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30名の社会人が来たアート探究の最終授業と、「教育機関の役割」の仮説

どうも、神戸市のイノベーション専門官をしながら、関西学院高等部で高校3年生選択授業「アート探究」の織田です!

今年から関西学院高等部で持たせていただきました3年生向けの選択授業としての「アート探究」授業17回目最終回を終えました!

織田の思いは生徒たちに下記のnoteの形で共有しました。

生徒自身、扱いが困るほどの自由な場

生徒たちに伝えたかったことは

・感じて、考えて、行動する

・社会の大人も間違っている。みんなフラット

・この時代だからこそ、自分の考えを

・周りも自分も疑い、信じ、更新する

・自分の中にサンクチュアリを持つことの強さ

・その結果「勝手にすること」は自分の個性の1つ

・それを続ければ個性を生かしたスキルもついてくる

・それで身の回り、社会、世界に還元、貢献してほしい


ということを伝えました。

関西学院高等部の3年生、アート探究の生徒たちは、本当に吸収する力、アートとは?と考える力、そして今回織田の授業は「扱うのを戸惑いぐらいに自由な場」というスタイルの授業をしました。

ただ、社会なんて実際ただの荒野。

でも、自分で自由を扱う力が結局問われる中、それを教育機関で学ぶ機会ってかなり少ないと思っております。

そして、逆に、が故に、本当はもっと最初は、自由だけでなく、こちらで4つ5つとコンテンツも用意していて、そこからじわじわならしてから自由創作に写ろうと思っていたけど、

生徒たちから毎回感想を集める中で
「この生徒たちなら、自由な場でもやっていけるかも」
と思い、1〜2ヶ月早く


「みんな何してもいいよ!作りたいもの作ればいいし、そのためにたくさん大人連れてくるから相談して一緒に作ろ!」


というスタイルの授業にしました。


その結果今回最終の授業でいただいた感想は

添付の画像のような言葉たち。


・毎回色んな社会人が来て、色んな生き方について考えさせられ、普段大人と出会わないので、価値観が広がった

・自由な時間の楽しみ方を学んだ

・自分の楽しいを大切にしたいと思った

・アートは、絵だけじゃなくて、自分の表現と自分の中にあるものだと思った

・思いつく、とつくる、の差を感じた

・もっと勉強したい!と思った

・1週間のうちの1番の楽しみになっていた

・この授業があるとワクワクした

などの言葉をいただきました。


自由は扱うのが難しい。これは織田も個人としても思うし、この授業を持つ講師側としても一緒。だからこそ授業を作る上でも色々と悩み、工夫を重ねましたが、1年目を終えて、また来年さらに良い授業にできそうでワクワクしています!


■自分の中にサンクチュアリを

なんか華やかしいことを取り上げたり、華やかしいものが目立つけど、そんなものはどうでもよくて、メディアはわかりやすいものを扱い、

情報リテラシーが低い人はそれに飛びつく。


だからこそ、わかりやすいとかじゃなくて、「そもそも」を考え、自分で「感じて、考えて、行動する」、


そして自分の中に楽しみを見出し、勝手にやって、個性に合ったスキルをつけて、社会に貢献し、社会を楽しく生きてほしいと思っています。

■生徒からフィードバックをもらう

あと、今回、毎回、17回、生徒たちから意見や感想をもらいました。

面白かったことだけでなく、毎回「織田への要望」ももらいました。

織田が「教育」と言われるジャンルに足を踏み入れたのは2019年から。


小学生向けの習い事が集まる教室。そこでスクール長をしつつ、自身で、コンテンツをお借りして行う算数と、自分でコンテンツから作るアートの授業をしました。

習い事は「面白くなければ解約される」ため、面白さ、学びを高める仕組みになっていると思います。


ただ、学校の多くは生徒からフィードバックや生徒から評価を受ける、という構図はない。モチベーションの高い先生は高めていきますが、そうじゃない人やモチベーションを保ちづらい環境の先生は、上記構図の中だと「授業をよりよくする」ためのインセンティブはないと思っています。


