これは王国のかぎ(荻原規子/理論社/1993.01)
老舗の異世界転生もの。はじめて読んだのが10代のときで、ファンタジー好きな子どもとしては、今日の延長線にこんな世界があってもおかしくないというしっかりとした実体を感じたのを覚えている。
真面目で、優等生で、そのことにプライドもあるけど自己嫌悪もある。そんな気持ちを冒険させてくれるお話。そして、恋のきらきら感。どろっとした気持ちもあるんだけど、やっぱりきらきらしてる。
アラビアンナイトの世界がベースにあって、挿絵はほんの少しなのに、その情景が浮かんでくるのが、ああ荻原さんの物語だと思う。30代になった今でも、冒険心がほしいとき、折々読み返している。
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