20歳

 2008年、私は成人式を迎える時期になった。しかし、いじめられて地獄だった中学校のある埼玉県の成人式には出席せず、楽しい学校生活の思い出があった岐阜県の成人式へ向かった。出席はできなかったが、当時の知人と再会して嬉しかった。もし岐阜県の小学校をそのまま卒業できていれば、あんな惨めな思いはしなくて済んだのだろうと思う。そう思うほど親が憎くなる。3月1日に、遂に20歳になった。当時は日々家庭崩壊後の家庭問題の処理に追われていた。父親も実の母親も妹も自分勝手で、皆敵のようだった。私にはこの年開催の北京五輪を観戦しに行き、海外デビューするという計画があった。しかし、当時家庭問題で混乱していた影響で戸籍謄本が取れず、パスポートが取得できなかったため、実現できなかった。成人のタイミングでそれができなかったことをいまだに悔やんでいる。そのことが引きずり、一層くよくよしやすくなった。自分にはもともと魅力がなかったが、一層惨めな気持ちになった。秋にはリーマン・ショックがあり、世の中自体も悪くなっていった。成人した頃は、私にとって2番底だったのである。

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