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ぼくの悪童日記

ぼくのポリコ戦争を書いたので、ちょっとノスタルジーにひたってみよう。アホでアホでしょうがなかったぼくの中学生日記。30年以上前なので、時効ってことでよろしくお願いします。


「ぼく、女子トイレ覗いてみたいねん!」


真剣な面持ちで僕たち悪童連に話を持ちかけてきたのは、A君だった。A君は私たちと違ってとってもシャイで内気な少年だった。そう、あれは中学3年生の秋。未だ見ぬ想像上の絶大なる憧れ「女体」で頭の先から足の先まで埋め尽くされていたときのお話。


このA君小学校の時、将来の夢を卒業文集に書くところへ「地方公務員になりたい」と書いてしまうほど堅実君。


そんな彼が「女子トイレをのぞいてみたい」と言うのだから、仕方がない。
任せておきなさい。


堅物一片通りの彼も二次成長の荒波には逆らえなかったのだろう。ウン、ウン。我々もそれは痛いほどよく分かる。


われわれ悪童チームは、やる気満々。意気揚々。粉骨砕身。A君の力になってあげることにした。


題して「A君の夢を叶える作戦!!」


ホント、男子中学生ってバカですね〜。


それはさておき、三年生のトイレは一階にある。コの字型の校舎なので、反対側からオペラグラスでも使えば覗けるかもしれない。


しかし、反対側の二階は美術教室である。ここで早くも問題発生。鬼の美術教師、生活指導担当に見つかった暁には、一発や二発殴られる程度では済まない。命の危険すらあるのである。


生命維持に危険のある美術室のある2階はパス。では三階。角度が急すぎて女子トイレの中が見えない。そこで我々が導き出した答えは、コの字型の校舎の中庭には校舎に沿って花壇が設置されていた。そこで、花壇の手入れをしている体で、中を覗く。と言うものだった。


しかし、窓の下側はスリガラスなっていて何も見えない。肩車をしても、女子トイレの中は見れるものの、肝心のまさに女子が行為をしているところは見ることができないのである。これでは手落ちである。


トイレの上の部分が少しあいているので、やっぱりその中を見たいではないか。となるのは至極当然のことである。そこで、我々は中学三年間。体育祭でいやいややらされてきた組み立て体操の要領で高さをまして中を覗くこととした。


こんな時に組み立て体操が役立つとは!!


と一同。狂喜乱舞。いざ、出撃。


トイレが混むお昼休憩我々はダッシュで中庭に集合して三年間練習し続けてきたピラミッドを素早く組んだ。


最後にA君を肩車したしたやつが、てっぺんに立つだけだ。


一番下の土台になっていた私は、「まだか、まだか?見えたか?」を繰り返していたが、返ってくる答えは「もうちょっと、もうちょっと」だった、A君を肩車していた奴が「お〜女子おるで〜」と歓喜の声を上げた瞬間コの字型の校舎の反対側から


「コラ―――――――お前らなにやっとんじゃーーー」


と、聞きたくない、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


その声に驚きピラミッドはもろくも崩れ去った。その声は言わずと知れた美術教師のものだった。美術室の前はまずい。との理由で、中庭でピラミッドとなったのだが、美術室からはこのトイレがしっかり見えるのだった。


我々はそのことをすっかり忘れていた。中庭なら大丈夫と誰もが思い込んでいたのだ。やっぱり、バカばっかり。


案の定こってり絞られた。


「僕たち花壇の手入れしてただけですよ」


と一応言い訳してみたが問答無用、鉄拳&廊下に正座と言う今のご時世だったらえらいことになるぞ的な体罰を受けることになった。


学校の帰り道A君に「見えたか?」と聞いたら、


「誰かに見られてへんかと思って、きょろきょろしてたから、あんまり中見てへんかってん」


と、なんともまぁ、彼らしい返答。


そうして、「A君の夢を叶える作戦」は失敗に終わった。
がっくし。
しかし、この話には後日談がある。
文化祭の前日、文化祭の準備が有るから。との理由で夜遅くまで学校に残っていたとき。


チャーンス到来!!


とばかりに、我々はA君を連れて夜の女子トイレへと向かった。


電気をつけると怪しまれるので、暗闇の中、我々は誰も入っていない女子トイレの前で両手を広げて、A君に


「さーー思う存分覗くがいい!!」


といってのけたのだった。


気のいいA君は「ありがとう」と言って漆黒の女子トイレへと消えて行った。


トイレからでてきたA君は「女子トイレ覗いちゃった」と、無邪気な笑みを浮かべて喜んでいた。


まぁ、一応これでも作戦は成功か。と我々も勝利のガッツポーズを決めるのだった。

なんじゃそりゃ。


(/。\) ハズカシイ

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