さらに学校の先生の97%は教育機関以外の社会での仕事を経験せずになる、と聞きます。


そうなると、より一層、社会からの乖離や、生徒のニーズから離れた授業もできてしまう。これは日本の持つ教育の根本的な課題だと思っています。


その構図自体もめちゃくちゃ意識しています。


また、織田も織田で結局1人の人間。

こうして自身の思いを発信するも、それも1つの偏り。


が故に、今回、尊敬できる信頼できる大学生や社会人に17回の授業で30名に来てもらいました!


■仮説としての「雑談というキャリア教育」


今回生徒からの「この1年間で一番面白かったこと」「学んだこと」でいただいた意見で一番多かったのは

「色んな社会人に会えたことで価値観が広がった」でした。


織田は「教える」というのはあまり効率的でないと思っており、だからこそ「みんなが自分で学びをとりにくる=探究」だと思っており、


そのためにやっていることはただただ、機会や選択肢をたくさんあるフィールドを用意することです。


結果、30名来てもらいながらも、それら全員にただただ生徒と雑談をしてもらったり、生徒が作りたいものに対して助言があればしてほしい、というだけでした。


(お越しいただいた皆さん、本当にありがとうございます!)


こういった色んな素敵なキャリアと色んな生き方と接する、当たり前に感じる、身近になる、


これが結果、生徒たちが自身の人生で色々考える際に、ファっと思い出して、より良い選択ができる種になればいいな、と思っています。


来年はまた4月から、ぜひ他の皆さんも、興味あればコメントやメッセください!^^


人数によるので、最終はその時の授業に合わせて織田で判断で恐縮ですが、ぜひみなさんを来年の生徒たちに、紹介させてください!^^


■教育機関の役割としての「安全なプレ社会」「ファミリー」というフィールドとコミュニティ


そんなこんなで色々日本の教育に対して、織田はしたいことがまだまだたくさんあります。


織田は個人活動、行政、学校での講師と民・行政・教育機関を同時に足をつっこんでいまして、が故にそれぞれの役割について強く意識をします。


そこで、この少子化時代でVUCAな世の中で「学校の役割ってなんだろう?」というと、


ある意味「コミュニティ」=アイデンティティの一部を共有する世代を超えたファミリー。


そしてそれが故に、世の中変な大人もいるし、金に目が眩んで倫理観がない人もいると思うけど、


そういう人たちからは一線置いて、


学業から社会に接続する手前の「プレ社会」だと思っています。


学校への愛、愛校心を源徳とした、プレ社会コミュニティが、学校の1つの役割なんだと思います。


その後の「お金になる」ことは民間が。

その間にある「お金にならないけど、社会で必要なこと」は行政だったり、それぞれの「共助」によって起きるんじゃないかな、と思います。


■この1年(授業外、私生活を含め)で一番学んだこと、一番面白かったこと

上記にも書きましたが、今回この授業は生徒たちにとって1週間の楽しみになっていたという感想ももらいました。
同時に、文化祭やステージなどの晴れ舞台が一番楽しかったという意見もありました。

コロナで本当に色んな機会が見直され、止まり、また動き出しています。
そんな中でもこのような自由度が高く、ある種マインドチックな授業をさせていただいている関西学院高等部には感謝してもしきれません。

生徒たちの学校生活含め、コロナの影響は少なからずあると思います。
Z世代やその次の世代、それぞれ全く異なる環境で学校生活を送り、また違う価値観を持つ子たちが増えると思っています。

それら全員の個性、世代としての習慣、多様性、それらが活かされる世界、「世界全員アーティスト化計画」に向け、引き続き精進していきます!

1から17回目までのダイジェスト授業のスライドまとめ


アート、教育、探究、子育て、生き方。アーティストとして、スクール長として、本音しか書きません!