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息子の絵の優しさ
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夜、息子とある動画を観ました。僕が車椅子に乗った父親に、絵画作品を説明するシーンです。
息子は「このおじいちゃんがパパのお父さん?」と興味深そうに観ていました。そしておもむろに絵を描き出しました。
「パパのお父さんが、立てるようになって、パパにリンゴをあげてるんだよ」。
確かに、ツルツルの頭の人物がリンゴを持って渡そうとしてます。しっかりとした線で足を書いてます。
優しい子に育ったなぁと思い、感動しました。
それから、家や義母やママや自分を描きました。
父親と息子は、生後8ヶ月くらいのときに一度、施設で会いました。
脳梗塞で半身不随になり、言葉を失っていた父ですが、震えながら愛おしそうに抱っこをしていた姿を、今でも忘れられません。あんな笑顔は、人生で最初で最後なんじゃないでしょうか。じんわりとにっこり微笑む顔・・。あれは仏様の顔でした。
あのエネルギーが描きたくて。人それぞれに備わった最も純粋な衝動が「愛」です。相手を慈しむ気持ち。あのエネルギー。
そして、改めて思います。絵を描く上で、うまいとか下手とかではなく、何を表現したいのか。大切なことですね。
新幹線ばかり精度が上がる息子の絵も、こうやってあたたかなものを表現できるくらい成長したんだなぁと思うと、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
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