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note Life【3】

〜ボクのノートの作り方〜

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 noteも一周年ですね。
 このノートのアイディアはずっと下書きのままでした。初めて下書きしたのは、2014年6月11日 22:18 です。今回、この一年を振り返って試行錯誤の中で感じたことや考えたことを大幅に加筆・修正して公開することにしました。

 noteを始めた当初、スキやコメント、そしてフォローのインパクトがとても大きく、色んな企画や発想が披露され沸き立つような雰囲気で満ちあふれていたように思います。
 クリエイターサポートという機能はまだなくて全文公開の投げ銭やTipという発想が定着しつつありました。仕組みさえあれば、公開することでどんどん買ってもらえるのではないかと淡い期待を抱いていたからか、どうしても手っ取り早く結果が出る形を考えてしまいがちで、とにかくそれまでの制作していた過去の作品を公開することに夢中になりました。しかし、一通りの作品を公開した頃に現実はそんなに甘くはないと思うようになったのです。有名な方の作品が売れていたのはそれまでの積み重ねがあったからこそなんだと思います。活発に発信していた方も少しずつ減って行きました。noteで活動を続けるための新たな目的が必要になった気がします。

 長く活動を継続するためには新作が必要になりました。しかし、制作には時間がかかりますから公開する頻度を下げざるを得ない状況になります。
「忘れられてしまうかもしれない」と不安が過ります。
 フォロー数が多いほど、活動しなくなった人は意識し難くなります。何よりも大切なのは「活動を継続すること」と考えていましたから、写真にしてもイラストにしても文章にしてもとにかく出来ることを我武者らに続けることの必要性を感じていました。

 その活動に限界を感じ始めたのは、500ノート目。三ヶ月が経過する頃でした。
「このままではいけない。中長期的な視野に立って作品に取り組まなくては継続すら難しい。」
 しかし、意識を切り換えるのは容易なことではなく、それからも試行錯誤が続きました。

 やっと少し自分なりのスタイルの糸口を掴んだ気がしたのはクリスマス企画で制作した「おくりもの」です。
 この物語は最初に原作を用意し、それを何度も練り直して制作しました。時間的制約があったため可能な限りのイラストを挿入することで視覚的効果を高めることにしました。その制作スタイルが、その後の漫画「バランス」へと繋がっています。
 ボク自身の経験から「誰かを励ましたい」と発想した創作物語は、何よりもボク自身への「おくりもの」になったのかも知れません。

 インターネット上には今や数多くのSNSや作品公開のプラットフォームが存在します。多様化し、多機能化し、いったいどのサービスが自分に合っているのかを試すだけでも一苦労です。
 noteの場合には必要な基本機能が用意されていてシンプルな構成になっていると感じています。足りない部分は外部サイトとの連携である程度カバー可能ですから、残るは自分自身のアレンジやカスタマイズがどこまで可能かという点ではないでしょうか。
 たとえば、印刷物ではないのでCMYKではなくRGBを扱えます。これは直接的な光の表現に優位です。一般商業誌では印刷物ならではの枠があります。これまで漫画で不可欠になっていたスクリーントーンは白と黒の間のグレートーンを表現するために必要であり、それが漫画らしさに通じていました。そしてモノクロ印刷は漫画家の効率を高めることにも繋がりますが、カラーインクや紙のコスト削減にも一役買っているように思います。もちろん印刷物ならではの良さもあるわけですが、インターネット上ではその印刷物の枠から解放されます。そしてnoteは著作権が作者本人にあります。個人で著作権を管理することは難しい一面もあります。けれど、多様化したSNSへの投稿が著作者本人の自由になります。

 当初、noteは創作活動をしない人にとって敷居が高く、参加し難いのではないかと言われていたように思います。それではせっかくの課金機能も役に立たないということになりかねません。しかし、それは作品が力不足と見ることも出来ます。

 時折、ひとりもフォローせず、多くのフォロワーに発信しているアカウントを見かけます。ノートやマガジンの設定価格も独自の基準があるようです。その潔さは市販の商業誌に通じるものを感じます。フォローした方の応援はもちろん大切ですが、フォロワーさんにどんな表現で何を発信していくのかという点を忘れてはいけないのだと思うのです。
 使い方はそれぞれなので、これはボク個人の想いに過ぎませんが、noteは嬉しかったり楽しかったりする一方でそんな厳しさもあると思っています。

 厳しい冬を越え、気がつけば春です。noteを始めた頃に一年後のことを想像することは出来ませんでしたが、こうしてこのノートを読んで下さる方に巡り会うためには必要な一年だったのだと思います。
 そして継続するためのこれからが大切な時間になることでしょう。

 この一年、出来ることをあれこれ試すうちにやっと自分なりのスタイルの道筋を見つけたような気がしています。少なくとも長期的な取り組みを考えて行かないとせっかくの作品も多くの方に鑑賞していただけなくなってしまいます。それはnoteの課金機能を有効活用しているとも思えないものですが、意義はあると感じています。

 そこで、試行錯誤の中から少しずつ見出したボクなりの作品の作り方について書き記してみようと思います。

【閃き】
 アイディアが逃げないうちにメモするようにしています。外出中とか寝る間際に布団の中で思いついてしまった時などは自分宛にメールしています。後で読み返してつまらないと思っても時が経つと別の意味を持つことがあります。
 閃きは繋ぎ止めないとどんどん逃げ去ってしまうので、可能ならアイディアから骨子を組み立ててしまいます。

