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FF5で考える、スキルアップとリスキリングの意味、違い

どうもこんにちは、アリタ マナブです。ITの「リスキリング」の講師として活動する傍ら、自分自身も日々「スキルアップ」して新しい能力を身に付けようとしています。

さて、今わたしは「リスキリング」と「スキルアップ」という二つの言葉を使いました。

私自身としては普段使い分けているつもりのこの二つの言葉。どちらもスキル=能力を上げるためのものなので、「どうにも違いが判らない」という声を実はしばしば耳にします。

みなさんはいかがでしょうか?区別して使い分けができていますか?

「リスキリング」の定義を書くとこうなります。

必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために必要なスキルを獲得すること

リスキリング

一方「スキルアップ」の定義はこうなります。

今の仕事に使っているスキルの熟練度・成熟度をアップさせること

スキルアップ

うーむ・・・難しいですね。

「必要とされるスキルの大幅な変化に対応するため」と言われても、具体的にどういうことというのがイメージできないと、ピンとこない説明かもしれません。

ただですね・・・このような言葉による説明をされなくても、実は私たちは、子供のころ、とあるゲームで「リスキリングってこういうもの」というのを体験し、また同時に「リスキリングすることのメリット」も十分に味わったことがあるのです

そのゲームとは・・・

「ファイナルファンタジー5」

1992年12月6日に日本のスクウェアから発売されたロールプレイングゲームです。略称はFFV、FF5など。

40歳前後の方はドンピシャの世代かもしれません。それよりも下の世代だとリメイクされたものの方をプレイしたよという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな言わずと知れた国民的RPGですが、このゲーム、まさに「スキルアップ」と「リスキリング」を駆使してストーリーを攻略していくゲームと言えるのです。

どういう点が? もう少し詳しく見ていきましょう。


1. FF5の特徴(ジョブシステムとアビリティ)

FF5はゲーム、序盤は「すっぴん」と呼ばれるいわば「無職」の状態でストーリーがスタートします。

途中、いくつかのイベントをこなしていくと「クリスタル」を入手し、それによって新しい「ジョブ(職業)」を入手することができます。

ジョブには様々な種類のものがあります。
例えば「ナイト」「魔法使い」「モンク」「忍者」「狩人」などです。ジョブを入手すると「すっぴん」を脱してそれらのジョブに就く(ジョブチェンジ)ことができます。

新しいジョブにチェンジするメリットとしては、まず職業に応じてキャラクターの基礎能力(力・すばやさ等)が変化します。

また各ジョブには固有の能力=「アビリティ」が用意されており、ABP(アビリティポイント)を貯めることでアビリティを覚えることができます。こちらジョブチェンジする主な目的かもしれません。

例えば、「忍者」には、
Lv1:「煙玉」確実に逃げられる
Lv2:「分身」分身状態になって物理攻撃を回避
Lv3:「先制攻撃」先制攻撃の確率が2倍になる
Lv4:「なげる」アイテムを投げてダメージを与える
Lv5:「二刀流」両手に武器を装備して二回攻撃
のようなアビリティがあり、ゲームが進展するにつれてより高度なアビリティを使えるようになっていきます。


2. 「スキルアップ」とは?

「リスキリング」と「スキルアップ」のうち、まず「スキルアップ」のお話をすると、「スキルアップ」は単一のジョブ(職業)のなかでの「アビリティの取得」とほぼイコールです。

スキルアップとは?

皆さんも今のジョブ(職業)のなかで、「この仕事をするなら取得したほうがいいよ」と周りや先輩から勧められる能力がありませんか?

例えば、経理であれば、簿記の3級→2級→1級のような資格能力が代表的なものですし、極めれば「USCPA(米国公認会計士)」のようなものを狙う人もいるでしょう。

このように同じジョブのなかで、ある程度は確立されている、スキルのピラミッドがあり、それを上に向かって極めていくことが、「スキルアップ」です。


3. 「スキルアップ」だけでは立ち行かなくなる時

FF5というゲームでもそうですが、ストーリーが進んでいくと、単一ジョブのアビリティ(スキル)だけでは立ち行かなくなるシーンがあります。

例えば、ボス敵の攻撃があまりに苛烈で、白魔導士の回復魔法だけではナイトのHP回復が足りない・・・

こういう回復係が足りない場合、プレイヤーが取りうる選択として、例えば、今「ナイト」のキャラをジョブチェンジして、回復ができる「白魔導士」を増やす…というのがあります。

「白魔導士」としてのジョブのレベルはまたLv1から再スタートになってしまいます。しかしジョブを変更することのメリットとして、変更先ジョブの「アビリティ」を新たに身に付けることができるというのがあります。

そして、ここが最大のメリットですが、一度取得した「アビリティ」は元のジョブや他のジョブに変わったときも、追加アビリティ枠として、自由に選択し取り外しすることができます。

どういうことかというと、本来回復白魔法が使えない「ナイト」であっても、白魔導士時代に覚えたアビリティを付加することで、「白魔法が使えるナイト」になることができるのです。

ストーリーの中には、「オメガ」や「神龍」といった「単一ジョブ」を極めただけでは太刀打ちできない強敵も登場します。

しかし、プレーヤーは複数のジョブで得たアビリティを組み合わせることで、攻略を容易にすることができるのです。


4. 「リスキリング」とは?

ここまでくれば、皆さんお察しかと思いますが、「リスキリング」とはFF5で言うところの「別のジョブのアビリティ取得」に該当するします。

リスキリングとは?

今まで「営業」というジョブ一筋でやられてきた方は、「プレゼンテーション」「第一印象」「値引き交渉」などの営業職の高度な能力を「スキルアップ」で身に付けていらっしゃったと思います。

リスキリングは「営業職とはまったく違う別のジョブ」・・・例えば「システムエンジニア職」のスキルである「データベース」「プログラミング」などのスキルをゼロから学びなおすことを意味しています。

学びなおしなので「Re-Skilling」と呼ばれているんですね。


5. なんで私がリスキリングを・・・

「初心に戻って別のジョブの、できればITのスキルを得てください」と言われたら、多くの人はこう反応すると思います。

「なんで営業としてでここまでスキルアップしてきた私が、今更初歩のシステムエンジニアのアビリティを身に付けなきゃならないんだ?」

・・・お気持ちはわかります。

ですが、皆さんがプレイしている「人生」というゲームは、近年、ボス級の強敵がザコ敵として現れるようなクソ難易度調整が頻発しています。

「コロナ禍」「リモートワークの普及」「ウクライナ情勢」「急速な為替変動」

・・・これは例えていうなら「オメガ」級の強敵が同時に複数体登場するような非常事態です。

このような非常事態を乗り越えるためには、

ナイトが「白魔法」を覚えるような、あるいは忍者が「乱れ撃ち」を覚えるような、リスキリングが不可欠なのだととらえてください。

6. リスキリングでお勧めのスキル?

ジョブ「システムエンジニア」の「IT関連アビリティ」は汎用的なアビリティのため、どのような「ジョブ(職業)」の方にもリスキリングで身に付けることをお勧めできます。

具体的には、何を身に付けたらいいのかって?Pythonか?

・・・Pythonは「システムエンジニア」のアビリティの中でも、かなり高レベルのアビリティになると思います。

そこまでいかなくても、元のジョブで役に立つ「IT関連アビリティ」は他にもたくさんあります。

このNoteでは順番に説明していきたいと思いますね。

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