戦力」を求めがちです。実際にそんなに都合良くコトが運ぶものではないでしょう。ましてや不器用なボク自身にそんなことを求めても無駄というものです。何度も転職経験があるので三年という時間は一つの指標にもなっています。
「石の上にも三年」と言います。それは昔も今も変わらないことなのかもしれません。三年という時間は基礎づくりに最低必要な時間だと考えたのです。一人前になるために最低限必要な時間…場合によってはそれ以上必要かもしれませんし、一生追求することなのかもしれません。この分だとnoteでの三年もあっという間に過ぎてしまいそうです。

「そもそも漫画家って何?」って思うことあります。

 これまでは商業誌で描いている方のことを意味していたかと思います。
 今やインターネットで自由に作品を公開することが可能であり、電子出版も可能ですからもはや素人との境界線も曖昧です。

 商業誌には様々な漫画が掲載されています。力強い作風、緻密な描画、繊細な表現…子供の頃を思い返すと、どうしても読みたいと思っていた作品はそんなに多くはなかった気がします。一冊買えば他の作品も読めるから…ということだったように思うのです。一冊は子供のお小遣いで買える程度ですからお得感もあります。雑誌とはそういうものなのかもしれません。好きな作品を集中して読みたい場合は単行本で…となるわけです。
 そう考えると商業誌は一冊の本の中で読みたい作品とそうでない作品が同居しています。商業誌の漫画家になることはそういう状況の中で描き続けていくということなのでしょう。当たり前のことのように思えますが、店員さんのお勧めを購入するデパート的な印象を受けるのです。もちろん商業誌で描くことが出来るようになることも容易ではありません。以前だったら、漫画家の弟子やアシスタントを経験するかコンテストに応募するくらいしか道がなかったでしょう。作品は厳しく吟味され精錬され多くの人と関わって掲載されているはずです。商業誌には多くの人の生活もかかっています。そういう意味での責任もあるでしょうし名実ともにしっかりとした基盤がなければ継続するコトは難しいでしょう。せっかくコンテストで受賞し、誌上に作品を発表したことで注目されたにも関わらず、その後の作品を見ること出来なかった方もあったと記憶しています。
 ただし、客からすると好きな作品もそうでない作品も同時購入となるわけです。

 平均的な視聴率を指標にしているテレビも同様かもしれません。平均的な嗜好の人ってどれくらいいるんでしょうか。

 noteはどうでしょう。
 読みたい作家さんをフォローすることで好きな記事を集めることが可能です。

 他のサービスにもアカウントを作ったり過去には作品を公開していたこともありますが、noteのように三年続けてみようという気持ちにはなったことがありません。

 この二年の間にコンテストでcakesへ移った方もありますし、他のサービスの方へ活動拠点を移した方もあります。そんな時、言い知れぬ寂しさを感じるのは、好きな作家さんの記事を読むことができる唯一無二の名もない雑誌であるnoteのTLから好きな作家さんが姿を消すことになるからではないでしょうか。むろん好きな作家さんのご活躍を応援する気持ちに変わりはありません。ただ…寂しい。

 SNSの形式をとってはいてもnoteはクリエイターと読者の関係があります。読者の立場としては、好きな作家さんにnoteで描いてもらうことの方が嬉しいのではないかと思うのです。

 現実的な問題として生活や経済的なことを考えてこれからどうして行くべきなのかボク自身もわかりません。ただ、盛り上がったり穏やかになったりしつつもnoteが楽しく続いていくことがクリエイターにとっても読者にとっても良いことではないのだろうかと思うのです。

 最近は、下絵の状態になっていたものを引っ張り出して描き直したりペン入れしたりしています。正直なところゾッとなることがあります。知る限りnoteのオススメに選定されなくて良かったと思います。どうすれば良いのかわかったわけでもないのに、選定されるわけはなかったのだと今更納得する有様。こっそりプロモーション希望をOFFにしました。

 お陰様で現時点で1,282名の方にフォローしていただいています。これまで温かく見守っていただき感謝するしかありません。まだまだ未熟者ですが、購入して下さった方やフォロワーさんに楽しんでいただけるよう制作に取り組んでいきたいと思っています。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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