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ブランド戦略論

ブランド戦略論(田中 洋 著)

■ブランドとは
・ブランドの語源は焼印
・ある売り手の商品やサービスが他の売り手のものと異なるものとするための名前・用語・デザイン・シンボル、他の特徴(アメリカマーケティング協会)
・交換の対象としての商品・企業・組織に関して顧客が持ちうる認知システムとその知識(本書定義)→情報ベースのブランド観から意味ベースのブランド観へ

12の定義
1法律的用法(商標)
2ロゴ:商品を差別化して品質の保証をする
3企業:認知できる企業名
4簡易表現:素早くブランド連想を想起させる
5リスク低減:約束としてのブランド
6アイデンティティシステム:ポジショニング
7イメージ:消費者のマインドにあるもの
8価値システム:消費者にあったブランド価値
9パーソナリティ:広告などからの心理的価値
10関係性:消費者のブランドへの態度
11付加価値
12進化する存在

■次元1:認知システムとしてのブランド
1カテゴリー:カテゴリー化によって意味を見い出す
2メタファー:比喩表現
3イメージスキーマ:意味の構造
・商品をブランドというカテゴリーで分類する
・ブランド同士を階層に分ける
・コンテキストよってブランドの典型性は変化する
・メタファー化させて認知させる
・認識構造の中で把握させる

■次元2:商標としてのブランド

■次元3:記号としてのブランド

■ブランドエクイティ
ブランドエクイティはブランドの名前やシンボルに紐づいた資産の集合。
<ブランドエクイティの5つのカテゴリー>
1ブランドロイヤルティ
2ブランド認知
3知覚品質
4ブランド連想
5その他のブランド資産

■測定尺度
・ロイヤルティ尺度(価格プレミアム、顧客満足)
・知覚品質(品質高低、人気)
・連想、差別化尺度
・認知尺度
・市場動向尺度(市場シェアなど)

■強いブランドの効果
1記憶:顧客がブランドを知っていることでより精緻な記憶構造が形成される
2考慮集合:連想が多いブランドほど顧客の考慮集合に入りやすくなる
3選択的注意:ブランドに気づき安く、より好意的な連想をする
4損失回避:ブランドのスイッチをすることが大きな損失に感じる
5知覚品質:再販売価格が高くなる
6曖昧性:意思決定で曖昧な場合、ブランド効果が発揮する
7知識:その商品カテゴリーに限られた知識しかない場合、ブランド名はアクセスしやすい情報となる
8連想:好意的なブランドは知覚品質、購買率を高める傾向
9ブランド拡張:より多くのカテゴリーへ発展できる
10価格:より大きな価格差をつけられる
11広告:知らない広告は嫌悪感、しっている広告は好意度が増す
12流通:より多くの棚を確保できる

■イノベーションとブランド
ブランド名、シンボル、パッケージ、広告、などが揃ったブランドは19世紀以降。これらの発端はイノベーション。ブランドが浸透するのは、そのイノベーションが忘れられたとき。(期限は忘却され、名前だけが消費者に残る)

■ブランドの歴史
1先史ブランド:装飾品、石器、呪力
2原ブランド:産地表示、信用
3前近代ブランド:飲料、タバコ、作り手の表示
4近代ブランド:パッケージ型、顧客への品質保証
5現代ブランド:サービス、機能意味表示

■ブランド戦略
1:トレードマークマネジメント
2:ブランド単位のマーケティングマネジメント
3:ブランド価値を高めるブランドマネジメント

ブランド価値:顧客の購入・使用にポジティブな影響を与えるようなブランド知覚ブランド知覚:知名度、連想、社会的評判、知覚品質、などの集合体
→企業から資産として評価したものがブランド資産(ブランドエクイティ)

■戦略マトリクス
・コストマーケター:競争相手よりも安いコストで競争優位を築く
・テクノマーケター:製品そのもの、テクノロジーで優位性を築く
・チャネルマーケター:流通の確保、営業力などで優位性を築く
・ブランドマーケター:顧客の頭の中に位置付け、高い収益力を可能にしたもの

■ブランドアーキテクチャ
・ハウスオブブランド:親ブランドとは独立
・エンドーストブランド:親ブランドが何らかの形で関係している
・サブブランド:親ブランドの派生
・ブランデッドハウス:親ブランドがそのまま個別ブランドの冠(Googleマップ)

ー経営レベルのブランド戦略
ーマーケティングレベルのブランド戦略
ーコミュニケーションレベルのブランド戦略

■ブランド価値の分類
Think:認知、満足など
Feel:感情など
Imagine:ロイヤルティ
Do:価格プレミアム、購買頻度、市場シェア

■ブランド拡張戦略
元のブランドのカテゴリー以外の商品カテゴリーにブランドを適用すること(無印良品が食品から家まで)

■デ・ブランディング
あえてブランド名を使わないブランド戦略

■パーソナルブランディング
創業者のブランディングなど

■ディフェンシブブランディング
競合のカテゴリーに防衛を目的として新ブランドを投入して対抗する

■ブランドのジレンマ
ブランド価値を高めることと売上が連動しないケース

■ブランドの経験測定
感覚的経験
感情的経験
認知的経験
行動的経験
の4因子

■ピークエンドの法則
人の記憶や印象は、ピークの体験と最後の体験を重要視する

■グローバルブランド展開
課題:ローカルマネジメントと中央コントロールのジレンマ

・解決法1:リードカントリーシステム:1つの製品やカテゴリーで優位的な国を中心に展開
・解決法2:グローバルブランドコーディネーション:HQにグローバルブランドの推進チームを置くやり方
・解決法3:グローバルビジネスユニット:製品カテゴリーごとにグローバル組織を作る
解決法4:地域本社制度:アジアならシンガポールにリージョナル本社を置く

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