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小説のこと

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読んだ本の感想など。
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2020年7月の記事一覧

西の魔女が死んだ(梨木香歩/新潮社/2001.08.01)

会社員時代、仕事でいろいろ悩んでいたとき、メンター的にしていた小説。中学校時代、学校生活に悩んでいたときにも知りたかったなあとも思う。

学校に行かないと決めた主人公が、田舎の一軒家に住むイギリス人のおばあちゃんの元で一夏を過ごす話。おばあちゃんは実は魔女、その教えを受けて魔女修行をする。魔女というとファンタジーな感じだけど、そういうことは一切出てこなくて、いかに日々を丁寧に暮らすかという話。いわ

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これは王国のかぎ(荻原規子/理論社/1993.01)

老舗の異世界転生もの。はじめて読んだのが10代のときで、ファンタジー好きな子どもとしては、今日の延長線にこんな世界があってもおかしくないというしっかりとした実体を感じたのを覚えている。

真面目で、優等生で、そのことにプライドもあるけど自己嫌悪もある。そんな気持ちを冒険させてくれるお話。そして、恋のきらきら感。どろっとした気持ちもあるんだけど、やっぱりきらきらしてる。

アラビアンナイトの世界がベ

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RDG レッドデータガール 1~6(荻原規子/角川文庫)

勾玉三部作が荻原さんの作品との出会いだった自分にとって、これぞ荻原規子さんの世界観という気持ち。大人になった今でも没頭して読んでしまうけど、10代のころに読んでいたらもっと大変なはまり方をしたと思う。

姫神、修験道、九頭竜、陰陽道、そして学園生活と、和風ファンタジーの定番設定のようでそうは感じさせない。知識があまりなくても楽しめるライトさがありながら、薄っぺらくない重厚さが共存していて感動する。

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