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夢は正夢、忘れられないサヨナラ

きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

人生において未だかつて、こんな悲鳴?絶叫?をあげたことがあっただろうか。

WBC 準決勝、伝説に残る村上選手のあのサヨナラを私はロンデポパークの一塁側内野席で体験した。

外野に高く上がった球を目で追いそれがポトリと落ちた瞬間、自分でも驚くほど絶叫していたのだった。
2塁にいた大谷翔平、1塁の周東佑京がまもなくしてホームベースを踏んだシーンの記憶は定かではない。

隣の席の方とハイタッチから思わずハグをして再び視線を戻した時には選手たちが水浸しになっていたのだった。

その後のことは私がここで語るまでもないだろう。

何をどうここに残したらいいのか、全くまとまらない。
ただただ、いまだに余韻に浸っている。

いっそマイアミ行っちゃう?


アメリカ駐在話が飛び込んできた昨年10月「いっそマイアミのWBC 決勝戦を見に行こう!」半分本気、されど半分希望的にそんな計画をたてはじめた。

その時はアメリカ生活がどのように立ち上げられるかも未知だったため、実際に観戦チケットと航空券を探し始めたのはWBCの1ヶ月ほど前、予選リーグが始まる直前だった。


さて肝心の観戦チケット。
公式サイトでは完売ながら、リセールサイトではかなり高額の値段設定だったものの、在庫は多数あったため、意を決し1塁側内野席のチケットを購入した。

国内移動とはいえ、マイアミは遠い。
航空券を確保し、宿も予約した。

夫の仕事日程の都合上、準決勝2試合しか見られない。それでも行けるだけいいではないか!

あとは順調に1次ラウンド、準々決勝ラウンドを勝ち抜くことを信じるのみだ。
日本時間夜7時から始まる試合は、こちらでは早朝となる。連日早起きで、テレビの前で待機した。


たくさんの日本人、そして異国で聞く君が代


日本対メキシコ戦の試合開始3時間半前に球場へ向かう。
情報によると開場は3時間前とのこと。

一体どのくらいの日本人がマイアミのローンデポパークを訪れるのかと思ってていたが、実際にはここは東京ドームかと錯覚するほどたくさんの日本人がいたのだった。

開場前から並ぶのは日本人ならではなのかもしれない。
だからこそ日本人しかいなかったともいえるけれど。
(メキシコの方々はそんな早くから並ばないよね。)

事前に荷物をコンパクトにまとめ、ルール通り透明袋をしっかり準備している日本人の列はセキュリティチェックもスムーズで、スイスイと中に入ることができた。

そして球場に入るとちょうど日本が練習中。

間も無くして打席には大谷翔平が立った。
フリーバッティングでバンバン3階席まで飛ばす。
その度会場内がどよめいていた。

フリーバッティング中の大谷翔平

そうこうしているうちに、あっという間に試合開始時刻を迎える。

メキシコの陽気な国歌に続き、日本の君が代を聞く。
鳥肌が立ち、すでに涙が出てきた。

地鳴りのような歓声に圧倒される


アメリカでの野球観戦はこれが初めてであるため他球場とは比較できないが、ドーム型球場に響く地鳴りのような応援の声は恐ろしいほどだった。

実は前日のアメリカ対キューバ戦も観戦していたのが、終始大歓声が響き渡っていた。
特にUSAコールが起こった時には耳が潰れそうなほどの音量と圧力で、会場全体が飲み込まれる。
   

アメリカ国内には多くのメキシコ人が住む。
よって準決勝はほぼメキシコのホームゲーム状態だった。

会場内に流れる音楽もいつもメキシコの曲のようだった。
それに合わせて彼らは終始踊り歌い、会場内のメキシコ応援団は一体となっている。
(メキシコ応援の人々皆が知っている曲を流すなんてずるい!と思ったのだった。)

私たちの席の前後左右にもかなり多くの日本人がいたが、メキシコの一人一人の応援がエネルギッシュ過ぎて圧倒されっぱなし。
隣との会話もままならないほどのメキシコ応援団の歓声だった。

外野の日本応援団のトランペットと応援歌の音はすっかり遮られ、内野にいる私たちには途切れ途切れで微かに聞こえる程度だった。せっかく選手の応援歌を現地で歌おうと思ったのに、全く合わせられない。
後にテレビで試合を見返したが、あの会場をつんざく球場全体の歓声は現地で体感したほどには拾われていないようだった。


歓喜の同点ホームラン、そして奇跡のサヨナラ

試合は劇的な展開で、何度も息を呑み、ため息をつき、鳥肌が立ち、そして絶叫した。7回の吉田正尚の同点ホームラン、そして村上宗隆のサヨナラ・・・

もう喉はガラガラで、へとへとだったがその感動は未だかつてないものだった。
試合後は近くの席の方が一緒に写真を撮りましょうと声をかけてくださり、喜びと感動を共有し、球場を後にした。

いつまでも余韻に浸っていたかったけれど。

そして迎えたアメリカとの決勝戦。
夫の仕事の予定があったので、残念ながらこれは家で見ることになった。それでも前夜の感動を纏いながら、テレビの前で優勝の歓喜に酔いしれた。

日本ではどのチャンネルも特番でもちきりだろう。
ありがたいことにYouTubeや各種SNSでさまざまな映像がリアルタイムで配信されてくるため、それを追いかけながら未もなお余韻に浸っている。

ファイターズファンとして


超個人的な余談だが、実は私は日ハムファンだ。
一人で外野席で応援することもある。シーズンが始まれば、野球専用のTwitterアカウントで、ワーワー言っている。

今回の侍JAPANの監督は栗山英樹さん。
前日本ハムファイターズ監督である。
そしてコーチ陣もまたファイターズ時代の栗山監督を支えてきた面々が脇を固めていた。

テレビに映るベンチは2016年日本一になったあの時を思い出させた。 


大谷翔平が日本でプレーした最後のシーズン、怪我する直前のオープン戦東京ドームの外野でホームランを目の当たりにし、そして渡米直前会見が札幌ドームで行われた際には、運よく帰省と重なり現地で見ることができた。

栗山さんと大谷翔平が並び、球場の真ん中で記者会見が行われた。二人はキャッチボールをし、そして旅立つ姿を見送った。そして2023年、WBC世界一の夢を共に叶えたのだ。

水原一平さんのInstagramより
チームファイターズ。
このうち、チームに戻ってくるのは伊藤大海投手ただ一人(涙)

北海道では幅広い年齢層の人がファイターズを応援し、私たちくらいの年代以上の多くの人が野球選手というよりも、息子を見るような気持ちで見守っている。
だから、ファンというよりも遠い親戚のような感覚だ。それは大泉洋を見守るのとちょっと似ているかもしれないと、個人的には思っている。


その後、帰国した栗山さんの顔は心なしか潤いを取り戻し、ふっくらと穏やかだった。
これから当分の間はメディアに引っ張りだことなるのだろう。ゆっくり休ませてあげたいが、たくさん栗山さんの話も聞きたい。北海道の自宅に帰れるのはいつになるだろうか。その時はまた北海道が熱気に包まれるに違いない。


間も無く日本のプロ野球も開幕を迎える。

スマホの写真データの奥底から発掘してきた

#WBC観戦記


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