小説・成熟までの呟き 30歳・2

題名:「30歳・2」
 2020年秋、美穂と康太が所有している農園のオリーブには豊かな実に成っていた。実を見ると、豊かさを連想する。尚、この頃の美穂の髪型は、髪は結びやすくするためにセミロングとなっていた。出産の際に、髪を長くするか短くするかで分かれるが、美穂はあまり短くしたいという意思がなく、結びやすい方が効率がいいのではと思い、長いほうを選んだ。康太は、家事全般が得意だった。料理も、うまくなっていたと思われる。また、大尾島に移住したある者は「PC中心の仕事のみの人生なのであれば、人生がつまらなくなるのでは」と思ったのだという。美穂同様、幼い頃から農作物を知る機会は多かったという。そのような意見を聞くと、自分達の営みが肯定されていると思う。

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