【靴屋の小話】アウトソールが出来るまで
こんにちは、blueoverチームのzuccoです。
今週末を過ぎると、急に寒さがやってくるそうですが、まだ本格的な衣替えを済ましていないので、戸惑っています。ふわふわもこもこのラグを敷いてほんとに大丈夫だろうか、、と今日も出すのをためらってしまいました。
さて、今日の本題です。
アウトソール、加工底ができるまで。
主に、アウトソールには2種類ある
素材はいろいろありますが、量産時に使われるアウトソールは主に2種類あります。
・成型底
・加工底
例外はオーダー靴などでしょうか。底材をそれぞれ切りだして、底付け作業と合わせて加工することが多いので、上記のどちらも採用できない場合があります。
成型底とは
成型底とはアウトソールのカタチの金型に材料(ゴムやウレタン、EVAなど)を流し込み、焼いたり、膨らましたりして作られます。金型をデザインやサイズによって用意することが多く、初期費用が高めですが、生産効率がよく、短時間でたくさん作ることが可能。長靴やバルカナイズ製法の靴の底も成型底の中の一種です。
blueoverではないのですが、わたしが立ち上げたAROAというレディースの靴ブランドではナースシューズに使われるウレタン成型底を採用しています。底を工場さんに発注すると、加工底と比較し、すぐに出来上がってきます。クッション性にも問題なしです。
素材は一つの素材で作られることが多いです。(成型底で作られたパーツを何個か貼り合わせている靴もあります。リーボックのポンプフューリーを思い出します。。3種類くらいの材料で、いけつかのパーツが合わさって出来てたような。。)
ビブラム社の有名なソールユニット#1136も(素材はVibramTrontというブランド独自の配合のものですが)成型底ですよね。
加工底とは
blueoverで使用しているアウトソールは加工底です。
※注意※
ここでいうアウトソールは底つけ工場さんが、底材として認識しているユニットのこと。
スニーカーソールのEVAパーツはミッドソール、ラバーがアウトソールという場合もある。
わたしも以前ミッドソールとアウトソールを分けて説明させてもらいました。
加工底といってもいろいろあります。革底のユニットを作ることも加工底です。
今回は私たちの加工底の作られる流れを写真とともにご紹介します。
①靴底のデザインの種類やサイズごとに、抜き型を作成し、EVAのシートとラバーのシートを裁断します。
ラバーの模様など、裁断は同じ模様になるよう、同じ方向で。取り勝手も考えながら。
②接着テストをした後、①で裁断したEVAとラバーを貼り合わせます。
ウェッジ(ヒール)がある場合は、EVAがかかとが高く前が薄くなるように、シートが傾斜になっていたり、2枚重なっていたりします。
③アウトソールのゲージにあわせて、バフで余分な部分を削ったり、側面をきれいに整えたり、角度(フレア角)をつけたりします。
手作業が多く、職人さんの技が光ります。
ひとつひとつ手間がかかるので、納期は長め。
あとがき
成型底も、加工底も、アウトソールはとてもシビアな設計です。1mm単位でも大きければ、靴の底付けの際に貼りあわせの感覚がズレます。また、もちろん出来栄えも変わってしまいます。
ですので、底のサンプルを作る場合は、加工底屋さんはもちろんですが、底付け工場さんとも細かい打ち合わせが必要です。底付け工場さんそれぞれに癖も違うので、量産をお願いする工場さんに直接のご相談をします。
何度もサンプルを作って底付けして、サンプルを作って、底付けして、を繰り返して。
やっと新しいモデルに採用していきます。
さて、いかがでしょうか。
今、新しいアウトソールを模索中です。
4日前くらいにファーストサンプルがやっと上がってきて、
まだまだ修正は必要ですが、とても良くなりそうです。
春にお目にかかれるよう進めていきますので、お楽しみに〜。
では、本日も読んでいただいてありがとうございました!
zucco
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