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表現と祈りの話をします。最近はAIも

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「UXリサーチのAI化」について考える

近年、人工知能(AI)技術の飛躍的な進歩により、多くの分野でAIの活用が進んでいます。特に、UX(ユーザーエクスペリエンス)リサーチの領域でも、AIを用いた新たな手法が注目を集めています。 しかし、この動きに対して業界内では大きな反発も見られます。一部の専門家は「UXリサーチは生身の人間との対話が不可欠であり、AIでは代替できない」と主張しています。 しかしながら、私は現在世の中で行われている"UXリサーチ"は完全にAIで代替が可能になると考えています。それがいつ実現する

    • 多次元的UXについて | AI時代のUXのコンセプト

      今日は次世代のUXないしAI時代のサービスのキーワードとして「多次元的UX」あるいは「UXの多次元化」というコンセプトがあるのではないか、というお話です。 初めに伝えておくと、今日の話は私の中でもまだ模索中であり、すんなりと理解できる文章に落とし込めたとは言えません。 そして同時にこれらは新しいコンセプトではなく、すでに世界に存在しているコンセプトとも言えます。そこに自分が名前をつけたものとなります。 この多次元UXはAIと親和性が高く、おそらくこれからの時代のスタンダー

      • 課題図書を読んで | メッシュワークゼミ 3期

        メッシュワークゼミの合宿を終えた後は、課題図書を読むこととなっていた。課題図書なんて言われたのは中学生以来だと思いつつ、3冊の本を読むこととなった。 この記事はそれらの本を読んでの感想であり、あるいはみんなとのディスカッションの中で感じたことである。 あまり整理されてない雑多なメモである。 1.『人類学とは何か』ティム・インゴルド 著(亜紀書房)インゴルドのことは、ラトゥールのANTなどを下地とし、生物社会的存在や、関係論的存在論を提唱した人類学者として認識している。ラ

        • "問い"を立てる力は「プロンプト」よりずっと大事 | "問いの誤謬"を防ぐには

          昨今AIの使い方で1番注目されることといえば、もっぱらプロンプトエンジニアリングだと思っています。 (APIとかRAGとかは一部のAIオタクが使っていれば良い) さて、みんな「どのようにプロンプトを書けばいいか」に躍起になっていますが、実はその視点でAIに取り組んでも成功することはあまりありません。 なぜかというと、AIへの指示においてプロンプトは最後の言葉作りにすぎず、本当はそれより前にもっと大事なことがあるにも関わらず、(おそらく)多くの人はそれを見過ごしているからです

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        • Design,AI,UX
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        • Reflection of I.
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          6本
        • 生きづらく生きる
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          5本

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          インタビューで「ニーズ」や「潜在ニーズ」を探るからサービスが失敗する

          今日は「ニーズ」「潜在ニーズ」という言葉についてです。 というのも、どうも最近色んな人と話していると、自分と「ニーズ」という言葉の使い方が違うな…と感じており、そこに対して言語化してみました。 さて、「ユーザーのニーズを理解することがプロダクト開発の鍵である」という考え方は、広く受け入れられています。 で、ユーザーにニーズを理解する手段としてインタビューなどがあると思います。 しかし、ユーザーインタビューを繰り返しても期待した成果が得られない経験はありませんか? それはもし

          インタビューで「ニーズ」や「潜在ニーズ」を探るからサービスが失敗する

          知識を地続きで語る:初学者に何かを説明する際の抽象的で汎用的なTips

          最近、UXにしろAIにしろ初学者に説明する機会が増えてきました。 そんな中、どうやら何かしらの知識を初学者と話す際に使える汎用的な原則があるらしいぞ…ということに気づいたので、それをTipsとしてまとめました。 それは、知識とは「地続き」に語らなければいけないということです。 あるいは学ぶときも。 というわけで、今日は「知識を地続きで語る」というアプローチについて考えていきます。 「地続き」の概念まず「地続き」とは、文字通り地面が途切れることなく続いている状態を指します

          知識を地続きで語る:初学者に何かを説明する際の抽象的で汎用的なTips

          AIの回答の「どことない気持ち悪さ」に関する走り書き

          しばらく前から、「どのようにUXリサーチをAI化することができるか」について考えているのです、現時点で自分の中で得られた洞察を一旦まとめました。(誰得まとめ?) AIの思考プロセスの人間との違い、AIの身体性の無さについて書いています。 1.思考プロセスから考えるAIの回答の違和感まず最初は思考プロセスの違いです。人間は樹木のように回答が構成され、AIは面で回答が出力されるイメージです 1-1.人間の思考プロセス:樹木構造 私は、人間の思考プロセスを「樹木構造」として解

          AIの回答の「どことない気持ち悪さ」に関する走り書き

          "意味"だけが重要になる | AI時代のUXとmoatを考える

          はじめにAI(人工知能)の急速な発展は、私たちのビジネスや日常生活に大きな変革をもたらしています。この変化の中で、UX(ユーザーエクスペリエンス)の重要性が一層高まっていると多くの人が感じているでしょう。しかし、AIの進化は単にプロセスの効率化にとどまらず、ビジネスの本質的な在り方そのものを根本から変えつつあります。 この変革の波は、私たちデザイナーが慣れ親しんだ「サービス/プロダクトのUX」といった議論の枠をはるかに超え、より大きなスケールでの思考を私たちに要求しています

