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プリキュアの魔法 ~彼女たちは家族のココロをひとつにする~

5歳の娘がプリキュアにはまって、早2年。
そろそろ今期のプリキュアも終わりを迎え、次の代のプリキュアが始まる次期だ。

この時期になると話がクライマックス中のクライマックスになり、テンポの早い進みになる。
そして敵役の中で真の敵的なすごく悪いやつが現れたり、逆にこれまですっごく悪いやつだったはずのキャラクターが急に不自然なほどにいいやつになったりと、コロコロ立ち位置が変わったりする。
大人は見ていてそれなりについていけるけど、子どもにとってはそうもいかない。
なんとなく「なーんかさいきんよくわかんないなぁー」みたいな感じでぽけーっとしながら視聴するようになり、少しずつ今のプリキュアから「卒業」していくのだ。

同時に始まる次の代のプリキュアの新番組紹介。
そして怒涛のキャンペーンや新アイテム(おもちゃ)のCM。
娘の心は一気にそれらに持っていかれ、まだ終わっていない現プリキュアから、スーッと次のプリキュアに移行していく。

あまりに鮮やかな戦略。
切り替えの苦手な子どもが前のシリーズを引きずりすぎず、そのまま「プリキュア」そのものから離脱してしまわないように押さえた上で、次のシリーズにのめり込ませていくのだから、このやり方ってすごいなと感嘆してしまう。

久しぶりのnote更新で、いきなりのプリキュア語り。
いったいどうした?と思われるかもしれないが、実はプリキュアにはまり、このプリキュア代替わりの時期にソワソワしているのは娘だけではなく私もなのだ。
もっと言うと、夫もプリキュアに大注目している。

娘がはまったことから足を踏み入れたプリキュアの世界、最初はただの子ども向けアニメとしか思っていなかったけれど、踏み込んでみてあまりに奥が深い沼だと知った。

先述したように、入った者を逃さないようにする、次の代へつないでいく戦略もすばらしいながら、それぞれのシリーズが個性的でおもしろい。
今やっているシリーズだけでなく、過去作もどんどん見たくなってしまう。
映画では過去のプリキュアと「大集合」したり「コラボ」したりする作品がたくさんあるので、それがきっかけで、ずるずると芋づる式に他のプリキュアにも興味が向いてしまうのだ。

ちなみに今、わが家では過去のプリキュア映画を、ほぼ全て見つくしたのではないかと思う。
そして歴代のプリキュア主題歌も、歌詞さえ見れば全部歌える気がする。
ほぼ全てのプリキュアの名前も言える。
そしてこれ、娘だけでなく、娘、私、夫がこの2年で体得した知識…。
アラフォーの夫は私にはっきりと言った。
「俺、プリキュアにはまってる」。

そんな夫が深夜、娘のため(と言いながら家族みんなのため)に録画したプリキュアをひとりで見ている光景を見ながら思うのだ。
プリキュアは家族の心をひとつにすると。
週末のおでかけにプリキュア映画を見に行けば、みんなが楽しめる。
プリキュアのDVDを借りれば、家族団らんになる。
娘がエンディングテーマのダンスを踊れば、自然とみんなに笑みがこぼれる。
会話にもいちいち「あのプリキュアがー」と出てきてプリキュアプリキュアプリキュアプリキュア…。

そして、何よりもすごいと思うのは、息子もプリキュアには興味を示すこと。
息子は知的障害を伴う自閉症があり、言葉を話すことができない。
ものごとに対する興味関心も薄く、これまで特にはまったアニメやゲームもない。
テレビやタブレットなどの電子機器にもそれほど興味を示さない。
それなのに、プリキュアには興味を示した。

娘がプリキュアを見ていると、ひっそりと一緒に見ている息子がいる。
過去には一緒にプリキュアのイベントに行ったこともある。
そして、おもちゃなど自分から欲しがることなんてない息子が、娘が欲しがったプリキュアのおもちゃは「おれもほしい」と言わんばかりに手を伸ばして欲しがったのだ。
これは、ちょっと感動的なできごとだった。

プリキュアたちは、よくある魔法少女ではなく、物理攻撃で戦う少女戦士たち。
でも彼女たちは、魔法も使えるんだなと思う。
物語の中だけでなく、それを見ている私たちに魔法をかけてくれる。
家族共通の趣味として、子どもが幼い頃のみんなで笑ってワクワクした思い出として、素敵な魔法をかけてくれる。
次のプリキュアに思いを馳せつつ、これまでのすべてのプリキュアに感謝を込めて。
ずっとこのシリーズが紡がれていくことを、願っている。

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