【記録】
 カメラを持ち歩くようにします。コンパクトカメラやスマホのカメラでも二度とない瞬間を記録するためにはとても重要です。もちろん一眼レフなどのカメラを持っていれば表現をより深める幅も広がるでしょう。その場合、機動力が鈍化する可能性があるので天候や予定を勘案する必要があります。

【準備】
 目的に応じた準備があると便利です。
 準備というものは行動の前にするものですが、準備だけに終わってしまうこともあるので出来る範囲で試してみて必要なものを準備する方が良いと思います。いきなり大きな山に登るための準備を始めたって上手く行くとは思えません。近所の山の散策から必要なものを準備し始めて経験を積みながら準備を追加していく事が大切ではないでしょうか。

《写真撮影に関する準備》
 ・料理や静物の写真など自宅で出来る撮影に備えて、撮影台を準備してあります。使い古しのパソコンデスクにホームセンターで購入した薄手の白のアクリルボードを敷き、厚手の白い紙で周囲を囲みます。照明用にクリップ止め出来る白熱灯を3つ設置しました。これでいつ思いついても三脚とカメラをセットすればすぐに撮影可能です。撮影の際はWBのセットが必要になり、スローシャッターなので三脚必須となります。撮影時に小物があると便利な場合があるので100円ショップなどへ出かけた際に布や器などをチェックしておきます。
 ・薄手の白いアクリルボードは野外撮影で使えることがあります。カメラマンが撮影で使用するレフ板の代用です。光沢のないものの方が自然な反射になるでしょう。持ち運ぶことが必要なのでコンパクトで必要最低限のサイズが良いと思います。

《作画に関する準備》
 ・随分前に準備したまま使っていなかったのですが、いつでも取りかかれるように作画用の机を準備してありました。noteを始めてアナログの作画の必要に迫られたとき、ちょっとホコリを払うだけで使用可能でした。机の天板と同サイズの板を蝶番で取り付けて傾斜がつけられるように改良してあります。必要なものは机の周囲に配置して、ずぼらでも片付や掃除などの準備が必要ない状態から作画に集中します。音楽が欲しい場合のためにオーディオ機器も用意するといいですね。ボクは中古購入のPowerBookを使っています。
 ・油彩や水彩なども画材は一通り揃っているはずですので必要に応じて使えると思います。長い時間をかけてコツコツ揃えて来たものです。

【制作】
 アイディアを拡張・増幅して世界観を広げます。集中し過ぎてもぼんやりし過ぎても良くないようで、心理状態や体調のコンディションに左右されるので自分自身のチューニングを心がけます。何より素材としてのアイディアやイラストや写真などを如何に再構成・再構築するかということです。逆に言えば、写真やイラストなどを単体の作品として成立させるには深みや広がりが必要不可欠ではないかと思うのです。

 写真を撮れば誰もがカメラマン。
 執筆すれば誰もが文筆家。
 絵画もイラストも漫画も…。

 誰もが簡単に始められる時代だからこそ重要なのがオリジナリティなのでしょう。

《漫画》
 ラクガキから展開する場合もありますが、この一年を振り返ると、ボクの場合はアイディアからまず文章を書き起こした方が骨子が明確になるようです。言葉で説明していたことを作画する際に「言葉→絵」に翻訳する必要があります。ここで世界観が整理され文字で表現出来なかった雰囲気を加味します。

【公開】
 noteのノートは公開後も加筆・修正が可能ですから、公開する際もバージョンアップやシリーズ化を視野に入れています。
 漫画であればイラストを公開しつつ、後でストーリーを構成し直したり小説やシナリオを公開してイラストや挿絵を追記して行く方法も考えられます。もちろん他のジャンルも同様に考えることが可能だと思います。
 これは公開後の作品を「過去の産物」として風化させないための工夫でもあり、成長過程を楽しんでいただくための方法でもあると思っています。
 その作品に要した時間を無駄にしないことの意味も大きいですし、フレッシュな発想は時を経て熟成されることもあります。積み重ね、蓄積し、精錬し、作品として行くには継続が大切であることは言うまでもありません。

 最も心配なのは忘却でしょうか。作者が忘れてもネット上には残っているわけですね。今回1年前を回顧していて改めて思い出すことも多く、今後の糧として忘れないようにはなくてはならないと思い直しています。

【目的】
 目的は鑑賞した人の心にイメージを届けることです。それはおそらく書くことも撮ることも描くことにも…あるいは、演奏することや唄うことにも共通するでしょう。
 ウケ狙いとは少し意味が違います。ウケるかウケないかは心に届いた後の状態だと思うのです。自己満足に陥らないために誰かの心のキャンバスにどんな世界を描くのか想像することが大切だと思っています。
 そして何を届けたいのか。
 思慕とか悲哀とか幸福感とか…そんな漠然としたものでも良いのだと思います。得意な方法で、あるいはスキな方法で良いのです。まずは心に届けること。善し悪しはその先。

 ここで、発想から公開まで現在の制作スタイルをフローにしてみました。
 発想から始まってnoteへの公開ヘ公開するまでどの道筋を通るかによって作品のジャンルが違って来ます。最初の閃きを効果的に伝えられる最善の方法を選んでいるつもりです。

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 noteも一年を過ぎて、活動を継続するのが難しい場合もあるでしょう。それで休止することがあったとしても再開するときの為に出来るだけのことはしておきたいものだと思うのです。

 この一年の出会いに感謝。
 そしてこれからもよろしくお願いいたします。

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もくじ |  随想

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