【大吉原展】見どころと音声ガイドをご紹介します
季節外れの寒さを乗り越え、ようやく桜が花を咲かせ始めましたね。
東京の桜の名所の一つである上野では、お花見とともに展覧会を楽しむ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、先日東京藝術大学大学美術館にて開幕した「大吉原展」のご紹介をします。
江戸時代、幕府公認の遊廓として存在した「吉原」。
人工的に作られた小さな町で、四方を板塀で囲まれ、俗世とは隔絶された別世界でした。
そこは洗練されたファッションに身を包み、高い教養を身に付けた遊女にもてなされ、かりそめの恋愛を楽しむ場所。
訪れる客にも、身分に関係なく「粋」であることが求められました。
また、春には桜の木が植えられるなど季節ごとの行事が贅沢に演出され、昼には見物客も訪れる観光地でもあったのです。
その「非日常」に多くの人々が魅せられ、吉原は約250年にわたり続きました。
その長い歴史の中で、吉原には名だたる文化人も多く集まり、書、和歌、音曲、茶の湯、ファッション・・・枚挙にいとまがないほど、実に多様な日本文化が花開きました。
江戸時代の文化の集積地であった一方で、その華やかさを支えていたのは、前借金の返済のために身売りを強いられた女性たちでした。
自由意志で逃れることもできず、更には暴力や客から移された病気などによって、若くして亡くなる女性も少なくなかったのです。
華やかな文化の裏には、そうした人権侵害にあたる制度があったことを忘れてはなりません。
この展覧会では、吉原にまつわる美術作品を国内外から集め、吉原の美術と文化を歴史的に検証しています。
展覧会は、「入門編」「歴史編」「体験編」の三部構成となっています。
「入門編」と「歴史編」で、吉原とはどのような場所であったのかを豊富な資料や作品とともに通覧し、いよいよ「体験編」。
「体験編」の展示室では、吉原の五丁町が再現されています。
当時の空気感が味わえる空間、ぜひ会場でご覧ください。
ワズワース・アテネウム美術館や大英博物館からの里帰り作品を含む、貴重な作品の数々は必見です。
音声ガイドのナレーターは沢城みゆきさんと槇大輔さん
鑑賞のお供として、より理解を深められる音声ガイドがおすすめです。
今回、ナレーターとして声優の沢城みゆきさんと槇大輔さんにご出演いただきました。
吉原の文化や、作品にまつわる詳細な解説について、分かりやすくお話しています。
作品解説のほか、この展覧会のために東京藝術大学の音楽学部邦楽科 東音味見純教授が演奏をした「闇の夜」(長唄『揚巻』より)を収録しています。
歌舞伎「助六」で、三浦屋の遊女・揚巻が登場する際に演奏される曲です。
こちらは、お好きな場所でお聞きいただけます。
(おすすめは「体験編」の展示室内です!)
ぜひ、楽曲とともに作品世界を味わってください。
スマホアプリ「いつでもミュージアムトーク iMuT」でも配信中!
音声ガイドは、スマホアプリ「いつでもミュージアムトーク iMuT」でも配信しています。
展覧会の開幕期間であれば、何回でも視聴可能です。
展覧会図録とともに、お家でゆっくりお楽しみいただくこともできます。
ぜひご利用ください。
事前にダウンロードしてからご来館いただくと、スムーズにご利用いただけます。
≪ダウンロードはこちらから≫
※お使いのOSのバージョンや機種によって、ダウンロードできない場合がございます。
※会場内でご使用の場合は、ヘッドホンもしくはイヤホンをご持参ください。
【展覧会概要】
大吉原展
会場:東京藝術大学大学美術館
会期:2024年3月26日(火)~5月19日(日)
※会期中、展示替えがあります。
前期:3月26日(火)~4月21日(日)、後期:4月23日(火)~5月19日(日)
音声ガイドも一部の作品が変更となります。
展覧会HP:https://daiyoshiwara2024.jp/index.html
※聴覚のご不自由なお客様へ、文字原稿の貸出を行っております。音声ガイドカウンターにてお申し付けください。
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