小説・成熟までの呟き 39歳・2

題名:「39歳・2」
 2029年秋、美穂は30代として最後のオリーブの収穫を迎えていた。美穂達は、ホームページのイラストを依頼している和子を収穫に誘った。当日は日曜日で、和子は自分達の家族を連れてきた。子供達はオリーブの実に初めて触れるみたいで、ワクワクしていた。和子の夫も、楽しそうに参加していた。収穫作業が終わった後、美穂の夫の康太と和子の夫が2人で話す機会があった。和子は、イラストを描く仕事をしてからは以前は暗かったものの、イキイキとするようになったという。康太は、「仕事を任せられてそれができれば、人って元気になれるのかもしれません。」と言った。帰り際、和子は「本日はありがとうございました。家族で、楽しい時間を過ごしました。今日の経験を、今後描くイラストに吹き込みたいです。」と言った。美穂は、「家族で楽しい時間になったならば、幸いです。今後もよろしくお願いします。」と言った。美穂と和子の関係も一層深くなっていく。

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