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人生100年シリーズ⑩ 人間は当たり前だけど食べたもので出来ている。

人間の体は、当たり前ですが「食べたもの」で出来ています。当然ですが、体に必要な成分を適量に含んだ食事が大切です。

しかし、戦後日本人に欧米産の食べ物を大量に輸入してもらおうと考えたGHQの政策もあり、日本食の欧米化が進みました。典型的な例とされるのは学校給食で、アメリカ産小麦で作られたパンを日本人に大量に食べてもらうために大きな成果を上げました。


 その後も、優秀な企業のマーケティング活動(笑)により、人間の食欲は過剰なまでに刺激を受け続け、適量を超えた食事や栄養のバランスを欠いた食事をする機会が増えるようになりました。その結果、近年は「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」などの生活習慣にかかわる成人病が増え、ある日突然「狭心症」「心筋梗塞」「脳卒中」などの生命にかかわる疾患を引き起こす原因の一つになっていると言われています。


 健康のために大切な3つの要素は「食事、運動、睡眠」と言われています。健康で長生きするために大切な三大要素です。生命活動の基本は、食事からエネルギーを取り込み、運動して消費し、余ったものを蓄える。人間の寿命は100年でも細胞の寿命は短いもので数日です。その為この細胞を生み出す力を強化するのが、運動と睡眠です。そしてその細胞を作る材料が食事となります。


人間の体の成分は約6割が水ですが、その次に多いのがタンパク質で、約2割を占めています。では具体的にタンパク質は体のどこにあるか?というとざっくりと言えば、からだの脂肪以外はほぼ全てがタンパク質と言っていいと思います。


 「筋肉、皮膚、骨、毛髪、臓器、血管、血液(の成分)」など、体を構成する要素。また、体の機能を調整する「ホルモン、酵素、免疫物質(抗体)」などの原材料がタンパク質です。そのタンパク質は20種類のアミノ酸によって構成され、アミノ酸の配列によって様々な種類のたんぱく質が細胞の中で作られており、その種類は5万~10万種と考えられています。

 タンパク質は相互作用を行うことで、心臓を動かし血液を通じて免疫や栄養素を体中の細胞に運び、呼吸を行い、筋肉を動かすのも体温を調整するのも、ウイルスの侵入から体を守り、がん細胞を死滅させる(免疫作用)のも、すべてタンパク質の働きです。


 タンパク質は「食べもの」から摂取しますが、食べたタンパク質はアミノ酸に分解されます。よく膝が痛いからとグルコサミンやコンドロイチンなどを摂取するといいと言われますが、基本的に胃と腸でアミノ酸に分解されますので、そのまま膝にグルコサミンが行くことはありません。膝などにある細胞が必要に応じてアミノ酸を材料としてグルコサミンをベースにしたタンパク質を合成し、軟骨などを構成しています。


 要するに、人間の生命活動に必要な「タンパク質」含むバランスの良い食事を適量取ることと、運動、睡眠の組み合わせが、健康寿命を延ばす大事な取り組みとなります。 

人生100年と言われる時代になりましたが、 健康寿命を延ばすことは本人の努力で変えられる範囲に含まれると思います。


以上

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