          "意味"だけが重要になる | AI時代のUXとmoatを考える

          問いを持つことと主観的に入ること | メッシュワークゼミ 3期

          先週の土日、8月24/25日は、メッシュワークのゼミで、静岡県三島にフィールドワークに行った。 メッシュワークは2人の人類学者によって設立された会社で、参与観察などの人類学的手法を用いて組織や個人に新たな視点と思考法を提供し、イノベーションや人類学者の目」を育成をミッションとしている。 ここ7,8年、自分にとって人類学は興味のあるテーマであり、 特にここ1年、片手間に勉強するのではなく、より積極的に文化人類学を取り入れねばと思っており、これを機に何かしらの解を得られればと、

          問いを持つことと主観的に入ること | メッシュワークゼミ 3期

          アーギュメントと意味のイノベーションにおけるビジョンの関係性を考える/「まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書」を読んで

          今回はアカデミックライティングの発想と意味のイノベーションないしプロダクトサイクルの親和性が高い、というお話です。 兼ねてより自分のデザインにはアカデミック・ライティングの影響が強くあると感じていましたが、なかなかそれを人に伝えることができませんでした。その上でつい先日アカデミックライティングに関するとてもいい本が先日発売されたので、感化されてこの記事を書いています。 自分の中でもまだきちんと言語化できたことは言い難いですが、折に触れて整理していきたいと思っています。 まず

          アーギュメントと意味のイノベーションにおけるビジョンの関係性を考える/「まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書」を読んで

          UXが出来ることはみんなのイメージより遥かに多い / UXデザイナー,PdM/PO,CXO,CUXOについて考える

          AI(人工知能)の急速な発展により、私たちのビジネスや日常生活は大きく変わりつつあります。この変化の中で、UX(ユーザーエクスペリエンス)の重要性がこれまで以上に高まっています。しかし、UXの本質や可能性について、十分に理解されていない部分も多いのではないでしょうか。 UX(ユーザーエクスペリエンス)はUIの単なる改善ではなく、サービス全体を通じたユーザー体験の設計と最適化を意味します。真のUXデザインは、プロダクトだけでなく、企業戦略からマーケティング、セールス、オペレー

          UXが出来ることはみんなのイメージより遥かに多い / UXデザイナー,PdM/PO,CXO,CUXOについて考える

          【海外記事&考察】UXデザイン5段階モデルを現代的再解釈する

          かねてより自分が感じている「UXデザイン5段階モデルは単にデザインプロセスを可視化したものであり、企業やユーザーというものとの関係性が抜け落ちているのではないか」という疑問に対して非常に良いアプローチで再構築している記事を見つけました。 今回はその記事の翻訳、そして私の解釈と考察になります。 ※本記事の翻訳および図の利用は執筆者への許可を取った上で行なっています 記事:UXデザイン5段階モデルの現代的再解釈/The elements of product designプロ

          【海外記事&考察】UXデザイン5段階モデルを現代的再解釈する

          文章とは「切り口」である/なぜAIに書かせたブログがしっくりこないのか

          はい。最近AIの話だらけですね。そろそろアートの話もしないとなと思っている日頃です。でも今日もまたAIの話です。 さて、皆さんは文章を書く際にAIを使ってますか? 最近自分は7~8割ぐらいをAIに委ねています。当然自分で書いている部分もありますが、AI化でどんどん楽になっています。 AIを使えば効率的に文章を生成できるため、今後多くの人がAIでブログを書いていくでしょう。 しかしながらいざ実際書いた人は、AIでブログを書くのは難しいと感じているのではないでしょうか? 例えば

          文章とは「切り口」である/なぜAIに書かせたブログがしっくりこないのか

          ありとあらゆるこの世の全ての仕事をAIにやらせるにはどうしたら良いのか?

          ありとあらゆるこの世の全ての仕事をAIにやらせて楽したいですよね。 今回の問いは下の2つです AIにやらせられる-やらせられない仕事は何によって決まるのか? (単なるプログラミングが得意-なんとかが苦手のようなタスクベースではなく、もっと抽象論として) やらせられる-やらせられないの差が分かれば、意識的にそのギャップを埋め、AIの機能を拡張していくことでができるのではないか? サマリー(長いので) 本編-なぜAIに任せられるタスクに限界が生じるのかそもそもなぜAIに

          ありとあらゆるこの世の全ての仕事をAIにやらせるにはどうしたら良いのか?

          なぜ「AIでUIデザインできる!」と言うとデザイナーに怒られるのか / 非デザイナーのためのUX×AI

          昨日、元木さん(https://x.com/ai_syacho)の生成AI塾 でUXについて講義をしました。ご参加いただいた方はありがとうございます。 この講座などを通じて、私はUX界隈が思っている以上にみんなはUXの事を知らず、かといってUX界隈はUX界隈で開かれたコンテンツはあまりもっていないことを改めて認識しました。 ところで昨今のUXとAIの議論の一つに「UIはAIでデザインできるのか?」というものがあり、UX界隈-非UX界隈で見解が異なるように思っています。

          なぜ「AIでUIデザインできる!」と言うとデザイナーに怒られるのか / 非デザイナーのためのUX×AI

          "課金設計"がUXに与える負のインパクトについて考える

          ここ1,2年ゆるゆると考えていたテーマで、課金設計がサービス体験を良くも悪くもするのでは?という疑問に関して、ある程度考えがまとまってきたので書いたものとなります。 さて、今回は一般的なアプリやサービスにおける課金設計について考えます。 いうまでもなくサービスを存続させるのはお金であり、サプライヤーにとって課金設計-いかにお金を払ってくれるかというのは悩みのタネであると思われます。 一方で、課金設計のあり方がUXに負のインパクトを与えていると思われる事例もいくつかあるので、

          "課金設計"がUXに与える負のインパクトについて考える