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「あなたにとって、仕事とはなんですか?」

採用試験や面接で、「あなたにとって、仕事とはなんですか?」と聞かれたことが有る人もいるかと思います。学校の就職試験対策でも取り上げられるますので、模範的回答を覚えた記憶がある人も多いでしょう。

しかし、この質問の目的は「就職をする」という人生の大きな決断は、それなりに深く考え、覚悟を持って臨んで欲しく、そういう受け止めをしているかどうかを問うものであり、本来そうあるべきですが、残念ながら指導する学校も、それを受ける生徒も「模範解答を覚える」という程度で、その質問の目的や趣旨が果たされていないと感じる事が多いのも事実です。

 似たような事は社会の中では数多く存在し、テレビなどで見る“政治家、コメンテーター、アナウンサー、芸人”などの発言は自分の意見というより、自分自身の考えではない「模範解答」であることが多く、本音が見えにくい難しい社会になったと感じます。

人により接する情報や、背景・知識などは時と共に変化するので、意見が変わる事も多々あって良いのですが、出来るだけ自分で深く考え、自分なりの意見を持ち、正しいと考える言動をとっていきたいと思います。

ところで冒頭にあげた「働く意味と目的」ですが、皆さんはどのように考えますでしょうか。多くの人は「生活のため」「お金を稼ぐため」など経済的な目的を第一に思い浮かべることと思います。衣食住にはお金が必要ですし、国民である以上「勤労・納税」の義務もあります。

また、少しでも生活に余裕を持ちたい、少しでも便利に過ごし、おいしいものを食べたいと考えれば、収入を増やすという事はとても大切な事です。

しかし、人生のうち多くの時間を費やす「仕事」が、お金を稼ぐための手段と限定的に考えてしまうと「仕事=義務的労働」と感じやすくなります。人は「義務」を与えられると「不満」を感じることになってしまいます。

その為、仕事の目的には「収入の為」だけでなく、二つの目的を加えて欲しいと思います。

一つ目は「自己実現」のためです。自己実現とは自分だけの目標を持って、その実現に向けて努力することです。自分自身の成長は「充実感」につながります。その為には「専門的な知識」「ビジネスに役立つ知識」「コミュニケーション力」が必要です。

二つ目は「社会貢献」のためです。私たちの生活は誰かの努力によって支えられています。きれいな歩きやすい道路を歩けるのは、誰かが道路を作ってくれているからです。便利なスマホが使えるのは、誰かが日夜研究し発明してくれているからです。おいしい食事が出来るのは誰かが食材を作り、誰かが運び、誰かが調理し、モノやサービスをお金で支払う仕組みを作ってくれているからです。気軽にドライブに行けるのも、夜中具合が悪い時に病院に行けるのも自家用車や救急車があって、壊れないようにメンテナンスしてくれる人がいるからです。

 一人でどんなにお金を稼いでも、一人一人が努力を重ね、社会に貢献し、集団で支え合わなければ、この便利で豊かな社会は成立せず、人間は幸福な生活を送ることが出来ません。

 働くという言葉は「端(他人)を楽にする」という言葉が語源になっていると言われます。収入を増やすことは重要な目的ですが、同時に「自己実現」と「社会貢献」も深く考え、自分自身の意見として持ち合わせることで「仕事」は「義務」や「苦役」ではなく、充実した時間として捉えられるようになるかと思います。

以上


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